August 21, 2023
【前日の為替概況】ドル円144.93円まで下落、米10年債利回りの低下やリスク回避地合い
18日のニューヨーク外国為替市場でドル円は続落。
終値は145.39円と前営業日NY終値(145.84円)と比べて45銭程度のドル安水準だった。
今週は17日に一時146.56円と昨年11月以来約9カ月ぶりの高値を更新するなど、足もとで相場上昇が続いたあとだけに、週末を控えたポジション調整目的の売りが優勢となった。
米金融引き締めの長期化や中国経済の減速による世界経済への悪影響を警戒し、世界的に株式相場が下落したこともリスク・オフの円買いを促した。
米長期金利の低下も相場の重しとなり、2時過ぎには一時144.93円と日通し安値を更新した。
もっとも、144円台では押し目を拾いたい向きも多く、引けにかけては下げ渋った。
米長期金利が低下幅を縮めたことも相場を下支えした。
ユーロドルはほぼ横ばい。
終値は1.0873ドルと前営業日NY終値(1.0872ドル)と比べて0.0001ドル程度のユーロ高水準だった。
中国不動産企業の経営不安や同国経済の低迷に対する不安から、アジアや欧州の株価指数が下落するとリスク・オフのドル買いが先行。
欧州債利回りの低下に伴うユーロ売りも出て、21時30分過ぎに一時1.0845ドルと7月6日以来の安値を付けた。
ただ、NY勢が本格参入する時間帯に入ると、米10年債利回りの低下に伴うユーロ買い・ドル売りが優勢となり、1.0882ドル付近まで持ち直した。
ユーロ円は続落。
終値は158.22円と前営業日NY終値(158.57円)と比べて35銭程度のユーロ安水準。
世界的な株価の下落を背景に投資家のリスク回避姿勢が強まると、円買い・ユーロ売りが進行。
2時過ぎに一時157.66円と本日安値を更新した。
ただ、一時は210ドル超下落したダウ平均が持ち直すと円買い圧力は後退。
引けにかけては158円台前半まで下げ渋った。
【本日の東京為替見通し】今週はジャクソンホール会合(24-26日)控えて動意薄か
本日の東京外国為替市場のドル円は、今週の最重要イベントである25日のジャクソンホール会合でのパウエルFRB議長の講演を控えて動きづらい展開が予想される中、引き続き本邦通貨当局のドル売り・円買い介入の可能性に警戒する展開となる。
先週末は、「中国当局は今週、人民元の急激な変動を防ぐため、国有銀行に対し外国為替市場への介入を強化するよう指示した」との一部報道をきっかけに、対人民元中心にドル売りが優勢となった。
米10年債利回りが4.326%まで上昇した背景として、中国人民銀行がドル売り・人民元買い介入の原資となるドル資金を調達したのではないか、との憶測を呼んでいた。
そして、18日の中国人民元の対ドル基準値の設定は、予想値との乖離が過去最大の元高となっており、中国当局による元高誘導の意図が示された。
本日は最優遇貸出金利(LPR)の月次見直しが予定されており、中期貸出制度(MLF)金利引き下げと同様に、景気下支えのために LPRも引き下げられる可能性が高いことで、要注目か。
また、今週も引き続き本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入を警戒していくことになるが、円買い介入の原資である外国為替資金特別会計(外為特会)は、7月末時点で外貨が1兆1242億ドル、その内証券が9879億ドル、預金が1363億ドルとなっている。
本邦通貨当局は、昨年3回、ボラティリティー抑制を名目にしたドル売り・円買い介入を断行したが、円買い介入は、ボリンジャー・バンド+2σ付近で行われ、介入後の安値は日足一目均衡表・基準線付近だった。
本日の高値の目安となる+2σ水準は147.15円付近、安値の目安となる基準線は142.13円となっている。
すなわち、本日のドル円は、147円方向への上昇は想定しづらいことから、ボラティリティーの上昇もなく、ドル売り・円買い介入の可能性は低いと思われる。
ドル円のテクニカル分析では、一目均衡表では依然として三役好転の強い買いシグナルが点灯中だが、高値圏での孕み線、そして2手連続陰線での反落は売りを示唆しており、本日も陰線となり三羽烏により転換線を下回る可能性に要警戒となる。
そして、オシレーター系指標(逆張り指標)である相対力指数(RSI)やストキャスティックは、逆行現象(ダイバージェンス)による売りシグナルを点灯させている。
【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間
<国内>
特になし
<海外>
○07:45 ◎ 7月ニュージーランド(NZ)貿易収支
○15:00 ◇ 7月独生産者物価指数(PPI、予想:前月比▲0.2%)
○17:30 ◎ 7月香港消費者物価指数(CPI、予想:前年同月比1.9%)
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
【前日までの要人発言】
18日12:56 シルクRBNZ総裁補
「中国の景気減速や世界の成長率鈍化がリスク要因」
※時間は日本時間
〔日足一目均衡表分析〕
<ドル円=転換線を支持に押し目買いスタンス>
陰線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯中。
8手連続陽線の後2手連続陰線で反落したものの転換線を上回って引けており、反発の可能性が示唆されている。
ただ逆行現象(ダイバージェンス)出現による売りシグナル点灯には警戒しておきたい。
本日は、転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス2 147.57(2022/11/7高値)
レジスタンス1 146.56(8/17高値)
前日終値 145.39
サポート1 144.78(日足一目均衡表・転換線)
サポート2 143.30(8/10安値)
<ユーロドル=転換線を抵抗に戻り売りスタンス>
小陽線引け。
転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の下で引けていることで、三役逆転の強い売りシグナルが点灯している。
5手連続陰線の後、小陽線(寄引同事線)で下げ止まったもののの、転換線を下回って引けており反落の可能性が示唆されている。
本日は、転換線を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を上抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 1.0955(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 1.0873
サポート1 1.0794(200日移動平均線)
<ユーロ円=8/18安値を支持に押し目買いスタンス>
陰線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯している。
2手連続陰線でも転換線を上回って引けており反発の可能性が示唆されている。
本日は、18日の安値を支持に押し目買いスタンスで臨み、同水準を下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 159.36(8/17高値)
前日終値 158.22
サポート1 157.66(8/18安値)
<豪ドル円=転換線を抵抗に戻り売りスタンス>
陰線引け。
転換線は基準線を上回っているものの、遅行スパンは実線を下回り、雲の下で引けていることで、売りシグナルが優勢な展開となっている。
2手連続陰線で転換線を下回って引けており続落の可能性が示唆されている。
本日は、転換線を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を上抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 93.87(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 93.11
サポート1 91.91(200日移動平均線)
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