株式明日の戦略-大幅高で始まり小幅高で終了、あすはリスク回避姿勢が強まるか

市場見通し
 11日の日経平均は6日ぶり反発。終値は13円高の32203円。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり718/値下がり1026。アドバンテストやレーザーテックなど半導体株の一角が大幅上昇。工場建設に経産省の補助が出るとの観測が報じられたSUMCOが商いを伴って4%超上昇した。前日ストップ高の良品計画は、証券会社の目標株価引き上げを受けてきょうも強い上昇。エニーカラーとカバーのVチューバー関連2社が買いを集めた。月次が評価されたパンパシHDが年初来高値を更新。今期の増収増益・増配計画が好感されたコスモス薬品が急伸した。

 半面、ソシオネクストが買い気配スタートから急失速して7.2%安。円高傾向が鮮明になってきたことから、トヨタ、日産自、マツダなど自動車株の下げが大きかった。エーザイや第一三共など薬品株の一角が大幅下落。1Q決算が失望を誘ったウエルシアHDやアズ企画設計が急落した。Abalanceが商いを伴って10%近い下落となっており、終値で1万円を割り込んだ。

 米国動向からはきょうは上昇して当然という日であったが、大幅高スタートから一時下げに転じるなど、場中はさえない動きが続いた。ドル円は東京時間でも円高に振れており、為替の方向性が変わったことで、日本株には逆回転的な動きが発生している。あす、米国では6月消費者物価指数(CPI)が発表される。日本株はきょう強い反発が見られなかったことで、あすは注目指標の発表を前にリスク回避姿勢が強まるだろう。

 CPIが強く、それに対して米国の長期金利が上昇した場合、恐らくグローバル市場がリスクオフとなる。CPIは強いが金利の上昇が限定的のケースでは、今とあまり変わらず、7月FOMCを意識しながらも、その時々で買えるものを物色する流れが続くとみる。CPIが弱くても金利が上昇した場合は、グロース株を嫌ってバリュー株へのシフトが強まると思われる。CPIが弱くて金利が低下すれば、全般的に買い戻し機運が高まると期待できる。円高一服が期待できるのは米国の長期金利が上昇するケースだが、リスクオフを招きかねない点が日本株には悩ましい。為替や金利を無視して上昇するようなパワーは今の日本株にはない。きのうときょうは32000円割れは回避しているだけに、あすも32000円より上をキープできるかに注目したい。

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