September 13, 2023
【前日の為替概況】ドル円147.23円まで上昇、米10年債利回りが4.29%台へ上昇
12日のニューヨーク外国為替市場でドル円は反発。
終値は147.08円と前営業日NY終値(146.59円)と比べて49銭程度のドル高水準だった。
対欧州通貨を中心にドルが底堅く推移する中、米10年債利回りが上昇に転じたタイミングで円売り・ドル買いが強まり一時147.23円と日通し高値を更新した。
ただ、米10年債利回りが再び低下に転じると伸び悩んだ。
前日の高値147.28円が目先レジスタンスとして意識された面もあった。
もっとも、明日13日に公表される8月米消費者物価指数(CPI)で足もとのインフレ動向を確認したいとの思惑から積極的な商いは手控えられたため、大きな方向感は出なかった。
ユーロドルは小幅ながら3日続伸。
終値は1.0754ドルと前営業日NY終値(1.0750ドル)と比べて0.0004ドル程度のユーロ高水準。
欧州時間発表の独経済指標がさえない内容だったことを受け、独経済成長が減速するとの懸念が高まるとユーロ売り・ドル買いが先行し、一時1.0706ドルと日通し安値を更新した。
ただ、節目の1.0700ドルや前週末の安値1.0694ドルがサポートとして働くと買い戻しが優勢に。
今週14日に欧州中央銀行(ECB)定例理事会を控える中、関係者の話として「ECBは2024年のユーロ圏インフレ率を3%超に高止まりすると見込む」との報道が伝わると、利上げへの思惑からユーロ買いが活発化。
取引終了間際に一時1.0765ドル付近まで値を戻した。
なお、エコノミスト調査ではECBが政策金利を据え置くとの予想と、0.25%の利上げを実施するとの予想はほぼ拮抗しており、市場関係者からは「ECBは14日の理事会で利上げを巡る難しい判断を迫られる」との指摘があった。
ユーロ円は反発。
終値は158.18円と前営業日NY終値(157.58円)と比べて60銭程度のユーロ高水準。
ドル円の上昇につれた円売り・ユーロ買いが出たあとは、ECB理事会絡みの報道でユーロ買いが優勢となった。
取引終了間際に一時158.29円と本日高値を更新した。
カナダドルは堅調。
WTI原油先物価格が昨年11月以来10カ月ぶりの高値を更新すると、産油国通貨とされるカナダドルに買いが集まった。
対米ドルでは1.3544カナダドル、対円では108.67円、対ユーロでは1.4512カナダドルまで上昇した。
同じく産油国通貨とされるメキシコペソも堅調だった。
対ドルでは一時17.2185ペソ、対円では8.54円まで値を上げた。
【本日の東京為替見通し】ドル円、今夜発表の米8月CPIへの警戒感から底堅い展開か
本日の東京外国為替市場のドル円は、今夜発表される米8月の消費者物価指数(CPI)への警戒感から底堅い展開が予想される。
ドル円は、9日の植田日銀総裁の新聞インタビューでの発言「マイナス金利の解除後も物価目標の達成が可能と判断すれば、解除をやる。
『年末』までに十分な情報やデータがそろう可能性はゼロではない」を受けて、147円台から145.91円まで下押ししたものの、米8月のCPIへの警戒感から147円台を回復している。
米8月のCPIは、前月比+0.6%、前年比+3.6%と予想されており、7月の前月比+0.2%、前年比+3.2%からの伸び率上昇が見込まれている。
予想通りならば、6月の前年比+3.0%で底を打ち、原油価格の上昇などを背景に再び上昇基調を辿る可能性が高まることになる。
すなわち、来週19-20日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げの可能性が高まり、ドット・プロット(金利予測分布図)では、高金利の長期化(higher for longer)が示される公算が高まることになる。
しかしながら、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」は、来週のFOMCでは金利据え置きを示唆している。
また、米ウォールストリート・ジャーナルのFEDウォッチャー、ニック・ティミラオス記者は、10日付の記事で、「米連邦準備理事会(FRB)は利上げに慎重になりつつある」との見解を示している。
ドル円の147円台では、先週から鈴木財務相、神田財務官、そして、植田日銀総裁も、ボラティリティーを抑制するための円安牽制発言を行ってきたことになる。
先週6日のドル円の高値は147.82円までだったが、神田財務官が、急激な為替変動が続いた場合は「あらゆる選択肢」を排除せず、適切に対応するとの見解を示していた。
8日の高値は147.87円までだったが、鈴木財務相が「為替市場の動向を高い緊張感を持って注視。
過度な変動にはあらゆる選択肢を排除せず対応する」と円安を牽制する発言をしたことで、一時146.59円まで下押しした。
そして、9日の植田日銀総裁の発言では、145.91円まで下押ししたものの、現状は147円台を回復している。
今夜の米CPIを受けて、ドル円が148円台に乗せてきた場合、本邦通貨当局による円安対応が口先介入からドル売り・円買い介入の実施に移る可能性に警戒しておくべきなのかもしれない。
【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 7-9月期法人企業景気予測調査
