PPI(生産者物価指数)とは|CPIとの違い・マーケットへの影響などをわかりやすく解説
PPI(生産者物価指数)とは、企業(生産者)が販売する財や一部サービスの価格変動を指数化したものです。
指数の推移を調査することで、企業コストやインフレ動向を把握することができます。
本記事では、PPIの意味、特徴、よくある質問などを解説します。
目次
- 1.PPI(生産者物価指数)とは
- 2.PPI(生産者物価指数)がマーケットに与える影響
- 3.PPI(生産者物価指数)のスケジュール
- 4.PPI(生産者物価指数)に関するQ&A
- 5.【まとめ】PPI(生産者物価指数)とは|CPIとの違い・マーケットへの影響などをわかりやすく解説
PPI(生産者物価指数)とは
まずは、PPI(生産者物価指数)の内容と、類似指標のCPI(消費者物価指数)との違いについて解説します。
- ・PPI(生産者物価指数)の内容
- ・PPI(生産者物価指数)とCPI(消費者物価指数)の違い
PPI(生産者物価指数)の内容
PPIとは、Producer Price Indexの略字で、企業(生産者)が販売する財や一部サービスの価格変動を指数化したものです。
国際的にはPPIという表現が一般的ですが、日本では「企業物価指数(CGPI:Corporate Goods Price Index)」と呼ばれます。
なお、国によって指数の対象となる範囲が異なるため、単純な国際比較には注意を要します。
PPI(生産者物価指数)とCPI(消費者物価指数)の違い
PPIは企業間取引(企業の卸売価格)の物価指数であるのに対し、CPIは小売段階(消費者が支払う小売価格)の物価指数です。
PPIからは企業のコストや生産活動への影響を考察できます。
一方、CPIからは消費者視点の物価動向や実質所得の推移を把握可能です。
両者の推移には一定の相関関係があると考えられるものの、必ずしも一致するわけではありません。
PPI(生産者物価指数)がマーケットに与える影響
PPI(生産者物価指数)がマーケットに与える影響は、以下の通りです。
- ・PPI(生産者物価指数)が高い場合
- ・PPI(生産者物価指数)が低い場合
PPI(生産者物価指数)が高い場合
PPIが高い場合、企業が原材料や中間財を調達する際の仕入れコストが上がっている可能性を示します。
価格転嫁が難しい業種では、利益率の低下につながる懸念があります。
PPIの継続的な上昇は、CPIに波及する可能性があり、インフレ圧力として警戒されます。
PPI(生産者物価指数)が低い場合
PPIが低い場合、企業間で取引される財やサービスの価格に下落圧力がかかっていることを示します。
こうした状況では、企業が販売価格を維持できずに価格競争が強まりやすくなり、収益力の低下が懸念されます。
特に、需要が弱く価格転嫁が難しい業種では、企業活動の停滞リスクが高まります。
PPIの下落傾向が続くと、CPIにも波及し、物価全体が弱含むデフレ傾向として警戒されます。
PPI(生産者物価指数)のスケジュール
PPI(生産者物価指数)の公開スケジュールに関して、米国では毎月中旬に公開されます。
公開時刻は米国東部時間の午前8時30分で、日本時間では22時30分(標準時間)、21時30分(夏時間)となります。
通常、米CPIはPPIの前日に発表されることが多く、ぞれぞれ注目を集めます。
なお、日本では毎月中旬に公開され、公開時刻は午前8時50分です。
PPI(生産者物価指数)に関するQ&A
PPI(生産者物価指数)に関するよくある質問は、主に以下の通りです。
- ・米国のPPI(生産者物価指数)の推移は?
- ・日本のPPI(生産者物価指数)の推移は?
米国のPPI(生産者物価指数)の推移は?
引用元:米国労働省労働統計局
2011年以降の推移を確認すると、おおむねプラスで推移したものの、2015年と2020年にマイナスを記録したことがわかります。
2020年付近にある縦の灰色の線は、リセッション期間を意味します。
新型コロナウイルスのパンデミックが発生した時期であり、PPIはマイナスに落ち込みました。
その後、2021年から2022年にかけて大幅に上昇したものの、2023年に再びゼロ%付近に戻りました。
直近は、緩やかに上昇しつつあります。
日本のPPI(生産者物価指数)の推移は?
引用元:日本銀行
米国と同じ期間(2011年以降)を表示すると、米PPIと似た動きをしています。
しかし、マイナス圏で推移した期間が米国より長く、日本は物価が下がりやすい環境だったことがわかります。
2020年までゼロを挟んで上下動し、2021年以降に上昇しました。
2016年を底にして下値を切り上げる動きが続いており、今後も上昇し続けるかどうか注目です。
上昇し続ける場合、CPIも上昇しやすいと考えられます。
なお、縦の灰色の帯はリセッション期間を示し、リセッション期間は物価が下落しやすいことがわかります。
【まとめ】PPI(生産者物価指数)とは|CPIとの違い・マーケットへの影響などをわかりやすく解説
PPI(生産者物価指数)とは、企業(生産者)が販売する財や一部サービスの価格変動を指数化したものです。
企業コストやインフレ動向を把握することができ、インフレの前触れを示す指標として注目されます。
国際的にはPPIという表現が一般的ですが、日本では「企業物価指数」と呼ばれます。
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