市場見通し
先週末のニューヨーク為替市場でドル円は反発し、一時140.07円まで値を上げた。5月米雇用統計の結果が明らかになると米・中長期債利回りが上昇し、ドル買いが強まった。ユーロドルは1.0705ドルまでユーロ安ドル高が進んだ。ダウ平均の大幅高を眺めユーロ円は149.96円まで上値を伸ばした。
本日の東京為替市場でドル円は、基本的に2日ニューヨーク市場の流れが続くと考えてよさそうだ。米国では債務上限の停止法案が可決し、デフォルト(債務不履行)が避けられたことで相場全般のリスクセンチメントが大きく改善。同国の5月雇用統計を受けて米金利先高観が強まったことなど、ドル円をサポートする要因が目立つ。日本株も大幅高スタートが見込まれており、リスク選好ムードの高まりによるクロス円の堅調さもドル円の支えとなるだろう。
ただし、ここから米金利の一方的な上昇が続くかは不透明。先週末の5月米非農業部門雇用者数変化は33.9万人増と市場予想から大きく上振れ、上方修正された前回値も上回った。確かに強かったものの、その前に発表された5月ADP全米雇用報告や4月JOLTS求人件数が雇用の好調さを示していただけにビッグサプライズというわけでもない。
雇用者数の変化に目が行きがちだが、5月失業率は(歴史的には低い水準ではあるが)3.7%に悪化した。同月平均時給は前年比4.3%と若干ながらも鈍化しており、「6月米連邦公開市場委員会(FOMC)では利上げ見送り」を裏付ける結果だろう。短期金利先物は7月の米利上げを織り込んだようだが、年末までとなるとまだ意見が分かれるところだ。
今週米国では、今晩が5月米ISM非製造業指数、8日に前週分の米新規失業保険申請件数と重要指標は少ない。また、来週のFOMCを前にしてブラックアウト期間に入るため、当局者からの金融政策に関する発言もなし。判断材料が少ない分だけ、金利市場は思惑で上下しやすくなるかもしれず、為替はその動向を見定めることになる。
ほか、原油相場が激しく動くようであれば、資源国通貨も神経質に上下しそうだ。石油輸出国機構(OPEC)と非加盟の主要産油国でつくる「OPECプラス」は4日の会合で、協調減産の枠組みを2024年末まで延長することを決定。サウジアラビアが7月に独自で日量100万バレルの追加減産を表明したことを受けて、時間外のNY原油先物は上サイドに大きく窓を開けて始まった。産油国通貨でもあるカナダドルの振れ幅が大きいようだと、他通貨への影響も大きくなるだろう。
Provided by
本ホームページに掲載されている事項は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであり、投資の勧誘を目的としたものではありません。投資方針、投資タイミング等は、ご自身の責任において判断してください。本サービスの情報に基づいて行った取引のいかなる損失についても、当社は一切の責を負いかねますのでご了承ください。また、当社は、当該情報の正確性および完全性を保証または約束するものでなく、今後、予告なしに内容を変更または廃止する場合があります。なお、当該情報の欠落・誤謬等につきましてもその責を負いかねますのでご了承ください。
一覧へ戻る
本日の東京為替市場でドル円は、基本的に2日ニューヨーク市場の流れが続くと考えてよさそうだ。米国では債務上限の停止法案が可決し、デフォルト(債務不履行)が避けられたことで相場全般のリスクセンチメントが大きく改善。同国の5月雇用統計を受けて米金利先高観が強まったことなど、ドル円をサポートする要因が目立つ。日本株も大幅高スタートが見込まれており、リスク選好ムードの高まりによるクロス円の堅調さもドル円の支えとなるだろう。
ただし、ここから米金利の一方的な上昇が続くかは不透明。先週末の5月米非農業部門雇用者数変化は33.9万人増と市場予想から大きく上振れ、上方修正された前回値も上回った。確かに強かったものの、その前に発表された5月ADP全米雇用報告や4月JOLTS求人件数が雇用の好調さを示していただけにビッグサプライズというわけでもない。
雇用者数の変化に目が行きがちだが、5月失業率は(歴史的には低い水準ではあるが)3.7%に悪化した。同月平均時給は前年比4.3%と若干ながらも鈍化しており、「6月米連邦公開市場委員会(FOMC)では利上げ見送り」を裏付ける結果だろう。短期金利先物は7月の米利上げを織り込んだようだが、年末までとなるとまだ意見が分かれるところだ。
今週米国では、今晩が5月米ISM非製造業指数、8日に前週分の米新規失業保険申請件数と重要指標は少ない。また、来週のFOMCを前にしてブラックアウト期間に入るため、当局者からの金融政策に関する発言もなし。判断材料が少ない分だけ、金利市場は思惑で上下しやすくなるかもしれず、為替はその動向を見定めることになる。
ほか、原油相場が激しく動くようであれば、資源国通貨も神経質に上下しそうだ。石油輸出国機構(OPEC)と非加盟の主要産油国でつくる「OPECプラス」は4日の会合で、協調減産の枠組みを2024年末まで延長することを決定。サウジアラビアが7月に独自で日量100万バレルの追加減産を表明したことを受けて、時間外のNY原油先物は上サイドに大きく窓を開けて始まった。産油国通貨でもあるカナダドルの振れ幅が大きいようだと、他通貨への影響も大きくなるだろう。
Provided by
DZH Finacial Research
「投資を面白く、投資家を笑顔に」をスローガンに、株式や為替など様々な金融マーケットの情報を提供。
豊富な経験を持つエキスパートが多数在籍し、スピーディー且つオリジナルな視点からの情報をOANDA Labに配信しています。
会社名:株式会社DZHフィナンシャルリサーチ
所在地:東京都中央区明石町8番1号 聖路加タワー32階
商号等:【金融商品取引業者】投資助言業/【登録番号】関東財務局長(金商)907号
本ホームページに掲載されている事項は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであり、投資の勧誘を目的としたものではありません。投資方針、投資タイミング等は、ご自身の責任において判断してください。本サービスの情報に基づいて行った取引のいかなる損失についても、当社は一切の責を負いかねますのでご了承ください。また、当社は、当該情報の正確性および完全性を保証または約束するものでなく、今後、予告なしに内容を変更または廃止する場合があります。なお、当該情報の欠落・誤謬等につきましてもその責を負いかねますのでご了承ください。