○08:50 ◇ 8月企業物価指数(予想:前月比0.1%/前年比3.2%)
〇内閣改造・自民党役員人事
<海外>
○15:00 ☆ 7月英国内総生産(GDP、予想:前月比▲0.2%)
○15:00 ☆ 7月英鉱工業生産(予想:前月比▲0.6%/前年比0.5%)
○15:00 ☆ 7月英製造業生産高(予想:前月比▲1.0%)
○15:00 ◇ 7月英商品貿易収支/英貿易収支(予想:160.00億ポンドの赤字/45.00億ポンドの赤字)
○18:00 ◎ 7月ユーロ圏鉱工業生産(予想:前月比▲0.7%/前年比▲0.3%)
○20:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○21:30 ☆ 8月米消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.6%/前年比3.6%)
☆ エネルギーと食品を除くコア指数(予想:前月比0.2%/前年比4.3%)
○23:30 ◇ EIA週間在庫統計
○14日02:00 ◎ 米財務省、30年債入札
○14日03:00 ◎ 8月米月次財政収支(予想:2400億ドルの赤字)
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
【前日までの要人発言】
12日11:06 鈴木財務相
「日銀には物価目標実現に向けて、適切な金融政策運営を期待している」
12日13:33 世耕自民参院幹事長
「日銀総裁のインタビューを詳細に読んだが、緩和継続する趣旨と理解」
「本当の意味で物価目標に達していないという点では日銀と意見の相違はない」
「為替政策に金利を使うのは禁じ手」
12日16:51 プーチン露大統領
「イーロンマスク氏は傑出した人物だ」
12日19:08 ブリーデン次期英中銀(BOE)副総裁
「成長率と失業率に対するリスクは双方向で均衡している」
「インフレ率は2年後に目標値の2%前後になると予想」
「インフレが英国に定着するリスク」
「英国の景気後退は予測していない」
※時間は日本時間
〔日足一目均衡表分析〕
<ドル円=転換線を支持に押し目買いスタンス>
陽線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯中。
抱き線で切り返して転換線を上回って引けており続伸の可能性が示唆されている。
本日は、転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス2 148.40(2022/11/4高値)
レジスタンス1 147.87(9/7・8高値)
前日終値 147.08
サポート1 146.16(日足一目均衡表・転換線)
サポート2 145.44(日足一目均衡表・基準線)
<ユーロドル=転換線を抵抗に戻り売りスタンス>
陽線引け。
転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の下で引けていることで、三役逆転の強い売りシグナルが点灯している。
3手連続陽線で反発したものの、依然として転換線を下回って引けており反落の可能性が示唆されている。
本日は、転換線を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を上抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 1.0784(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 1.0754
サポート1 1.0635(5/31安値)
<ユーロ円=転換線を支持に押し目買いスタンス>
陽線引け。
転換線は基準線を下回ったものの、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、買いシグナルが優勢な展開となっている。
抱き線で切り返して転換線を上回って引けており続伸の可能性が示唆されている。
本日は、転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 159.76(8/30高値)
前日終値 158.18
サポート1 157.56(日足一目均衡表・転換線)
<豪ドル円=雲の下限を支持に押し目買いスタンス>
陽線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の上で引けていることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯している。
3手連続陽線で転換線を上回って引けており続伸の可能性が示唆されている。
本日は、転換線94.16円を念頭に置き、雲の下限を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 95.06(8/30高値)
前日終値 94.52
サポート1 93.97(日足一目均衡表・雲の下限)
Provided by
DZH Finacial Research
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