August 8, 2023
【前日の為替概況】ドル円 142円半ばまで反発、ダウ平均が大幅上昇
7日のニューヨーク外国為替市場でドル円は3営業日ぶりに反発。
終値は142.50円と前営業日NY終値(141.76円)と比べて74銭程度のドル高水準だった。
米10年債利回りが4.06%台まで上昇幅を縮めると円買い・ドル売りが先行。
23時前に一時141.80円付近まで下押しした。
ただ、アジア時間に付けた日通し安値141.52円が目先サポートとして働くと買い戻しが優勢に。
ダウ平均が一時430ドル超上昇したことで、リスク・オンの円売り・ドル買いも出て、1時30分前に142.58円と日通し高値を更新した。
なお、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁は7日付のニューヨーク・タイムズ紙(NYT)で、「政策金利はピークにかなり近づいている」「追加利上げの是非については率直に言って、何も決まっていない」「今後の政策判断はデータ次第」「データ次第では来年初めの利下げの可能性を排除しない」との考えを示したと伝わった。
ユーロ円は上昇。
終値は156.79円と前営業日NY終値(156.06円)と比べて73銭程度のユーロ高水準。
しばらくは156円台前半でのもみ合いが続いていたが、米国株相場の上昇をきっかけにリスク・オンの円売り・ユーロ買いが優勢になると、3時過ぎに一時156.85円と日通し高値を更新した。
ユーロドルは3営業日ぶりに小反落。
終値は1.1002ドルと前営業日NY終値(1.1006ドル)と比べて0.0004ドル程度のユーロ安水準だった。
欧州時間に一時1.0965ドルと日通し安値を付けたものの、売り一巡後は徐々に買い戻しが進んだ。
ユーロ円の上昇につれたユーロ買いが入り、一時1.1012ドル付近まで持ち直した。
ただ、週明け早朝取引で付けた日通し高値1.1019ドルを上抜けることは出来なかった。
【本日の東京為替見通し】ドル円、中国貿易収支を受けた株価の動向に注目
本日は東京タイムでは本邦の6月国際収支や、中国の7月貿易収支などの発表が予定されている。
東京タイムでのドル円は株価や日米金利動向を眺めながらの動きが見込まれる。
昨日の米株の堅調な動きを背景に日本株も底堅い動きが予想されるが、中国の7月輸出入の結果次第では中国国内と香港株を中心にアジア株に動意が付き、円相場がリスクオン・オフで反応し、オセアニア通貨を中心に為替相場に動きが見られる可能性がありそうだ。
米連邦準備理事会(FRB)は7月会合で0.25%の利上げが決定され、最新の金利・経済見通しでは年内にあと1回の利上げが行われるとの見通しが示されている。
ただ、このところの経済指標でインフレは予想より速いペースで鈍化しており、市場では年内にあと1回の利上げがあるかどうかに焦点が集まっている。
その意味では10日に発表予定の米7月消費者物価指数(CPI)の結果が注目され、米CPIの発表まではドルが一方向に大きく傾きにくい。
また、日銀の7月金融政策決定会合を通過し、円安の流れは変わっていない。
先週末の米債利回りが急落したことを受けて昨日の本邦長期金利も低下し、日銀に動きは見られなかった。
日銀は7月の27-28日の金融政策決定会合で長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)運用の柔軟化を決定した以降、7月31日と8月3日に臨時の国債買い入れオペを実施した。
内田日銀副総裁はYCC柔軟化措置において「為替市場を含めた金融市場のボラティリティーは重要な要素だった」と述べており、円安が続けばさらなる政策修正観測が強まる可能性はある。
【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間
<国内>
○08:30 ◇ 6月毎月勤労統計(現金給与総額、予想:前年比3.0%)
○08:30 ◇ 6月家計調査(消費支出、予想:前年比▲4.1%)
○08:50 ◎ 6月国際収支速報
◇ 経常収支(予想:季節調整前1兆3950億円の黒字/季節調整済2兆2431億円の黒字)
◎ 貿易収支(予想:1927億円の黒字)
○14:00 ◇ 7月景気ウオッチャー調査(予想:現状判断指数53.9/先行き判断指数52.7)
<海外>
○08:01 ◇ 7月英小売連合(BRC)小売売上高調査
○09:30 ◇ 8月豪ウエストパック消費者信頼感指数
○10:30 ◇ 7月豪NAB企業景況感指数
○未定 ◎ 7月中国貿易収支(予想:706億ドルの黒字)
○15:00 ◎ 7月独消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比0.3%/前年比6.2%)
