NY為替見通し=米小売売上高を見極め、その後は債務上限協議待ち

市場見通し
 本日のNY為替市場のドル円は、4月米小売売上高を見極めた後は、バイデン米大統領と議会指導者達による債務上限引き上げ協議の結果を待つ展開が予想される。

 4月米小売売上高(前月比)の予想は総合+0.8%/自動車を除くは+0.4%と、それぞれ3月からの改善が見込まれている。予想のプラス幅を上回るようであれば、米国の堅調な個人消費が示されるため金利上昇やドル高要因となるだろう。

 本日の米国東部時間15時(日本時間17日の午前4時)、バイデン米政権とマッカーシー下院議長(共和党)などの議会指導部による債務上限引き上げを巡る協議が開催予定。

 バイデン米大統領の今後の予定は、17日に米国を発ち、18日に日米首脳会談、19-21日は広島サミットに参加。バイデン大統領と上下両院の議員がワシントンに同時に居る時期は、6月1日の「Xデイ」までは2日間(16日と17日)のみ。そのため、本日の協議が合意に至らなかった場合には、一部支払い不履行の可能性も出てきた。2011年8月のような米国債格下げに対する警戒感も高まるか。

 2011年夏、オバマ米政権と下院共和党による債務上限引き上げを巡るチキンゲームは、8月2日の期限直前の7月31日に合意に到達した。当時は、緊急避難策として「1兆ドルプラチナコイン」の発行案や「合衆国憲法修正第14条」案が提案されていた模様だが、オバマ大統領が難色を示したことで採用されなかった。

 今回も、イエレン米財務長官がどちらの奇策に対しても否定的な見解を示しており、一部デフォルトというリスクシナリオを覚悟しなければならないのかもしれない。

 合衆国憲法修正第14条では、「公的債務の有効性は問われてはならない」と規定している。この文言の解釈によりイエレン米財務長官は、米債務上限を引き上げは「議会」から「裁判所」への議論に移行し、長期的な法廷闘争に突入する恐れがある、として一蹴した。

 合衆国法典第31編第5112条に基づき、記念硬貨として米財務省が「1兆ドルのプラチナ・コイン(法定通貨)」を鋳造してFRB が買い入れる案は、パウエルFRB議長とイエレン米財務長官が反対している。

 また、カナダの4月消費者物価指数(CPI)は前月比+0.4%、前年比+4.1%と予想されており、3月から伸び率鈍化が見込まれている。予想通りならば、6月7日のカナダ銀行(BOC)金融政策決定会合でも、3会合連続の金利据え置き観測が高まることになるか。

・想定レンジ上限
・ドル円、3日高値の136.63円
・加ドル円、2日高値の101.81円

・想定レンジ下限
・ドル円、一目・転換線の134.91円
・加ドル円、一目・転換線の99.91円

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