本日の東京為替見通し(為替/FXニュース):トランプ第2次政権の可能性や円買い介入の可能性に要警戒か(2024年7月22日)

マーケットレポート

July 22, 2024

【前日の為替概況】ドル円、世界規模のシステム障害で156.96円まで下落後に157円台を回復

19日のニューヨーク外国為替市場でドル円は小幅ながら続伸。
終値は157.48円と前営業日NY終値(157.37円)と比べて11銭程度のドル高水準だった。
世界規模で発生したシステム障害を受けて、投資家がリスク回避姿勢を強めると、欧州時間には一時本日安値となる156.96円まで値を下げた。

ただ、NY市場に限れば157円台半ばでのもみ合いに終始した。
米国株相場の下落に伴うリスク・オフの円買い・ドル売りが入った半面、欧州通貨やオセアニア通貨に対してドル高が進んだ影響を受けたため、相場はもみ合いの展開となった。

なお、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁はこの日、「米連邦準備理事会(FRB)は引き続き2%のインフレ目標達成に注力している」と述べたものの、金融政策の見通しについては言及しなかった。

ユーロドルは続落。
終値は1.0882ドルと前営業日NY終値(1.0897ドル)と比べて0.0015ドル程度のユーロ安水準だった。
世界各地で発生した大規模なシステム障害を受けて、投資家心理が悪化したことから、リスク・オフのユーロ売り・ドル買いが出やすかった。
4時前には一時1.0876ドルと日本時間夕刻に付けた日通し安値に面合わせした。
ただ、16日の安値1.0872ドルが目先サポートとして意識されたため、一本調子で下落する展開にはならなかった。

ユーロ円は小反落。
終値は171.39円と前営業日NY終値(171.49円)と比べて10銭程度のユーロ安水準。
アジア時間に一時171.88円まで値を上げたものの、日本時間夕刻には170.92円まで値を下げた。
NY市場では171円台半ばでのもみ合いに終始した。

オセアニア通貨は軟調だった。
ダウ平均が一時460ドル超下げるなど、米国株相場が軟調に推移するとリスクセンチメントに敏感なオセアニア通貨に売りが出た。
豪ドル米ドルは一時0.6680米ドル、豪ドル円は105.19円付近まで下落したほか、NZドル米ドルは0.6006米ドル、NZドル円は94.58円まで値を下げた。

【本日の東京為替見通し】トランプ第2次政権の可能性や円買い介入の可能性に要警戒か

本日の東京外国為替市場のドル円は、バイデン米大統領の大統領選撤退表明によりトランプ第2次政権誕生の可能性が高まったことで、トランプトレード(ドル買い・米国債売り)と「トランプノミクスは低金利と関税
ドル高は問題」(トランプ前米大統領)を見極めていく展開となる。

トランプ氏が11月の大統領選に勝利する可能性が高まったことで、減税や関税引き上げという公約が実施された場合、インフレ圧力が高まるとの見通しからトランプトレード(ドル買い・米国債売り)への警戒感が高まりつつあった。
しかし、トランプ前米大統領は「トランプノミクスは低金利と関税」と述べ、米国がドル高により「大きな問題を抱えている」と述べている。

先週のドル円は、次期米国大統領候補のトランプ前米大統領が「ドル高は問題」、次期首相候補の河野デジタル相が「円安は問題」とドル高・円安を牽制する発言を行ったことで、155.38円まで下落した。
しかし、一目均衡表・雲(155.49-83円)が支持帯となり、157円台まで反発したことで、155円台の攻防の分岐点の底堅さが確認された。

また、月末に退任予定の神田財務官は、今週25~26日にはブラジル、リオデジャネイロで開催されるG20財務大臣・中央銀行総裁会議に出席するため、週後半から不在となる。
しかしながら、ドル円は依然として、神田財務官がドル売り・円買い介入に踏み切った水準(157円~161円)で推移していることで、円買い介入の可能性には警戒しておきたい。

ドル売り・円買い介入が実施された水準は、4月29日の第1弾が159円台、第2弾が157円台、5月2日の早朝の第3弾が157円台、7月11日の第4弾が161円台、7月12日の第5弾が159円前後、介入金額は合計15.4兆円程度だと推測される。

神田財務官は、「投機によって円安になり、輸入物価が上がってしまい、国民の生活が脅かされるとしたら由々しきこと」と述べ、介入の回数や頻度に制限はないとの認識を示しながら、今後も為替介入を辞さない姿勢を強調している。

投機筋の円売り圧力は、7月16日時点のIMM通貨先物の非商業(投機)部門取組の円の売り持ちポジションは151072枚(×1250万円=約1.9兆円)までやや減少している。