○15:45 ◇ 6月仏貿易収支(予想:80.00億ユーロの赤字)
○15:45 ◇ 6月仏経常収支
○21:15 ◎ ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、講演
○21:30 ◇ 6月カナダ貿易収支(予想:29.0億カナダドルの赤字)
○21:30 ◎ 6月米貿易収支(予想:650億ドルの赤字)
○23:00 ◇ 6月米卸売売上高(予想:前月比0.1%)
○9日02:00 ◎ 米財務省、3年債入札
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
【前日までの要人発言】
7日08:55 日銀金融政策決定会合における主な意見(7月27-28日分)
「物価安定の目標の実現に向けて、粘り強く金融緩和を継続していく必要がある」
「マイナス金利政策の修正にはなお大きな距離がある」
「イールドカーブ・コントロールの枠組みは、公表しているコミットメントに沿って、継続していく必要がある」
「短期間で物価見通しが大幅に上振れるなど、経済・物価の不確実性がきわめて高い中、イールドカーブ・コントロールをより柔軟に運用していくことで、上下双方向のリスクに機動的に対応し、市場機能等にも配慮しながら、うまく緩和を続ける備えをするべきである」
7日19:04 ウィリアムズNY連銀総裁(7日付のニューヨーク・タイムズ紙)
「金利の低下が来年始まる可能性がある」
「経済データ次第で来年初めの利下げの可能性を排除しない」
「インフレ率は期待通りに低下している」
「景気の鈍化に伴い失業率が若干上昇する」
8日01:57 ピル英中銀金融政策委員会(MPC)委員兼チーフエコノミスト
「英国のインフレには双方にリスクがある」
「インフレのリスクは数年以内に目標を下回る可能性がある」
「英国が十分な利上げを実施していないことにもリスクがある」
「食料インフレは過去の高騰よりも長期化している」
※時間は日本時間
〔日足一目均衡表分析〕
<ドル円=上昇中の一目・雲の上限を巡る攻防>
陽線引け。
前週末安値を下抜けたところで下落が一服。
141円前半に位置していた日足一目均衡表・基準線が支持水準として意識された形となり、142円半ばまで反発した。
一目・雲を僅かに上回って引けたものの、雲の上限は本日142.55円から明日には142.80円台まで上昇する見込み。
本日はその雲の上限を巡る攻防か。
明日以降の上昇を見込み底堅い展開を想定したい。
週後半に転換線が基準線を大きく上回ってくることも地合いの強さに繋がりそうだ。
レジスタンス2 143.89(8/3高値)
レジスタンス1 143.26(ピボットレジスタンス2)
前日終値 142.50
サポート1 141.52(8/7安値)
サポート2 140.98(日足一目均衡表・転換線)
<ユーロドル=転換線から基準線が抵抗として働くか見極め>
下影小陰線引け。
1.10ドル前半の日足一目・転換線が重しとなり1.09ドル台で下押す場面あった。
もっとも90日移動平均線には届かずに切り返し、3手ぶり陰線だったものの1.10ドル台は回復して終えている。
本日は1.1030ドル台の転換線から1.10ドル半ばの基準線が抵抗帯として働くかを見極める展開か。
抵抗帯を超えることができれば、7月27日高値1.1150ドルを目指す動きが想定される。
レジスタンス1 1.1055(日足一目均衡表・基準線)
前日終値 1.1002
サポート1 1.0933(90日移動平均線)
<ポンド円=4手ぶりの陽線、21日線を支持に押し目買い>
大陽線引け。
180円半ばの3日安値やその下に位置する日足一・雲の上限や同基準線が支持水準として強く意識された。
181円前半の21日移動平均線を上抜けると182円台まで上げ足を速め、4手ぶりの陽線引けとなった。
昨日の大幅反発を尊重し、本日は21日線辺りまで押し目買いスタンスで臨みたい。
雲のなかに入り込むようなら撤退。
レジスタンス1 183..25(8/1高値)
前日終値 182.15
サポート1 181.37(21日移動平均線)
<NZドル円=87円半ばまで伸びを鈍らせるポイントあり>
陽線引け。
先週末安値を下抜けるも86円前半では支えられて反発。
日足一目・転換線も超え、一時87円台まで持ち直した。
4日高値には届かなかったが、4手ぶりの陽線引け。
転換線を上回って引けたことで続伸の可能性はある。
しかし87.32円に基準線、87円半ばには3日高値や上昇中の雲の上限など伸びを鈍らせるポイントが多いため注意したい。
レジスタンス1 87.55(日足一目均衡表・雲の上限)
前日終値 86.99
サポート1 86.19(8/7安値)
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