為替ヘッジとは|初心者向けにあり・なしの違いなどをわかりやすく解説
為替ヘッジとは為替変動リスクを回避する手段のことで、海外投資や海外との取引がある企業などで使用されます。
為替ヘッジを適切に使用することで、為替変動による損失を抑えることができます。
本記事では、為替ヘッジの意味や特徴、よくある質問などを解説します。
目次
- 1.為替ヘッジとは
- 2.為替ヘッジあり・なしの違い
- 3.為替ヘッジありのメリット・デメリット
- 4.為替ヘッジなしのメリット・デメリット
- 5.為替ヘッジに関するQ&A
- 6.【まとめ】為替ヘッジとは|初心者向けにあり・なしの違いなどをわかりやすく解説
為替ヘッジとは
為替ヘッジの目的と仕組みを解説します。
- ・目的
- ・仕組み
目的
海外資産は為替レートの変動によって資産価値が増減します。
例えば、海外株式を保有している場合、円安になれば資産価値の増加、円高になれば資産価値の減少を意味します。
為替ヘッジは、この「為替リスク」を抑えることが目的で、レートが変動しても損失が出ないようにする手段です。
円安によるプラスの効果は享受できなくなるものの、円高局面で海外資産価値が目減りするリスクを防げます。
仕組み
為替ヘッジは、主に将来の為替レートを事前に決める「為替予約」や「通貨スワップ」などの取引によって実行されます。
また、投資信託などでは、運用会社がこうした仕組みを使って、投資家の代わりに為替リスクを抑えています。
為替予約とは、将来の特定時点の為替レートをあらかじめ決める金融取引です。
海外に投資する際、為替損失が発生しないレートで円に戻せるように為替予約します。
ただし、為替予約するにはコストが必要です。
コストは日本と外国の金利差などに基づいて決定され、金利差が大きくなるほどコストが大きくなります。
為替ヘッジあり・なしの違い
外貨建ての金融商品(海外株式、投資信託等)を選ぶ際、為替ヘッジあり・為替ヘッジなしの区別がある場合があります。
為替ヘッジありの場合、為替レート変動の影響を抑えられる一方、コストが別途必要です。
為替ヘッジなしの場合、為替レート変動の影響を直接的に受けるので、為替レート変動により損益が大きく振れる可能性があります。
なお、金融商品によっては部分的に為替ヘッジを行い、円高・円安の両方に一定のバランスを持たせた運用を目指すタイプも存在します。
為替ヘッジありのメリット・デメリット
外貨建て金融商品が為替ヘッジありの場合、メリット・デメリットは主に以下の通りです。
メリット
為替ヘッジありの場合、為替レート変動による損益のブレを抑えられるので、為替レート変動について過度に考える必要がなくなります。
外国の投資対象と外国為替の動きを同時に適切に分析するのは難しいので、為替ヘッジありで為替レートによる影響を小さくでき、より安定したリターンが期待できます。
- ・為替レート変動の影響を抑えられる
- ・投資対象の検討に集中できる
デメリット
投資開始後に円安が進む場合、為替ヘッジなしならば為替差益を期待できますが、為替ヘッジありならば為替差益を得られません。
また、為替ヘッジにはコストが必要なこともデメリットで、日本と投資先の金利差が大きいほどコストが大きくなります。
- ・円安メリットを得られない
- ・コストが必要
為替ヘッジなしのメリット・デメリット
外貨建て金融商品の為替ヘッジなしのメリット・デメリットは、主に以下の通りです。
メリット
為替ヘッジなしの場合、投資開始後に円安が進むと、為替差益を得られます。
為替差益の大きさによっては、投資先の株価等の下落による損失をカバーできる可能性があります。
また、為替ヘッジのコストが不要な点もメリットです。
- ・円安メリットを得られる
- ・為替ヘッジのコストが不要
デメリット
投資開始後に円高が進むと、為替差損が生じます。
投資先の株価等が下落すると、二重の損失で損失額が大きくなる可能性があります。
また、投資開始前に、投資先の株式等と外国為替を同時に分析しなければなりません。
国内の株式投資等と比べて、負担が大きいと考えられます。
- ・円高が進むと損失を計上する可能性
- ・投資先と外国為替の両方を分析する必要
為替ヘッジに関するQ&A
外貨建て金融商品の為替ヘッジに関して、よくある質問は以下の通りです。
- ・初心者は為替ヘッジありとなしのどちらがいいですか?
- ・為替ヘッジありで円安だとどうなりますか?
- ・為替ヘッジありで円高だとどうなりますか?
初心者は為替ヘッジありとなしのどちらがいいですか?
一般的には、外国為替の見通しやリスク許容度などを基にして、為替ヘッジのあり・なしを選ぶことが推奨されます。
以下は、選択の例です。
為替ヘッジの有無 | 選択の理由 |
---|---|
為替ヘッジなし | 投資開始後に、円安になると予想 |
円高で為替差損が生じても、損失を許容できる | |
為替ヘッジあり | 投資開始後に、円高が大きく進むと予想 |
投資開始後に、円高が大きく進むと予想 | |
為替レートを考慮の対象外にしたい |
初心者で為替レートを考慮の対象外にしたい場合は、為替ヘッジありが望ましいと考えられます。
為替ヘッジありで円安だとどうなりますか?
為替ヘッジありで円安が進んでも、そのメリットを受け取れません。
一般的に、外貨を買ってから円安が進んだ場合、円転すれば為替差益を得られます。
しかし、為替ヘッジとは為替変動の影響を抑える取引なので、円安メリットを放棄することになります。
為替ヘッジありで円高だとどうなりますか?
為替ヘッジありで円高が進む場合、為替差損を抑えられます。
ただし、円高があまり進まない場合、為替ヘッジのコストよりも為替差損のほうが小さくなる可能性があります。
この場合は、為替ヘッジを使わないほうが有利だといえます。
【まとめ】為替ヘッジとは|初心者向けにあり・なしの違いなどをわかりやすく解説
為替ヘッジとは為替変動リスクを回避する手段で、為替レート変動による海外資産の価値の減少を抑えられます。
為替ヘッジを使う場合、為替レート変動について過度に考える必要がなくなります。
その一方、為替差益を得られなくなるのがデメリットです。
海外への投資開始後の外国為替の見通しを踏まえて、為替ヘッジのあり・なしを選択することが推奨されます。
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