また、日銀が公表する外国銀行在日支店の本支店勘定はキャリートレード残高を示唆しているが、4月時点で10.8兆円規模となっている。
1-6月の実需の円売りは、投資信託を通じた家計の円売り(新NISA少額投資非課税制度)が約6.1兆円、貿易赤字が約3.2兆円なので、9.3兆円となる。

【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間

<国内>
特になし

<海外>
○07:45 ◎ 6月ニュージーランド(NZ)貿易収支
○17:30 ◎ 6月香港消費者物価指数(CPI、予想:前年同月比1.2%)

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

>本日発表予定のその他の経済指標についてはこちら

【前日までの要人発言】

19日10:48 トランプ前米大統領(共和党全国大会での演説抜粋を選挙陣営が公表)
「インフレ危機を終わらせ、金利を引き下げる」
「エネルギーコストを引き下げる計画」
「攻撃にもかかわらず、我々はこれまで以上に団結を強めている」
「物価を押し下げ、再び購入できる価格にする」
「メキシコと中国での自動車工場建設は認めず」
「就任初日に電気自動車の義務化を停止する」

19日11:34 鈴木財務相
「来週のブラジルG20財務相・中銀総裁会議に出席。あわせて開催のG7にも出席する」
「G20では為替の論点含め国際的な課題について日本の立場しっかり伝える」

19日11:55 岸田首相
「円安を背景とした物価上昇に警戒」

19日12:59 河野デジタル相
「いま日銀に利上げを直接求めているわけではない」
「金融政策は日銀が決めることだ。具体的にどうするかは日銀が決める」
「金利が上がれば円高になるという理論を申し上げただけだ」

19日14:46 ミュラー・エストニア中銀総裁
「再び利下げするには、インフレ率が2%に向かうという確信がさらに必要」
「インフレにはまだ変動があることを認識している」
「金利は借入需要を抑制するのに十分高い水準にある」

19日15:29 ビルロワドガロー仏中銀総裁
「予想通りにディスインフレが起きつつある」
「インフレ率はもう少し緩やかなペースで低下を続けるだろう」
「金利についての市場の期待はかなり合理的」

19日17:24 レーン・フィンランド中銀総裁
「インフレの減速ついて短期的な不確実性がある」
「インフレが予想を上回るリスクは残る」
「インフレは中期的には2%目標に向かって減速していく」
「いかなる金利の道筋についても事前に約束することはない」

19日23:54 ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁
「中央銀行はインフレ抑制の使命を担うべき」
「FRBは2%のインフレ目標達成に引き続き注力している」
「物価安定は金融安定の鍵」

22日 バイデン米大統領
「私が選挙戦から撤退し、大統領として残り任期の責務を果たすことに集中することは、私の党の最善の利益になると信じている」

※時間は日本時間

>本日の要人発言をリアルタイムで確認するならこちら

〔日足一目均衡表分析〕

<ドル円=転換線を抵抗に戻り売りスタンス>

ドル円0722

パラメータ0722

陽線引け。
転換線は基準線を下回っているものの、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、買いシグナルが優勢な展開となっている。
しかし、2手連続陽線でも、依然として転換線を下回って引けていることで反落の可能性が示唆されている。

本日は転換線を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を上抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス2 159.45(7/12高値)
レジスタンス1 158.60(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 157.48
サポート1 156.23(日足一目均衡表・雲の上限)
サポート2 155.49(日足一目均衡表・雲の下限)

>ドル円のリアルタイムチャートはこちら

<ユーロドル=基準線を支持に押し目買いスタンス>

ユーロドル0722

パラメータ0722

陰線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯中。
2手連続陰線でも依然として転換線を上回って引けており反発の可能性が示唆されている。

本日は転換線1.0880ドルを念頭に置き、基準線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 1.0981(3/8高値)
前日終値 1.0882
サポート1 1.0807(日足一目均衡表・基準線)

>ユーロドルのリアルタイムチャートはこちら

<ユーロ円=転換線を抵抗に戻り売りスタンス>

ユーロ円0722

パラメータ0722

小陰線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯中。
しかし、孕み線で反落して、依然として転換線を下回って引けていることで続落の可能性が示唆されている。

本日は転換線を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を上抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 172.72(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 171.39
サポート1 170.00(7/18安値)

>ユーロ円のリアルタイムチャートはこちら

<豪ドル円=基準線を抵抗に戻り売りスタンス>

豪ドル円0722

パラメータ0722

小陰線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯中。
しかし、孕み線で反落して依然として転換線を下回って引けていることで続落の可能性が示唆されている。

本日は基準線を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を上抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 106.48(日足一目均衡表・基準線)
前日終値 105.30
サポート1 104.53(7/18安値)

>豪ドル円のリアルタイムチャートはこちら

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商号等:【金融商品取引業者】投資助言業/【登録番号】関東財務局長(金商)907号


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