システムトレード 検証と実践-自動売買の再現性と許容リスク

システムトレード 検証と実践-自動売買の再現性と許容リスク

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システムトレード 検証と実践
自動売買の再現性と許容リスク
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トレードコンテストで3年連続1位、2位を獲得した著者


本書は先物市場のリアルトレードコンテストである「World Cup Championship of Futures Trading」において3年連続2位以内に入ったケビン・J・ダービーによる著書です。
トレードシステムの構築までのプロセスの詳細を紹介する内容となっており、システムトレードのロジックをこれから研究したい人はもちろん、裁量トレーダーにとっても十分参考になる書籍です。
序盤は筆者のトレードの失敗談などリアルな体験談から始まり、読み易い内容になっています。翻訳もスムーズな翻訳となっており、ストレスなく読むことができます。
過去のデータを元に行った検証のどこに注目するべきか、経験の浅いトレーダーが陥り易い点などについて丁寧に説明した後に、実際のシステムの検証の例を挙げて説明しており、一連のトレードシステムの構築の流れを理解できるように構成されています。 本書ではトレードステーション等を使用した検証を行なっていますが、MT4を用いた検証にも十分に応用可能であると考えられます。


本書で紹介されているトレードシステム構築までの流れ


本書ではシステムトレードの構築を次のような手順で行なっていきます。

①目標の設定

まずは目標を明確化することから始まります。この目標が明確でないと先へは進めません。目標を立てるのに必要な項目の頭文字をとり、SMARTの法則に合致する目標を推奨しています。

S(Specific:具体的)
M(Measurable:測定可能)
A(Attainable:達成可能)
R(Relevant:関連性のある)
T(Time bound:期限を決める)

②トレードアイディアのリストアッップ

次に検証したいトレードアイディアをリストアップします。市場や時間枠などの検証に必要な要素を設定します。

③限定的検証

事前に検証を行い、結果に満足したら本格的な検証に入ります。予備審査のようなものになります。

④ウォークフォワードテスト

通常のバックテストに一手間加えたウォークフォワード分析を行います。
一定期間の過去のデータを用いたバックテストにより導き出されたパラメーターを用い、新しい期間のデータに対し、テストを行うという方法を分けて行い、その結果を集約したものがウォークフォワードテストとなります。(詳細は本書を参照)
その結果を用い、トレードシステムが実際のトレードで使うに値するかどうかを行います。

⑤モンテカルロテスト

モンテカルロ分析とは通常のバックテストに加え、トレードの順番などを変え他場合などの検証を行った上でのそのトレードシステムの持つ脆弱性をあぶり出す分析となります。
このモンテカルロ分析によって、破産リスクやドローダウン予測、期待リターンなどを割り出します。

⑥インキュベーションテスト

見て、待つ期間になります。いきなりリアルマネーでトレードするのではなく、そのトレードシステムがうまく機能するかどうかを見守る期間になります。FXの場合はこの期間にデモ口座のテスト運用でこのテストを行うことができます。
このインキュベーションテストを無事通過すると本格的な運用が近づきます。

⑦分散化チェック

複数のトレードシステムを運用し、トレードを分散化させることにより、収益の安定化を計ることができる場合があります。これが分散化チェックです。相関性の無いトレードシステムと組み合わせることにより、収益が安定しやすくなります。

⑧ポジションサイジングチェック

最後にポジションサイズをチェックします。本書で著者が指摘しているようにこのポジションサイズに関する検討を最初の段階で行うべきという意見もあるようですが、本書では筆者の考え通り後に行うとしています。

これらが完了すると実際の相場でのトレードとなります。


筆者のサイトでは動画などの公開もあり


著者のサイト(http://kjtradingsystems.com)では筆者の動画など(全て英語)を無料で見ることができるようになっています。英語に抵抗の無い方は覗いて見ると発見があるかもしれません。
また、本書で紹介しているモンテカルロシュミレーターもダウンロードすることができます。ご興味のある方は是非お試しください。

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