April 9, 2024
【前日の為替概況】ドル円、続伸 米10年債利回り昨年11月以来の高水準
8日のニューヨーク外国為替市場でドル円は続伸。
終値は151.82円と前営業日NY終値(151.62円)と比べて20銭程度のドル高水準だった。
米利下げ開始時期が後ずれするとの観測が高まる中、米長期金利の指標となる米10年債利回りが一時4.4621%前後と昨年11月以来の高水準を更新すると円売り・ドル買いが先行。
21時過ぎに一時151.94円と日通し高値を付けた。
ただ、米10年債利回りが4.40%台まで上昇幅を縮めるとドル円にも売りが出て、151.72円付近まで伸び悩んだ。
政府・日銀による為替介入への警戒感が根強い中、3月27日に付けた34年ぶりの高値151.97円がレジスタンスとして意識された面もあった。
ユーロドルは上昇。
終値は1.0859ドルと前営業日NY終値(1.0837ドル)と比べて0.0022ドル程度のユーロ高水準だった。
米国での利下げ時期が先送りされるとの見方から、欧州市場では一時1.0821ドルと日通し安値を付けたものの、NY市場に入ると買い戻しが優勢に。
米長期金利が上昇幅を縮めたことなどを手掛かりにユーロ買い・ドル売りが入った。
前週末の高値1.0848ドルを上抜けると一時1.0862ドルまで上値を伸ばした。
ユーロ円は続伸。
終値は164.86円と前営業日NY終値(164.32円)と比べて54銭程度のユーロ高水準。
ユーロドルの上昇につれたユーロ買いが入ったほか、欧州株高に伴うリスク・オンの円売りが出ると、取引終了間際に一時164.91円と日通し高値を付けた。
ユーロ円以外のクロス円も底堅く推移した。
ポンド円は一時192.19円、豪ドル円は100.32円、NZドル円は91.64円、カナダドル円は111.90円、メキシコペソ円は9.31円まで値を上げた。
【本日の東京為替見通し】ドル円、152円をうかがう展開が続く公算
本日の東京外国為替市場のドル円は、米長期金利をにらみつつ、152円の大台を前に方向感を探る動きが予想される。
足元では、日米金利差を背景としてドル買い・円売りの流れとなりやすい。
本邦の中・長期金利がどんどん上がる状況にない以上、米長期金利が上昇する場面ではドル円にも上昇圧力が掛かりやすいとみる。
また、前週末にイスラエルがパレスチナ自治区ガザ南部の都市ハーンユニスから軍隊を撤退させたことで、中東情勢を巡る緊張が緩和してリスク回避ムードがやや後退していることも、ドル円の買いやすさにつながっている。
日足チャートでは、2日連続で陽線引けとなっているほか、下値が切り上がっている。
これらを合わせ、本日も引き続き152円台乗せを試す流れが続く公算である。
同水準にはオプションバリアが観測されているほか、152円台は1990年7月以来の高値水準ということもあり、もし152円台に乗せた場合は次の目標値を手探りしつつ上値を試す展開が予想される。
もし、本邦金融当局者から強い円安けん制の言葉が伝わった場合、直後のドル円相場には下落圧力がかかりやすいとみる。
とはいえ、3月27日に年初来高値151.97円を付けた後で鈴木財務相から強い口調での円安けん制が伝わったが、下押しは40銭弱にとどまっている。
昨日の下押しも151.57円までと、既に151円台半ばが底堅い印象を受ける中、口先介入だけでは単に押し目を作るだけの結果となりかねない。
とはいえ、万一実弾介入となった場合、直近の2022年9・10月のケースで、それぞれ5円超の下落となった点には留意したい。
そのほか引き続き、中東情勢には注意が必要だろう。
【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間
<国内>
○14:00 ◇ 3月消費動向調査(消費者態度指数 一般世帯、予想:39.5)
<海外>
○09:30 ◇ 4月豪ウエストパック消費者信頼感指数
○10:30 ◇ 3月豪NAB企業景況感指数
○15:45 ◇ 2月仏貿易収支
○15:45 ◇ 2月仏経常収支
○21:00 ◎ 3月メキシコ消費者物価指数(CPI、予想:前年比4.50%)
○10日02:00 ◎ 米財務省、3年債入札
