本日の東京為替見通し(為替/FXニュース):円買い介入への警戒継続か、豪ドルは豪準備銀行の金融政策に注目(2023年7月4日)

マーケットレポート

July 4, 2023

【前日の為替概況】ドル円、143.99円まで下落後に144円後半まで反発、米長期金利に連れて

 

3日のニューヨーク外国為替市場でドル円は反発。
終値は144.68円と前営業日NY終値(144.31円)と比べて37銭程度のドル高水準だった。
6月米ISM製造業景況指数が46.0と予想の47.2を下回ったことが伝わると、米長期金利の低下とともに円買い・ドル売りが先行。
前週末の安値144.21円や6月29日の安値144.14円を下抜けて一時143.99円まで値を下げた。

ただ、日米金融政策の方向性の違いに着目した円売り・ドル買いが出ると144.74円付近まで持ち直した。
米長期金利が上昇に転じたことなども相場を下支えした。

ユーロドルは小幅ながら続伸。
終値は1.0912ドルと前営業日NY終値(1.0909ドル)と比べて0.0003ドル程度のユーロ高水準だった。
米ISM製造業景況指数の下振れをきっかけに全般ドル売りが優勢になると一時1.0934ドルと日通し高値を付けたものの、米長期金利が上昇に転じると伸び悩んだ。

もっとも、NY午後に入ると1.09ドル台前半で値動きが鈍った。
本日は独立記念日の前日で米債券・株式が短縮取引となったため、取引参加者が少なく市場流動性が低下。
大きな方向感が出なかった。

ユーロ円は続伸。
終値は157.89円と前営業日NY終値(157.44円)と比べて45銭程度のユーロ高水準。
日本時間夕刻に一時157.26円と日通し安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢に。
2時前には157.96円と日通し高値を付けた。
ドル円の持ち直しやユーロドルの上昇につれた買いが入った。
なお、市場では「6月28日に付けた約15年ぶりの高値158.00円がレジスタンスとして意識されている」との指摘があった。

【本日の東京為替見通し】円買い介入への警戒継続か、豪ドルは豪準備銀行の金融政策に注目

 

本日の東京外国為替市場のドル円は、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性に警戒継続か。
豪ドルについては、豪準備銀行(RBA)理事会の金融政策を見極めることになる。

昨年秋に実施された3回の本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入は、主要市場のつなぎの時間帯でもあり、流動性がやや低下した時間帯に行われている。
すなわち、9月22日は日本時間17時半頃(アジア・東京勢が退場し、欧州勢が参入し始めた頃)、10月21日は日本時間23時半頃(欧州勢が帰り支度を始めた頃)、10月24日が日本時間8時半頃(東京勢が参入し始めた頃)に実施されていた。
本日は、ニューヨーク市場が独立記念日で休場のため、薄商いが予想されるため、145円台に乗せる局面があれば警戒しておきたい。

13時30分に発表される豪準備銀行(RBA)の政策金利は、4.10%での据え置きと4.35%への追加利上げ予想が拮抗している。
先日発表された5月豪消費者物価指数(CPI)が前年比+5.6%と4月の同比+6.8%から大きく減速。
足もとインフレ率の想定以上の鈍化が市場参加者を迷わせているようであり、結果への注目が高まっている。

6月6日、据え置き予想だったところから利上げを決定したRBA理事会の声明文は、「インフレ率はピークを過ぎたが、7%水準は依然として高すぎ、目標範囲に戻るにはまだ時間がかかる」「最近のデータはインフレ見通しに対する上振れリスクが高まっていることを示している」だった。
また議事要旨では、「6月の利上げの決定は微妙なバランスではあったが、高いインフレが賃金や物価の期待に根付かないようにするために必要と判断」とされた。
ただ豪CPIでは金融当局の見立てより早いインフレ低下が示され、予断を許さない状況となっている。

なお、昨日のニューヨーク市場では、米国2-10年債の長短金利逆転(逆イールド)が110.8ベーシスポイント(bp)まで拡大し、3月の110.9bpに迫ったことが話題となった。

米国2-10年債の逆イールドは、1955年以降の米国のリセッション(景気後退)に関して、1回の例外を除く全てのリセッションが6-24カ月以内に到来することを警告していたが、100bpの拡大では、8カ月以内にリセッションが到来しており、今年末のリセッション入りが警告されている。

しかしながら、米連邦公開市場委員会(FOMC)のドット・プロット(金利予測分布図)は、年末のFF金利誘導目標を5.50-75%と見込んでおり、今年の12月は、市場のリセッション見通しとFRBの利上げ見通しのどちらが正しいのかが判明する月となる。

【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間

<国内>
○08:50 ◇ 6月マネタリーベース

<海外>
○13:30 ☆ 豪準備銀行(RBA)政策金利発表(予想:4.10%で据え置きと4.35%に引き上げで拮抗)
○15:00 ◇ 5月独貿易収支(予想:173億ユーロの黒字)
○5日01:00 ◎ ナーゲル独連銀総裁、講演
○5日02:00 ◎ ストゥルナラス・ギリシャ中銀総裁、講演
○米国(独立記念日)、休場

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。
▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

【前日までの要人発言】

3日の金融市場では、要人の発言は特になかった。

※時間は日本時間

〔日足一目均衡表分析〕

<ドル円=143円前半で上昇中の転換線を支持に押し目買い>

ドル円=143円前半で上昇中の転換線を支持に押し目買い

各ラインの期間

 

陽線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けており、三役好転の強い買いシグナルが点灯している。
切り込み線で反発し転換線を上回って引けており続伸の可能性が示唆されている。

本日は、143円前半で上昇中の転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス2  146.59(2022/11/10高値)
レジスタンス1  145.07(6/30高値)
前日終値  144.68
サポート1   143.34(日足一目均衡表・転換線)
サポート2   142.72(6/23安値)

<ユーロドル=転換線上で伸び悩む、6/22高値を抵抗に売り>

ユーロドル=転換線上で伸び悩む、6/22高値を抵抗に売り

各ラインの期間

 

小陰線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けているため、三役好転の強い買いシグナルが点灯中。
転換線超えでは伸び悩み、被せ線で反落し転換線を下回って引けて続落の可能性が示唆されている。

本日は転換線1.0924ドルを念頭に置き、6月22日の高値を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同水準を上抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1  1.1012(6/22高値)
前日終値  1.0912
サポート1   1.0824(日足一目均衡表・基準線)

<ユーロ円=上向きの転換線を支持に押し目買いスタンス>

ユーロ円=上向きの転換線を支持に押し目買いスタンス

各ラインの期間

 

陽線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けており、三役好転の強い買いシグナルが点灯中。
2手連続陽線を作ったものの、6月28日高値158.00円にはわずかに届かなかった。
もっとも転換線を上回って引けており、続伸の可能性が示唆されている。

本日は、上向きの転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1  158.40(ピポット・レジスタンス2)
前日終値  157.89
サポート1  156.53(日足一目均衡表・転換線)

<豪ドル円=3日安値でもある転換線を支持に押し目買い>

豪ドル円=3日安値でもある転換線を支持に押し目買い

各ラインの期間

 

陽線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けており、三役好転の強い買いシグナルが点灯中。
弱含んだ場面も96.00円の転換線で下げ止まった。
同線を3手連続陽線で上回って引けており、続伸の可能性が示唆されている。

本日は、昨日安値でもある転換線の水準を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1  97.68(6/19高値)
前日終値  96.54
サポート1  96.00(日足一目均衡表・転換線)

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