市場見通し
週明けの海外市場でドル円は140.45円を上値に一時139.25円まで反落した。5月米ISM非製造業指数が予想より弱い結果となり、米・中長期金利の低下を受けてドル売りが進んだ。ただ一巡後は139円後半まで持ち直した。ユーロドルは1.0722ドルまで強含み。欧州金融当局者からのタカ派発言や低調な米経済指標が支えとなった。ユーロ円は150円前半から149.23円まで下押しした。
本日の東京為替市場でドル円は139円台を中心に上下が続きそうだ。午後に予定されている豪準備銀行(RBA)の政策金利発表後からは、豪ドル主導の相場が予想される。
先週末の5月米雇用統計後に強まったリスク志向ムードは、昨日の同月ISM非製造業指数で後退。同指数は景況感の境目となる50をなんとか上回ったものの22年12月以来の低水準となった。新規受注が減少し価格指数も低下するなど、経済活動の滞りが顕著に。雇用指数は50を割り込み、こちらは昨年10月以来の低水準となった。
本日は米国経済の動向を示す指標は予定されておらず、昨日ISMの結果をベースとした相場となりそうだ。ただ米株が売られて終ったとはいえ、下げ幅は限られた。米長期金利の低下も限定的。CME日経先物も同様であり、そうなると為替も先週からの調整に留まることになるだろう。
本日のアジア・オセアニア市場のメインイベントはやはりRBA金融政策の発表だろう。前回5月のRBA理事会では、市場予想「政策金利3.60%で据え置き」に反して3.85%への引き上げが決定された。その後に明らかにされた議事要旨では「利上げか据え置きの判断は微妙だった」との文言もあり、今回は3.85%で据え置きというのが市場予想の中心値とされている。4月豪雇用統計が悪かったことも「今回は金利に触らず」との見方を後押ししているもよう。
もっとも一部通信社のアナリスト予想をみると、全体の約3分の1が利上げを予想している。先月末に発表された4月豪消費者物価指数(CPI)が前年比6.8%上昇となり、もともと前回より加速を見込んでいた予想値を更に0.4ポイント上回った。ロウRBA総裁はCPI発表日の朝、「政策決定を左右する単一の変数はない」と述べ、物価だけでなく豪経済の全体像を把握する重要さを訴えていた。しかしながらインフレの加速度を見る限り、RBA総裁がこれまで強調していた「インフレを目標に戻すために必要なことを行う」という文言がどうしても気になってしまう。
足もとの短期金融市場でも利上げ織り込み度は30%程度と、アナリスト予想の割合とある意味変わらない。しかしながら逆に、「2回連続の市場予想裏切り」となった場合の反応は一層激しくなりそうだ。重要なのはやはり、複数のパターンを考えたポジション管理だろう。
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本日の東京為替市場でドル円は139円台を中心に上下が続きそうだ。午後に予定されている豪準備銀行(RBA)の政策金利発表後からは、豪ドル主導の相場が予想される。
先週末の5月米雇用統計後に強まったリスク志向ムードは、昨日の同月ISM非製造業指数で後退。同指数は景況感の境目となる50をなんとか上回ったものの22年12月以来の低水準となった。新規受注が減少し価格指数も低下するなど、経済活動の滞りが顕著に。雇用指数は50を割り込み、こちらは昨年10月以来の低水準となった。
本日は米国経済の動向を示す指標は予定されておらず、昨日ISMの結果をベースとした相場となりそうだ。ただ米株が売られて終ったとはいえ、下げ幅は限られた。米長期金利の低下も限定的。CME日経先物も同様であり、そうなると為替も先週からの調整に留まることになるだろう。
本日のアジア・オセアニア市場のメインイベントはやはりRBA金融政策の発表だろう。前回5月のRBA理事会では、市場予想「政策金利3.60%で据え置き」に反して3.85%への引き上げが決定された。その後に明らかにされた議事要旨では「利上げか据え置きの判断は微妙だった」との文言もあり、今回は3.85%で据え置きというのが市場予想の中心値とされている。4月豪雇用統計が悪かったことも「今回は金利に触らず」との見方を後押ししているもよう。
もっとも一部通信社のアナリスト予想をみると、全体の約3分の1が利上げを予想している。先月末に発表された4月豪消費者物価指数(CPI)が前年比6.8%上昇となり、もともと前回より加速を見込んでいた予想値を更に0.4ポイント上回った。ロウRBA総裁はCPI発表日の朝、「政策決定を左右する単一の変数はない」と述べ、物価だけでなく豪経済の全体像を把握する重要さを訴えていた。しかしながらインフレの加速度を見る限り、RBA総裁がこれまで強調していた「インフレを目標に戻すために必要なことを行う」という文言がどうしても気になってしまう。
足もとの短期金融市場でも利上げ織り込み度は30%程度と、アナリスト予想の割合とある意味変わらない。しかしながら逆に、「2回連続の市場予想裏切り」となった場合の反応は一層激しくなりそうだ。重要なのはやはり、複数のパターンを考えたポジション管理だろう。
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DZH Finacial Research
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