現渡し
現渡しとは、信用売りした株式を返済期限前に手元の現物株で決済する操作のことです。
信用取引制度の整備とともに実務用語として定着し、2000年代以降はネット証券の普及により個人投資家にも広く認知されるようになりました。
現渡しは市場外の内部決済であり、価格や指数には直接的に影響を与えませんが、信用残高の増減は需給や市場ムードを測る材料になります。
現渡しは必要株数を保有していることが前提で、保有銘柄が異なる場合は調達が必要です。
証券会社によって取扱ルールや必要書類が異なるため、制度差の確認が重要です。
また、逆日歩と呼ばれる調達コストを抑えられる場合がある一方、株価変動リスクは引き続き残ります。
さらに、信用取引の建玉整理に用いられる基本的な手続きであり、仕組みを理解することで取引全体の構造を把握しやすくなります。
関連用語に、信用買いを現金で返済する「現引き」があります。