リバランスとは|意味・具体例・タイミングなどを詳しく解説
リバランスとは、ポートフォリオにおいて相場の変化によって崩れた資産配分の割合を調整することを指します。
ポートフォリオの資産価値が変動する中で、リスクを軽減し、安定した運用を目指すためにはリバランスが必要とされています。
本記事では、リバランスの意味や具体例、タイミングなどを詳しく解説します。
目次
- 1.リバランスとは
- 2.リバランスのやり方とタイミング
- 3.リバランスのメリット・デメリット
- 4.リバランスに関するQ&A
- 5.【まとめ】リバランスとは|意味・具体例・タイミングなどを詳しく解説
リバランスとは
リバランスとは何か、なぜ必要とされるのかを解説していきます。
- ・意味
- ・必要とされる主な理由
意味
リバランスとは、ポートフォリオの資産配分の比率を調整することを指します。
最初にポートフォリオを構築する資産割合を決めていたとしても、価格変動によって資産の構成比が当初の配分からずれてしまうこともあります。
そこで、値上がりした金融資産の一部売却や、値下がりした金融商品の買い増しなどによって比率を当初のものに近づける調整をリバランスと呼びます。
必要とされる主な理由
リバランスが必要とされる主な理由として、リスクの軽減が挙げられます。
相場動向によってポートフォリオの比率が崩れると、リスクが大きくなる場合もあると考えられます。
例えば、株式と債券で50%ずつのポートフォリオを組んだとして、株式の比率が過度に高まると、株式市場が暴落した際に損失が拡大しやすくなります。
ポートフォリオの構成比率を調整することで、リスクの拡大を防ぎ、安定した状態を保つことがリバランスが必要とされる主な理由です。
リバランスのやり方とタイミング
リバランスはどのようにするのか、いつ行えばいいのかを解説していきます。
- ・やり方
- ・タイミング
やり方
ポートフォリオの構築当初の資産配分比率を基準に、「比率が増えた資産を売却して、比率を減らす」「比率が減った資産を追加購入して、比率を増やす」ことで調整します。
例として、投資資金が100万円で、株式が50%の50万円、債券も50%の50万円のポートフォリオを想定します。
このうち株式が100万円に値上がりして債券の価格は変動しなかったと仮定すると、総資産が150万円に増えた場合、資産配分比率は株式が約66%、債券が約33%に変化します。
これを当初決めた比率の50%に戻すため、「増えた分の株式を一部売却する」または「債券を比率が50%になるまで購入する」ことでリバランスを行います。
タイミング
いつリバランスを行えばいいのかというタイミングは明確な正解がないものの、主に以下の2つの方法が代表的です。
1つの基準として、半年、1年、四半期など区切りの良い定期タイミングでポートフォリオを見直す考え方があります。
あるいは、資産配分の比率が一定以上乖離したタイミングでリバランスを行う方法があります。
当初に決めていた比率から5%や10%乖離したら調整し、元の比率に戻すという考え方です。
定期リバランスと、配分比率が一定以上乖離した場合の併用も有効です。
リバランスのメリット・デメリット
リバランスを行うメリット・デメリットを解説します。
- ・メリット
- ・デメリット
メリット
リバランスの最大のメリットは、リスクを軽減できる点です。
リバランスを行って保有資産の比率を調整することで、1つの金融資産が暴落してもダメージを軽減できます。
また、リバランスによってパフォーマンスが向上する可能性も考えられます。
値上がりして比率が大きくなった資産を一部売却し、比率の下がった資産へ資金を再配分することで、割安になった資産を買える場合があります。
その割安の資産が値上がりすれば、大きなリターンを獲得できるチャンスがある点もメリットです。
デメリット
リバランスを行うとコストが発生する点が、デメリットとして挙げられます。
リバランスには、売却時の課税や売買手数料などのコストが伴うため、頻繁に実施すると費用負担が大きくなります。
将来有望な資産を早期に売却してしまい、結果的にリターンが下がる可能性もあります。
ただし、これはリターンよりもリスク分散を優先するというリバランス本来の目的によるものであり、意図的な判断として受け入れることが必要です。
リバランスに関するQ&A
リバランスに関して、よくある質問は以下の通りです。
- ・リバランスは意味がないのですか?
- ・投資信託におけるリバランスとはどういう意味ですか?
- ・NISAやiDeCoはリバランスが必要ですか?
リバランスは意味がないのですか?
リバランスには、リスクを軽減するメリットがあります。
複数の金融資産や銘柄でポートフォリオを組んでいるのであれば、時間の経過と共に配分比率が崩れる可能性があります。
その際、リバランスで当初の比率に戻すことで、リスクを分散できます。
投資信託におけるリバランスとはどういう意味ですか?
投資信託の中には、運用会社が資産配分を自動的に調整してくれる「バランスファンド」もあり、こうした商品ではリバランスが組み込まれています。
一方で、複数の投資信託を自分で組み合わせて運用している場合は、自分で配分をリバランスする必要があります。
NISAやiDeCoはリバランスが必要ですか?
長期投資を前提としたNISAやiDeCoで複数の銘柄に投資をしている場合は、リバランスをすることでリスクを抑え、ポートフォリオの一貫性を保つことができます。
定期的な見直しや、資産比率の乖離をリバランスの基準とするのが一般的です。
特にNISAやiDeCoでは、売却益や分配金が非課税となるため、リバランス時の税負担を抑えることができます。
【まとめ】リバランスとは|意味・具体例・タイミングなどを詳しく解説
リバランスとは、相場の変動によって当初の想定から変化したポートフォリオの資産配分割合を、一部売却や買い増しによって元の割合に戻すことを指します。
リバランスによって、リスク軽減やパフォーマンス向上といったメリットが期待できます。
一方で、リバランスにはコストが発生する可能性があり、頻繁に行うとコストも増えやすいデメリットがあります。
また、必ずしもパフォーマンスが向上するわけではなく、リバランスをしたことで期待リターンが低下する可能性もあります。
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