原油・石油の基礎

OPEC(石油輸出国機構)とは|役割や原油価格へ与える影響などをわかりやすく解説


OPEC(石油輸出国機構)とは産油国で構成される国際機関で、加盟国の原油政策の調整などを目的としています。

2016年にはOPECプラスという枠組みが形成され、世界の原油価格に影響を与えています。

本記事では、OPEC(石油輸出国機構)の意味、特徴、よくある質問などを解説します。

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OPEC(石油輸出国機構)とは

OPEC(石油輸出国機構)の目的や主な機関などについて解説します。

  • ・設立の背景と目的
  • ・主な機関と役割
  • ・OPECプラスとは

設立の背景と目的

第二次世界大戦後、アラブ諸国の原油は石油メジャー(巨大石油企業複合体)によって生産されており、石油メジャーは産油国の意向に沿わない形で原油価格を引き下げました。

これに対して、産油国は自身の利益を守るために結束し、1960年にOPEC(石油輸出国機構)が設立されました。

設立目的は主に3点で、「加盟国の原油政策の調整」「効率的かつ安定的な原油供給」「産油国に安定的な利益をもたらす」ことです。

主な機関と役割

OPEC(石油輸出国機構)は主要3機関で構成されています。

  • ・総会
  • ・理事会
  • ・事務局

総会

総会はOPEC(石油輸出国機構)の最高意思決定機関で、加盟国の代表者で構成されます。

加盟国は1票の投票権を持ち、議事手続きに関する事項を除いて全会一致で方針を決定します。

総会で決定する内容は、OPECの政策や実施方法など多岐にわたります。

理事会

理事会は、事務局の活動を監督し、調査報告書や予算案の検討などを行う調整機関です。

役員は総会で承認された理事で構成されます。

事務局

事務局はOPEC(石油輸出国機構)の事務全般を所掌し、事務局長とスタッフで構成されます。

事務局には、調査研究部門等が設置されています。

OPECプラスとは

2014年からの原油価格下落を受け、OPEC(石油輸出国機構)と非加盟産油国が2016年12月に協調減産に合意し、「OPECプラス(OPEC+)」と呼ばれる枠組みが形成されました。

設立時のOPECプラスには、ロシア、メキシコなど10か国が参加しています。

OPEC(石油輸出国機構)の加盟国一覧

2025年5月時点のOPEC(石油輸出国機構)の加盟国一覧は以下の通りです。

原加盟国(5か国) イラク、イラン、クウェート、サウジアラビア、ベネズエラ
その他の加盟国(7か国) アラブ首長国連邦、アルジェリア、ガボン、コンゴ共和国、赤道ギニア、ナイジェリア、リビア
OPECプラス加盟国(OPEC加盟12か国に加えて11か国) アゼルバイジャン、オマーン、カザフスタン、スーダン、バーレーン、ブラジル、ブルネイ、マレーシア、南スーダン、メキシコ、ロシア

なお、一部の国では、脱退または一時的離脱などのケースがあります。

最新情報はOPEC公式ページをご確認ください。

OPEC(石油輸出国機構)が与える影響

OPEC(石油輸出国機構)が与える影響について解説します。

  • ・原油価格への影響
  • ・日本への影響

原油価格への影響

OPEC(石油輸出国機構)加盟国の原油生産量は世界全体の一定割合を占めており、その価格政策が原油全体の価格動向に影響します。

各国の石油産出量のシェア(2023年)は以下の通りです。

国名 シェア OPEC加盟国
米国 22%
サウジアラビア 11%
ロシア 11% ※OPECプラス
カナダ 6%
中国 5%
イラク 4%
ブラジル 4% ※OPECプラス
アラブ首長国連邦 4%
イラン 4%
クウェート 3%

データ引用元:米国エネルギー情報局

なお、OPEC(石油輸出国機構)全加盟国でのシェアは約30〜35%を占め、OPECプラス全体では約40〜45%に及びます(EIA 2023年推計ベース)。

日本への影響

日本はOPEC(石油輸出国機構)加盟国から多くの原油を輸入しており、OPECの動向は日本の景気等に大きく影響します。

OPEC_20250524

引用元:エネルギー白書

日本の原油輸入先は、輸入量が多い順にサウジアラビア、アラブ首長国連邦、クウェートであり、いずれもOPEC加盟国です。

この3か国で輸入量全体の82%以上を占めます。

OPEC(石油輸出国機構)に関するQ&A

OPEC(石油輸出国機構)に関するよくある質問は、主に以下の通りです。

  • ・原油のリアルタイムチャートはどこで見られますか?
  • ・OPECとOAPECの違いは何ですか?
  • ・OPECの読み方は何ですか?

原油のリアルタイムチャートはどこで見られますか?

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OPECとOAPECの違いは何ですか?

OPEC(石油輸出国機構)は地域を限定しない産油国の組織です。

一方、OAPEC(アラブ石油輸出国機構)は、アラブ地域の産油国組織です。

両機構に加盟している国は6か国で、OPECのみ、OAPECのみに加盟する国もあります(2025年5月時点)。

両機構に加盟 OPECのみに加盟 OAPECのみに加盟
アラブ首長国連邦 イラン エジプト
アルジェリア ガボン カタール
イラク コンゴ共和国 シリア
クウェート 赤道ギニア チュニジア
サウジアラビア ナイジェリア バーレーン
リビア ベネズエラ

なお、一部の国では、脱退または一時的離脱などのケースがあります。

最新情報はOPEC公式ページをご確認ください。

OPECの読み方は何ですか?

OPECの読み方は「オペック」です。

OPEC(石油輸出国機構)プラスは「オペックプラス」と読みます。

【まとめ】OPEC(石油輸出国機構)とは|役割や原油価格へ与える影響などをわかりやすく解説

OPEC(石油輸出国機構)とは、産油国で構成される国際機関で、安定的な原油供給や産油国に安定的な利益をもたらすことを目的としています。

日本の原油輸入先はOPEC加盟国が多数であり、その動向は日本の景気に影響を及ぼします。

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