労働力調査とは|経済へ与える影響・見方などをわかりやすく解説
労働力調査とは、日本で働いている人と仕事を探している人がどのくらいいるかを把握する統計調査です。
総務省統計局が調査・公表しており、日本の就業・不就業の状態を把握する代表的な統計とされています。
本記事では、労働力調査の概要、経済に与える影響、見方などをわかりやすく解説します。
労働力調査とは
まずは、労働力調査がどのような調査なのかを解説します。
- ・労働力調査の目的
- ・労働力調査の公表日
労働力調査の目的
労働力調査とは、日本で働いている人と仕事を探している人がどのくらいいるかを把握する統計調査で、総務省統計局が調査・公表しています。
調査の目的は、日本における就業および不就業の状態を明らかにし、雇用政策などの基礎資料を得ることです。
労働力調査の公表日
労働力調査の結果は、基本集計と詳細集計に分類されています。
基本集計は原則として、調査月の翌月末に公表されます(発表時間は原則8時30分)。
2026年の基本集計発表のスケジュールは以下の通りです。
| 調査月 | 公表日 |
| 7月分 | 2026年8月28日 |
| 8月分 | 2026年10月2日 |
| 9月分、7月~9月期平均 | 2026年10月30日 |
| 10月分 | 2026年12月1日 |
| 11月分 | 2026年12月25日 |
| 12月分、10月~12月期平均、2026年平均 | 2027年1月29日 |
一方、詳細集計は原則として四半期の最終月の翌々月に公表されます(発表時間は原則14時)。
労働力調査の見方
労働力調査の基本的な見方を解説していきます。
- ・労働力人口
- ・非労働力人口
労働力人口
労働力調査を見る際は、まず就業者数や完全失業者数を確認します。
労働力人口とは、15歳以上の就業者と完全失業者を合わせた数値です。
労働力人口と就業者、完全失業者の増減により、雇用状況を捉えやすくなります。
就業者
就業者とは、調査期間中に収入を伴う仕事を1時間以上した人や、一時的に仕事を休んでいるものの一定の条件を満たす人を指します。
学生アルバイト、自営業者、また自家営業を手伝う無給の家族従業者なども含まれます。
就業者数の増減は、雇用情勢の改善、悪化を示す材料になる場合があります。
完全失業者と併せて見ることで、現在の雇用状況を判断する材料になります。
完全失業者
完全失業者とは、調査期間中に仕事をしておらず、仕事があればすぐ就くことができ、求職活動をしていた人、また過去に行った求職活動の結果を待っている人を指します。
労働力人口のうち、完全失業者が占める割合を算出したのが完全失業率です。
一般的に、雇用状況が改善していると完全失業率は低下し、雇用状況が悪化すると完全失業率は上昇する傾向があります。
ただし、完全失業率の低下が必ずしも雇用状況の改善を示すわけではありません。
就業者数や労働力人口、非労働力人口の動きも併せて確認することが重要です。
非労働力人口
労働力人口だけでなく、非労働力人口の変動も併せて確認することが大切です。
非労働力人口とは、15歳以上で就業者と完全失業者に該当しない人を指します。
仕事をしておらず求職活動もしていない学生や高齢者、家事をしている人などが当てはまります。
重要なポイントは、労働力人口に含まれている完全失業者が求職活動を止めると、非労働力人口に分類される場合があることです。
なお、非労働力人口の増加は必ずしも景気悪化を示すわけではなく、高齢化や進学などの要因で増加する場合もあります。
労働力調査が経済へ与える主な影響と役割
労働力調査の結果が経済に与える影響と役割を解説します。
- ・景気の把握
- ・雇用情勢への対策
- ・企業の事業計画
景気の把握
就業者や失業者の増減は景気の影響を受けやすいことから、労働力調査は景気状況を判断する材料として活用できます。
基本的に、景気が良くなって企業の採用が活発化すると、就業者の増加や失業者が減少する傾向があります。
反対に、景気が後退すれば企業は雇用の抑制を行うため、失業者が増加する場合があります。
労働力調査は、政府が毎月発表する月例経済報告においても雇用面の指標として景気分析に利用されており、景気を見る手掛かりとして重要視されています。
雇用情勢への対策
労働力調査の結果は景気判断や雇用対策の基礎資料として使われており、状況に応じて関係施策が立案・実施されます。
例えば、就業者が減少し完全失業者が増加すれば、政府は雇用対策や景気対策を検討するなどです。
ただし、労働力調査の結果だけで政策が実施されるわけではなく、ほかの統計や情報も併せて総合的に判断されます。
企業の事業計画
労働力調査の結果は、企業の事業計画の参考情報として活用される場合もあります。
例えば、就業者数の減少などで景気減速の可能性が出ると、設備投資や採用の計画を再検討する材料となることがあります。
ただし、企業は労働力調査だけで事業計画を決定するわけではない点に注意が必要です。
労働力調査に関するQ&A
労働力調査に関するよくある質問は、主に以下の通りです。
- ・労働力調査はどこで確認できますか?
- ・労働力調査と毎月勤労統計調査の違いは何ですか?
- ・労働力調査は為替市場に影響しますか?
労働力調査はどこで確認できますか?
総務省統計局のホームページ
で確認できます。また、政府統計を掲載している「e-Stat」でも閲覧可能です。
証券会社の経済指標カレンダーや経済系のメディアでも結果を確認可能です。
労働力調査と毎月勤労統計調査の違いは何ですか?
毎月勤労統計調査
は厚生労働省が実施・公表している調査で、事業所を対象に雇用や給与、労働時間の変動を表しています。一方、労働力調査は総務省統計局が実施している調査で、世帯を対象に就業者や失業者の変動を表しています。
実施する省庁や調査対象、調査内容などが異なります。
労働力調査は為替市場に影響しますか?
労働力調査の結果は、景気や金融政策に対する市場の見方を通じて為替市場に影響を及ぼす可能性があります。
ただし、労働力調査の結果だけで相場の方向性が決まるわけではありません。
【まとめ】労働力調査とは|経済へ与える影響・見方などをわかりやすく解説
労働力調査とは、日本で働いている人と仕事を探している人がどのくらいいるかを把握する統計調査です。
総務省統計局が調査・公表しており、雇用状況を表す代表的な統計とされています。
基本的な見方は、就業者や完全失業者、非労働力人口の増減を基に、雇用情勢の改善や悪化を読み取ります。
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