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
【前日までの要人発言】
8日09:21 植田日銀総裁
「金融政策、新たな枠組のもとで経済変化に適切に対応」
「景気回復で政策はある程度動けるようになった」
8日14:52 中尾元財務官
「足元の為替水準は過度に円安」
「円安が実質賃金や消費を下押し」
「円安是正のため、いつ為替介入があってもおかしくない」
「2%の物価目標も円安要因、弾力的な見直しが必要」
8日16:11 テデーン・スウェーデン中銀(リクスバンク)総裁
「ドル高に伴うスウェーデンクローナの影響に焦点を当てる必要」
「以前よりも幾分さらにタカ派になっている」
8日18:28 イエレン米財務長官
「インフレ率の伸び率が鈍化していくことを確信している」
9日00:35 ジョーダン・スイス国立銀行(スイス中銀、SNB)総裁
「現在スイスでは、リテールCBDC(中央銀行デジタル通貨)とも呼ばれる一般大衆向けのものは必要ないと考えている」
「CBDCのリスクは現在、その潜在的な利益より上回っている」
9日02:43 グールズビー米シカゴ連銀総裁
「経済は引き続き好調であり、雇用統計がそれを裏付けている」
「FRBはいつまで金融政策を制限的に続けるかを決定する必要がある」
※時間は日本時間
〔日足一目均衡表分析〕
<ドル円=下押しあっても限定的で底堅さ維持を予想>
上影小陽線引け。
高値は151.94円までと、底堅いながらまたしても152円回復を目前とした足踏みが続いた。
本日、一目均衡表・転換線が151.38円とわずか1ptだが水準を切り下げることも足踏み継続の示唆かもしれない。
同線はここからしばらく横ばいが続き、来週半ばにも再び水準を切り上げる可能性を残している。
転換線前後が目先の支えとなりそうであるほか、下押しがあっても5日安値150.81円や150.74円前後で上昇中の21日移動平均線をめどに折り返し、上値を試す展開が続くと予想する。
レジスタンス1 152.30(1990/7/6高値)
前日終値 151.82
サポート1 151.24(4/5-8上昇幅の61.8%押し)
サポート2 150.81(4/5安値)
<ユーロドル=基準線を上回る水準で底堅さ維持できるか>
下影小陽線引け。
一時1.0821ドルと、一目均衡表・雲の下限に近づく場面もあったが下げ渋り、1.0859ドルでNYの取引を終えた。
一目均衡表・基準線1.0853ドルを上回ったが、まだ低下傾向の同線を上回る水準で底堅さを維持できるか注視。
伸び悩んでも本日1.0819ドルに位置する雲の下限前後での下げ渋りが期待できる。
レジスタンス1 1.0917(日足一目均衡表・雲の上限)
前日終値 1.0859
サポート1 1.0806(ピボット・サポート2)
<ポンド円=目先のめどをこなしつつ高値更新を目指す展開>
陽線引け。
目先のすう勢を示す5日移動平均線の上昇をともない戻りを試す堅調な動きだった。
本日191.82円前後へ上昇した5日線や昨日安値191.37円といった水準をサポートとした上方向の流れ継続を予想。
N計算値など目先のめどをこなしつつ、3月20日につけた年初来高値193.54円の更新を目指す展開が想定できる。
レジスタンス1 192.88(4/2-4上昇幅によるN計算値)
前日終値 192.13
サポート1 191.37(4/8安値)
<NZドル円=勢いつけ、雲の上限こなす展開を期待>
陽線引け。
一目均衡表・雲の中で91.64円まで上値を伸ばした。
長い上ひげを形成した4日の高値91.71円を試す状況で、上抜ければ勢いで一目均衡表・雲の上限91.80円もこなせそう。
下押しがあっても91.33円前後へ切り上がった5日移動平均線や一目均衡表・雲の下限91.05円、昨日安値91.01円といった水準が支えになるだろう。
レジスタンス1 92.04(ピボット・レジスタンス2)
前日終値 91.56
サポート1 91.05(日足一目均衡表・雲の下限)
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DZH Finacial Research
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