本日の東京為替見通し(為替/FXニュース):ドル円、荒い値動き続くか 豪ドルは豪金融イベントに注目(2024年8月6日)

マーケットレポート

August 6, 2024

【前日の為替概況】ドル円、5日続落 米景気後退懸念や日銀追加利上げ観測の高まりなど背景

5日のニューヨーク外国為替市場でドル円は5日続落。
終値は144.18円と前営業日NY終値(146.53円)と比べて2円35銭程度のドル安水準だった。
本日の東京市場では米景気後退懸念や日銀の追加利上げ観測の高まりなどを背景に、日経平均が暴落したことを受けてリスク回避の円買いが活発化し一時141.70円と1月2日以来の安値を付けた。

ただ、NY市場に限れば買い戻しが目立つ展開となった。
7月米ISM非製造業景況指数が51.4と予想の51.0を上回ったことが分かるとドルを買い戻す動きが広がり、1時30分前には144.89円付近まで下げ幅を縮めた。
一時は3.6653%前後と昨年6月以来の低水準を記録した米10年債利回りが上昇に転じたことも相場を下支えした。

もっとも、買い戻しが一巡すると上値が重くなった。
ダウ平均が一時1200ドル超下落したほか、米10年債利回りが再び低下に転じたことが相場の重しとなり143.41円付近まで押し戻された。

ユーロドルは続伸。
終値は1.0952ドルと前営業日NY終値(1.0911ドル)と比べて0.0041ドル程度のユーロ高水準だった。
米景気後退懸念を背景に米長期金利が低下するとユーロ買い・ドル売りが進行。
22時前に一時1.1008ドルと1月2日以来の高値を付けた。

ただ、同日高値1.1046ドルがレジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。
米ISM非製造業景況指数の上振れも相場の重しとなり、2時30分過ぎには1.0947ドル付近まで下押しした。

ユーロ円は7日続落。
終値は157.90円と前営業日NY終値(159.91円)と比べて2円01銭程度のユーロ安水準。
米景気後退懸念が台頭する中、世界中で株価が大幅に下落し、為替市場ではリスク回避の円買いが勢い付いた。
アジア市場では一時154.42円と年初来安値を更新した。

ただ、NY市場に入ると急ピッチで下落した反動が出て買い戻しが進んだ。
夜間取引の日経平均先物が急反発したことも相場の支援材料となり、1時30分前に158.76円付近まで持ち直した。
もっとも、買い戻しが一巡すると157.05円付近まで押し戻されている。

なお、ナイト・セッションの日経平均先物は大証終値比2450円高の3万3830円まで反発する場面があった。

【本日の東京為替見通し】ドル円、荒い値動き続くか 豪ドルは豪金融イベントに注目

本日の東京為替市場でもドル円は、金利や株式相場の動向を見極めながら荒い値動きが続くか
急落と急騰を繰り返した後なだけに、傷んでいる市場参加者も多いと思われ、流動性は良くないことが想定される。
フローに敏感に反応し、昨日同様に値幅を伴う場面も多々ありそうだ。

昨日は日本株の暴落を受けて、東京午後に1月2日以来の安値141.70円を記録。
オセアニア時間の高値からだと5円近い下落幅になる。
もっともその後、日通しレンジの下値からの61.8%戻しも達成し、一巡後は下押すもNY引け水準は半値144.18円付近だった。
一旦は底打ち感が出てきてもおかしくはないか。

米株は大幅安で終えたが、昨日暴落した日経平均の先物は夜間取引でさすがに大きく反発。
本日の東京市場でも、上げ幅をみて、昨日は悪化の一方だった相場のリスクセンチメントの改善が期待できるかもしれない。
ただし、前営業日比4451円安と過去最大の下げ幅を記録した後で株価の水準自体はまだ低いため、積極的なリスクオンまでには至らないだろう。

ところでCMEのフェドウォッチによれば、9月米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.50%利下げ織り込み度は8割を超えた。
また翌11月会合でも同じ幅の追加利下げを織り込み、0.75%引き下げを見込む向きも増えてきている。
日銀の年内追加利上げ観測が高まりつつあるなかで、米金利先安観がこのまま強まるようだと、日米金利差の縮小が意識されてドル円の上値も追いづらくなるかもしれない。

豪ドルも株式市場の動向を見定めながら、日本時間13時30分に豪準備銀行(RBA)が発表する政策金利や、その1時間後に予定されているブロックRBA総裁の記者会見を待つことになる。
昨日から本日にかけて開かれた金融政策理事会では、政策金利が現行4.35%で据え置かれるというのが大方の見込み。
予想通りであれば、6会合連続での据え置きとなる。

RBAはこれまでタカ派に傾き、次の一手は利上げと見られていた。
しかしながら、先週公表された6月豪消費者物価指数(CPI)は前年比3.8%上昇となり、前月から伸び率が低下。
4-6月期CPIは前年同期比3.8%上昇と前四半期からから加速した一方、RBAが金融政策を決定するうえで重視しているトリム平均は前期からの鈍化が確認された。
これらの結果を受けて、RBAは一旦様子を見るとされている。

注目ポイントは、声明文でタカ派姿勢を維持するのかどうか。
前回の声明では「最近のデータはインフレの上振れリスクに対する警戒感を改めて示している」として、利上げを議論したことを明らかにしていた。
ここ最近の世界的な株安、豪経済が依然として頼るところが大きい中国の景気減速、米国のリセッション(景気後退)リスクを背景とした金利先安観などへの言及が注視される。

【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間

<国内>
○08:30 ◇ 6月家計調査(消費支出、予想:前年比▲0.9%)
○08:30 ◇ 6月毎月勤労統計(現金給与総額、予想:前年比2.4%)

