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ハイパーインフレとは|過去の事例や主な原因などをわかりやすく解説


ハイパーインフレとは、物価が異常なスピードで上昇する状態を指す言葉です。

通常のインフレよりも急激かつ持続的に物価が上昇していくのが特徴です。

主な原因は、政府や通貨への信頼低下、財政の悪化、通貨の過剰発行などとされます。

本記事では、ハイパーインフレの意味や主な原因、過去の事例について詳しく解説していきます。

ハイパーインフレとは

まずは、ハイパーインフレの意味について解説します。

  • ・ハイパーインフレの意味・定義
  • ・ハイパーインフレとスタグフレーションの違い

ハイパーインフレの意味・定義

ハイパーインフレとは、物価が極端なスピードで上昇する状態を指します。

英語のハイパーインフレーション(hyperinflation)が略された言葉です。

一般的に、ハイパーインフレでは物価が前月比で50%以上のペースで上昇する状態と定義されます。

通常のインフレに比べて、短期間で通貨の購買力が急激に失われます。

通貨の過度な発行や通貨不信などが、物価暴騰の主な原因とされます。

ハイパーインフレとスタグフレーションの違い

スタグフレーションは景気が後退しているにもかかわらず、物価上昇が継続している状態です。

供給不足やエネルギー価格の上昇、通貨安などによって発生します。

一方のハイパーインフレは国家や通貨への信用が失われ、物価が爆発的に上昇する状態です。

どちらも物価が上昇しますが、原因やスピードが異なります。

ハイパーインフレが起こる主な原因

ハイパーインフレが起こる要因は何かを解説します。

  • ・政治・財政の混乱や信用低下
  • ・過度な通貨供給
  • ・生産力の低下や供給制約

政治・財政の混乱や信用低下

政府の信用低下や財政の悪化はハイパーインフレに繋がる重大な原因になります。

通貨はそれ自体に価値があるのではなく、国家への信用によって価値が担保されています

経済政策の失敗や内戦などによって政府への信用が低下すると、通貨に対する信用も低下するため、通貨の価値が下落します。

相対的にモノの価格が上昇し、政府の信頼性の低下が続くと最終的にハイパーインフレに発展します。

財政悪化も要因の1つで、債務が増加し返済のために通貨を大量発行すると通貨の価値が下落します。

その流れが続くことで通貨の価値が連鎖的に下がり、ハイパーインフレへと繋がります。

過度な通貨供給

通貨を発行しすぎると通貨価値が下落します。

通貨の価値が下落すると物価が上がり、同じ商品を買うのにより多くの通貨が必要になります。

また、通貨の価値が下落すると考えた人が、高い価値を持つ外貨や不動産などの現物資産を購入し、通貨の価値はより下落していきます。

このような状況で通貨発行を続けると、通貨への信頼がさらに損なわれ、物価の上昇が止まらなくなります。

最終的に自国の通貨が取引手段として機能しなくなり、ハイパーインフレへと繋がります。

生産力の低下や供給制約

生産力の低下や供給の制約もハイパーインフレに繋がる要因です。

生産力の低下や供給の制約によってモノが不足すると、物価が上昇します。

その状況で生活支援などのために通貨を大量に発行した場合、通貨の価値が下落し、物価がさらに上昇していきます。

そしてモノ不足による物価上昇に通貨の発行で対応する悪循環が繰り返されることで、ハイパーインフレが引き起こされます。

ハイパーインフレが起きた過去の事例

ハイパーインフレの事例について解説します。

  • ・第一次世界大戦後のドイツ
  • ・第二次世界大戦後の日本
  • ・2000年代のジンバブエ

第一次世界大戦後のドイツ

第一次世界大戦に敗北したドイツには膨大な賠償金が課されました。

賠償金の支払いや国民の生活を守るために、ドイツは当時の通貨であるマルクの大量発行を続けました。

その結果、マルクの価値は暴落し、ハイパーインフレに見舞われました。

その後ドイツではハイパーインフレ対策として新通貨であるレンテンマルクを発行し、通貨制度の立て直しを行うことでハイパーインフレを抑えることに成功しました。

第二次世界大戦後の日本

第二次世界大戦に敗戦した直後の日本では、ハイパーインフレとまではいかないものの、深刻な物価上昇が起きました。

膨大な軍事支出のための国債発行、生産設備やインフラが破壊されたことによる供給力の激減、復員による人口増などに対処するために通貨を増刷しました。

通貨を増刷しすぎた結果、通貨の価値が下落し、相対的に物価が急激に上昇したことで、生活必需品の価格も高騰しました。

この深刻なインフレは、GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)が実施したドッジ・ラインと呼ばれる財政政策によって鎮静化されました。

2000年代のジンバブエ

現代で有名なハイパーインフレは2000年代のジンバブエです。

ジンバブエでは当時のムガベ大統領が白人の土地を接収し、黒人に分配しました。

しかし、農業についての知識やノウハウがなかったため、農業生産が急激に落ち込み、食料や輸出品の供給が不足する事態に陥りました。

さらに、経済政策の失敗が続き、ジンバブエ経済は大混乱となりました。

そのような状況の中、当時のジンバブエの通貨だったジンバブエドルの発行量を増やし続けたためハイパーインフレが発生しました。

2009年にジンバブエドルは流通停止、2015年に正式に廃止され、2024年に導入されたジンバブエ・ゴールドが新通貨として機能し始めています。

現在のジンバブエは当時よりもインフレ率は落ち着いていますが、経済不安やインフレ問題は続いています。

ハイパーインフレに関するQ&A

ハイパーインフレに関するよくある質問は、主に以下の通りです。

  • ・ハイパーインフレと通常のインフレの違いは何ですか?
  • ・ハイパーインフレに備える対策はありますか?
  • ・日本でハイパーインフレが起こる可能性はありますか?

ハイパーインフレと通常のインフレの違いは何ですか?

通常のインフレとハイパーインフレとでは、後者の方が急激にモノの価格が上がっていきます。

また、制御のしやすさにも違いがあり、通常のインフレは金融政策などによってコントロール可能とされますが、ハイパーインフレは通貨や国家の信頼性低下などによって引き起こされるため、通常の金融政策などでは制御が難しいです。

ハイパーインフレに備える対策はありますか?

ハイパーインフレになると自国通貨の価値が激減するため、外貨や外貨建て資産を持つ方法が対策として考えられます。

通貨の価値に左右されない不動産や金などの現物資産に投資するのも効果的ですが、同時に分散投資やリスク管理の意識を持つことが重要です。

日本でハイパーインフレが起こる可能性はありますか?

一般的に、円の信頼性が高く、政治や経済が安定している日本でハイパーインフレが起こる可能性は限りなく低いとされています。

ただし、将来的に100%起きないわけではない点には注意が必要です。

【まとめ】ハイパーインフレとは|過去の事例や主な原因などをわかりやすく解説

ハイパーインフレとは、物価が異常に上昇する状態を指す言葉です。

通常のインフレよりも物価の上昇スピードが速いという特徴があります。

ハイパーインフレの要因は、国家の信用低下や財政悪化、通貨の過剰供給などが挙げられます。

一般的に政府や通貨への信頼性が高い先進国では、ハイパーインフレが発生する可能性は極めて低いとされています。

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