株式の基礎

償還とは|意味・仕組み・注意点などをわかりやすく解説


償還とは、主に債券や投資信託において、満期日を迎えたり運用期間が終了した際に、お金(額面金額、信託財産)が投資家に返還されることを指します。

本記事では、償還の意味や仕組み、注意点などをわかりやすく解説します。

償還とは

まずは、償還の意味と、関連用語の償還金について解説します。

意味

債券や投資信託などで満期日を迎えたり運用期間が終了すると、投資家に対してお金(額面金額、信託財産)が返還されます。

これを「償還(しょうかん)」と呼びます。

償還される日のことを「償還日」または「満期日」と呼びます。

償還金とは

償還日に投資家が受け取るお金のことを償還金と呼びます。

債券と投資信託では意味が異なるので、それぞれ解説していきます。

・債券

債券の償還金は通常、額面金額で支払われます。

ただし、実際の購入価格は市場価格によって異なるため、額面より高く購入した場合は償還時に損失が出る可能性もあります。

・投資信託

投資信託が償還日を迎えた場合、保有している口数に応じてお金が支払われます。

償還金の額は、償還日の基準価額×保有口数で計算されます。

債券における償還の仕組み

債券における満期償還と、繰上償還について解説します。

満期償還

満期償還は、決められた償還日を迎え、元本が返済されることです。

債券は、発行体が破綻しなければ、原則として額面金額で償還されます。

ただし、市場での購入価格が額面と異なる場合があるため、償還時の損益は投資時の取得価格によって変動します。

なお、債券の取引日から償還日までの期間を「残存期間」と呼びます。

繰上償還

繰上償還は、償還日より前に償還されることを指します。

基本的に償還日に額面金額が支払われますが、発行体の都合によって発行額の一部または全額が償還日の前に償還される場合があります。

繰上償還が行われた場合、予定していた利金が受け取れなくなり、想定よりも利回りが低下する可能性が高まります。

投資信託における償還の仕組み

投資信託における満期償還と、繰上償還について解説します。

満期償還

満期償還は、投資信託が償還日を迎えたことによる償還です。

運用期間が決まっている投資信託は、その期間が終了したらお金が返済されます。

運用期間は目論見書に記載されています。

なお、償還日が設定されていない無期限の投資信託もあります(目論見書の確認が必要です)。

また、償還日が決まっている投資信託でも、運用期間が延長される場合もあります。

延長には、運用会社からの通知や受益者への説明が行われ、変更内容は目論見書や運用報告書で案内されます。

繰上償還

繰上償還は、運用期間の途中で運用を終了したことによる償還です。

投資信託は、基本的に満期まで運用することを目的としていますが、運用資産の減少によって運用が困難になるなどの理由で、ファンドが信託期間を繰り上げる場合があります。

運用期間の途中で運用が終了しても償還金は支払われますが、長期での保有を目的としている場合は、投資効率が悪くなるデメリットがあります。

また、運用期間が無期限であっても、運用状況などによっては途中で償還されることもあります。

繰上償還の基準は目論見書に記載があります。

なお、投資信託には、償還とは別に、運用期間中に投資家自身の判断で解約(換金)できる場合もあります。

これは「追加型(オープン型)投資信託」でよく見られ、途中で売却して現金化する行為は「解約」と呼ばれます。

償還に関する注意点

債券や投資信託の償還について、主に以下の2点に注意が必要です。

  • ・償還価格が変動する可能性がある
  • ・意図しないタイミングで償還されることがある

償還価格が変動する可能性がある

債券は償還価格があらかじめ決まっており、発行体が破綻しない限り、購入時の額面金額が償還されます。

ただし、発行体が債務不履行になれば、償還を受けられないリスクがあります

一方、投資信託の償還価格は、あらかじめ決まっているわけではなく、償還日時点の基準価額によって決まるため、購入時よりも基準価格が上回っていれば利益になり、下回っていれば損失となります。

償還のタイミングによっては、元本割れが起こる可能性があります。

なお、外貨建て債券だと為替レートの変動が償還価格に影響し、購入時よりも円安であれば利益になり、円高になれば損失となります。

意図しないタイミングで償還されることがある

債券や投資信託は、基本的に満期までの運用が前提ですが、投資信託を運用するファンドや債券の発行者の判断で、満期を迎える前に償還される可能性があります。

繰上償還になれば、想定していた利益を受け取れない可能性が高まります。

繰上償還が決定された場合は、一定の通知期間をもって投資家に案内されます(通常1か月程度)。

一方で、投資信託や債券は償還期間が延長される場合もあります。

【まとめ】償還とは|意味・仕組み・注意点などをわかりやすく解説

償還とは、債券や投資信託において、満期日を迎えたり運用期間が終了した際に、お金(額面金額、信託財産)が投資家に返還されることを指します。

償還される日のことを「償還日」や「満期日」といい、債券では基本的に額面価格、投資信託では償還日の基準価額×保有口数にあたるお金が戻ってきます。

償還金は、償還価格が変動する可能性や、意図しないタイミングで償還されることもあり、注意が必要です。

リスクを減らすためにも、目論見書や契約書などで確認することが大切です。

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