<海外>
○13:30 ☆ 豪準備銀行(RBA)政策金利発表(予想:4.35%で据え置き)
○14:30 ◎ ブロックRBA総裁、記者会見
○14:45 ◇ 7月スイス失業率(季節調整前、予想:2.3%)
○15:00 ◎ 6月独製造業新規受注(予想:前月比0.5%/前年同月比▲14.2%)
○15:30 ◇ 6月スイス小売売上高
○17:30 ◎ 7月英建設業購買担当者景気指数(PMI、予想:52.8)
○18:00 ◎ 6月ユーロ圏小売売上高(予想:前月比▲0.1%/前年比0.2%)
○21:30 ◇ 6月カナダ貿易収支(予想:18.4億カナダドルの赤字)
○21:30 ◎ 6月米貿易収支(予想:725億ドルの赤字)
○7日02:00 ◎ 米財務省、3年債入札
○7日03:00 ◎ 7月ブラジル貿易収支(予想:77.50億ドルの黒字)

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

>本日発表予定のその他の経済指標についてはこちら

【前日までの要人発言】

5日08:50 6月13-14日分の日銀金融政策決定会合議事要旨
「データを注視し遅きに失することなく適時に金利引き上げる必要」
「物価上振れの可能性、リスクマネジメントの観点から緩和度合いの更なる調整の検討必要」
「政策変更、消費者物価の明確な反転上昇などデータを確認したタイミングで検討するのが適切」
「当面は現在の金融緩和継続し企業の構造改革を後押しするのが適当」
「為替円安は物価上振れの要因、金融政策運営上十分注視する必要があるとの認識を委員は共有」

5日16:34 鈴木財務相
「株価は市場で決定される」
「株価の下落、強い関心を寄せている」
「今後とも為替相場の動きを注視」
「円の水準は安定的に推移することが望ましい」
「為替相場は、ファンダメンタルズの反映が重要」
「日銀とも連携して、緊張感を持って株式市場の動向を注視する」

5日17:46 林官房長官
「為替市場の動向をしっかりと注視したい」
「為替相場は安定的に推移することが重要」

5日21:39 グールズビー米シカゴ連銀総裁
「7月の雇用統計は、まだリセッション(景気後退)の可能性を示唆していない」
「FOMCは、9月会合前にさらなるデータを確認できる」

6日00:22 ロペスオブラドール・メキシコ大統領
「メキシコはペソ安に耐えうる十分な準備金を有している」

6日06:59 デイリー米サンフランシスコ連銀総裁
「今後の会合で利下げにオープン」
「次の雇用統計の内容を注視」
「FRBは雇用最大化と物価安定の目標達成のため何でもする」
「政策金利は調整が必要、次期と規模はデータ次第」

※時間は日本時間

>本日の要人発言をリアルタイムで確認するならこちら

〔日足一目均衡表分析〕

<ドル円=戻りへの期待もあるが下向きリスク大きいまま>

ドル円0806

パラメータ0806

下影大陰線引け。
1月2日以来の安値141.70円まで一気に売りが進む暴落となった。

年初来の安値圏から相応に反発したものの一目均衡表を含めトレンド系の主だったテクニカル指標は総売り示唆の様相。
突っ込み気味に売られたこともあり、長めの下ひげを形成する格好で下げ渋った目先的な底堅さを背景に昨日の値幅全戻しを狙うのも一手だが、安値更新をうかがう下向きリスクはなお大きいままといえる。

レジスタンス1 146.66(8/5高値)
前日終値 144.18
サポート1 141.70(8/5安値)
サポート2 140.25(2023/12/28安値)

>ドル円のリアルタイムチャートはこちら

<ユーロドル=転換・基準線やがて重なりしっかりした支えに>

ユーロドル0806

パラメータ0806

上影陽線引け。
目先の上値の節目だった7月17日高値1.0948ドルや、次の節目だった3月8日高値1.0981ドルもこなして勢いづき、年初来のレンジ上限1.10ドル台に突入する場面もあった。
目先的な達成感もあり押し戻され、長めの上ひげをともなう足型を形成している。

相応の売り圧力を感じさせるが、一目均衡表・基準線が上昇して転換線と重なり、下押し局面のサポートもさらにしっかりしてくる見込み。
底堅い推移が続くとみる。

レジスタンス1 1.1008(8/5高値)
前日終値 1.0952
サポート1 1.0893(日足一目均衡表・転換線)

>ユーロドルのリアルタイムチャートはこちら

<ポンド円=反発あっても5日線からのかい離縮小する範囲>

ポンド円0806

パラメータ0806

下影大陰線引け。
一時180.11円と、1月3日以来の安値まで下落幅を拡大した。
5日移動平均線の低下をともなう下落の流れがさらに勢いづき年初来の安値圏まで下振れた格好。
反発期待もあるが、5日線からのかい離を縮小する範囲にとどまりそうだ。

レジスタンス1 187.84(5日移動平均線)
前日終値 184.22
サポート1 180.11(8/5安値)

>ポンド円のリアルタイムチャートはこちら

<NZドル円=低下見込まれる転換線が抵抗>

NZドル円0806

パラメータ0806

下影大陰線引け。
一時83.07円と昨年4月28日以来の安値まで急落した。
年初来安値を一気に更新したことによる戻りを期待したいところだが、今後の低下が見込まれる一目均衡表・転換線87.30円が抵抗となる。
落ち着きどころを探りつつ下値を模索する展開が続くだろう。

レジスタンス1 87.30(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 85.65
サポート1 83.07(8/5安値)

>NZドル円のリアルタイムチャートはこちら

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