東京為替見通し=リスクセンチメントの強弱を見定め、クロス円にも注目

市場見通し
 海外市場でドル円は139円手前で下げ止まり、140.25円まで上昇した。カナダ中銀のサプライズ利上げを受けてカナダドル円が急騰したことにつれた。米金利の上昇もドルの支えとなった。カナダドル円は昨年11月以来の高値104.88円まで買われた。ユーロ円も円売り優勢となり、150円台に乗せる場面があった。ユーロドルは1.0740ドルを頭に上昇が一服した。

 本日の東京為替市場でドル円は、昨日同様に日本株を中心としたリスクセンチメントを注視し、時間外の米債利回りの動向も気にしながらの取引か。昨日大きく値を上げたカナダドル円や、ニューヨーク午後には伸び悩んだ豪ドル円、軟調なままだったトルコリラ円の値動きも目を向けておく必要があるだろう。

 ナイトセッションの日経平均先物は昨日、3万2000円台まで買い戻される場面もあったが、引けにかけては3万1800円台で伸び悩んだ。急ピッチで値を上げてきたこともあり、さすがに利益確定売りも出やすくなっているようだ。しかしながら下値を拾いたい向きはまだ多そうであり、例え続落したとしても、リスク回避の動きというよりも、これまでのリスク志向の調整と受けとめたほうがよいか。もちろん「山高ければ谷深し」という相場格言は念頭に置いておきたい。

 米金利に関しては、昨日のカナダ中銀(BOC)によるサプライズ利上げを受けたカナダ金利の上昇に連れた面はある。米10年債利回りは0.13ポイント以上も上げ幅を拡大してNY市場を終えたことを考えると、アジア時間ではその反動もあり得るか。なおCMEのフェドウォッチは、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で据え置き織り込み度が昨日の80%近くから、66%程度まで縮小。その分、0.25%利上げ織り込み度が拡大した。

 昨日のカナダドル円はBOC利上げ後に103円後半から104円後半まで急騰し、その後の押しも限定的だ。植田日銀総裁が超金融緩和の継続を表明しており、再び加日の金利差拡大が意識されそう。昨年11月後半以来の105円台にしっかり乗せるようだと、同月11月21日高値104.82円が意識されるだろう。

 豪ドル円は小幅続伸で終えたものの、93円半ばでは頭を抑えられた。リスクに敏感な通貨なだけに、米ハイテク株の軟調さを嫌気した面もありそうだ。昨年11月末の高値93.85円を目指すことができるかがポイントだろう。リラ円については止まったところが一先ずの下値めどという状況。トルコ金融当局はドル売りリラ買い介入を停止しているとの見方から、対ドルを中心としたリラの軟調さは暫く続きそうだ。

 なお本日は8時50分に、4月国際収支・速報が発表予定。貿易収支の予想は2879億円の赤字と前回から赤字幅は縮小見込み。ただ、昨日は5月上中旬分貿易統計・速報が発表されており、1兆4089億円の赤字だったことから、本日の指標はあまり重要視されないか。ほか、ゴトー日(5・10日)の東京仲値の振り幅にも注意しておきたい。

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