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リセッションとは|意味・原因・事例などをわかりやすく解説


リセッションとは、景気の後退局面を意味する言葉で、好景気がピークを迎えてから徐々に悪化している時期を指します。

リセッション時は株価が下落しやすいため、多くの投資家がリセッションがいつ起きるのかに注目しています。

本記事では、初心者向けにリセッションの意味や原因、事例などをわかりやすく解説します。

リセッションとは

まずはリセッションとは何か、どのような基準で判断されているかを解説します。

  • ・意味
  • ・判断基準

意味

景気は波のように拡大と縮小を繰り返しています。

景気の拡大がピークに達したときを景気の山、逆に景気の悪化がピークに達したときを景気の谷と呼びます。

リセッションは、景気の拡大がピークに達したところから景気の谷に向かっている局面を意味します。

リセッション時には、時間が経つにつれて景気の悪化が進んでいきます。

ただし、ずっと悪化し続けるわけではなく、政府や中央銀行の対策によっては、早期に底打ちして回復していくケースもあります。

判断基準

リセッションの判定は経済指標を基に判断されるのが一般的ですが、国ごとに判断基準が異なる点に注意が必要です。

日本の場合

日本におけるリセッションは内閣府の景気動向指数研究会を踏まえて判定されており、景気動向指数 のCI(composite index)が主要な参考指標の1つとされています。

一般的に、CI一致指数が上昇している時は景気の拡張局面、低下している時は後退局面です。

CI一致指数の動きと景気の転換点はおおむね一致するとされています。

米国の場合

一方、米国では全米経済研究所(NBER)がリセッションを判断します。

雇用状況や所得などさまざまな指標を基に判断されますが、1つの目安として、実質GDPが2四半期連続でマイナスになると、景気が後退している目安です。

ただし、GDPが2四半期連続でマイナスだからといって、必ずしもリセッションと認定されるわけではありません(NBERの判断基準には複数の指標が含まれます)。

また、欧州でもGDPが1つの目安とされ、GDPが2四半期連続でマイナスを記録すると、リセッション入りのサインとして考えられます。

リセッションの主な原因

リセッション入りする主な原因として、以下の3つが挙げられます。

  • ・景気サイクル(循環)
  • ・金利の変動
  • ・経済ショック

景気サイクル(循環)

景気は常に一定ではなく、良くなる→悪くなる→良くなる→悪くなるの循環を繰り返します。

景気循環が起こる理由として、需要と供給のバランスが崩れることが挙げられます。

景気が良いと、消費者の購買意欲は増し、企業は供給を増やすべく雇用や設備投資を拡大させますが、需要が永遠に増え続けることはなく、供給とのバランスが崩れた際に企業の利益は減少し、事業縮小や雇用削減が行われます。

すると、労働者の収入や購買意欲が減少し、他の企業の商品やサービスの売上も減少していくという動きが経済全体に広がり、景気が後退します(リセッション)。

一方で、景気の悪化も永続することはなく、政府や中央銀行による景気対策で徐々に需要が拡大し、再び景気が拡大していく流れになります。

なお、景気のサイクルには以下のようなさまざまな学説があります(あくまでも理論的な周期モデルであり、現実の景気と一致しないこともあります)。

景気循環 循環期間 内容
キチンサイクル 約40か月ごとに循環 企業の在庫が増減する動きが景気に影響を与える
ジュグラーサイクル 約10年ごとに循環 企業の設備投資の需要が景気に影響を与える
クズネッツサイクル 約20年ごとに循環 建築物の建替え需要が景気に影響を与える
コンドラチェフサイクル 約50年ごとに循環 技術革新による需要が景気に影響を与える

金利の変動

金融政策の変更もリセッションの原因になると考えられます。

景気の拡大は必ずしも良いことばかりではなく、需要が高まることで物価が上昇し、インフレ傾向が強まると国民生活を圧迫します。

中央銀行は、物価上昇を抑えるために政策金利を引き上げます。

政策金利が引き上げられると、企業や消費者は借り入れを控えて設備投資や購買意欲が低下し、その結果、企業の売上の減少や消費低迷が広がっていき、リセッションになる可能性があります。

経済ショック

特定の国で経済が急速に悪化した場合、連鎖的に世界規模でのリセッションが起きてしまうケースもあります。

主な事例として、2008年のリーマンショック、2020年のコロナショックがあります。

リーマンショックでは米国のリーマン・ブラザーズが破綻したことをきっかけに、日本や欧州など世界中の景気が悪化しました。

2020年のコロナショックでは、新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるために人やモノの移動が制限されたことによって、発生源の中国だけでなく、世界的な経済危機となりました。

直接関係のない国であっても、輸出入の停滞などを通じて企業の利益や雇用の悪化につながり、リセッションになる場合もあります。

リセッションの事例

リセッションの事例について解説していきます。

  • ・【2008年】リーマンショック
  • ・【2020年】コロナショック

【2008年】リーマンショック

リーマンショックは、信用力の低い人向けの住宅ローンであるサブプライムローンの市況悪化により、投資銀行のリーマン・ブラザーズの経営破綻をはじめ、銀行や投資会社などの金融関係を中心に大きな損失を被り、連鎖的に世界的な不況をもたらした出来事です。

この時期のNYダウ日経平均株価のチャートを比較します。

・NYダウ

リーマンショック時のNYダウ
出典:TradingView

2007年後半から下落トレンドに入っていましたが、リーマンショックが発生した2008年9月からは勢いよく下落しています。

この時期は米国のGDPも大きく落ち込み、明確にリセッションに突入していたといえます。

その後、2009年前半以降は反転上昇しています。

米国政府は緊急経済安定化法などリーマンショックへの対策を打ち出し、景気は徐々に回復していきました。

・日経平均株価

リーマンショック時の日経平均株価
出典:TradingView

日経平均株価も2008年9月からは勢いよく下落しています。

この時期の日本は製造業や輸出業を中心に企業の業績が悪化し、それに伴って雇用状況も悪くなりました。

米国のリセッションの影響を受け、日本もリセッション入りした形です。

【2020年】コロナショック

新型コロナウイルスの爆発的な感染拡大を防ぐために、人やモノの移動が制限されました。

この結果、需給バランスが大きく崩れ、多くの企業の業績が悪化しています。

雇用状況の悪化や所得の低迷などもあり、先進国・途上国を問わず、世界的なリセッションが起こりました。

・NYダウ

コロナショック時のNYダウ
出典:TradingView

コロナショックが起きた2020年2月から大きく下落しています。

この時期は米国でもロックダウンや大規模なレイオフなどにより、リセッションに突入していました。

一方で、政策金利をゼロ金利まで引き下げ、量的緩和を開始するなど、景気対策を打ち出しました。

その結果、2020年3月のNYダウは上昇へと転換しており、米国の景気も回復へと向かいました。

・日経平均株価

コロナショック時の日経平均株価
出典:TradingView

日経平均株価もコロナショックが起きた2020年2月に大きく下落しています。

日本でも財政出動などの景気対策や上場投資信託の購入枠拡大などを行いました。

2020年3月以降の日経平均株価もNYダウと同じく上昇へと転換しています。

リセッションに関するQ&A

リセッションに関して、よくある質問に回答します。

  • ・米国のリセッションはいつ起こりますか?
  • ・リセッションは何年続きますか?
  • ・リセッション入りしたら株価はどうなりますか?

米国のリセッションはいつ起こりますか?

米国に限らず、リセッションの発生時期や程度を事前に確実に把握することはできません。

しかし、経済指標を分析することにより、リセッションの発生の可能性を予測し、備えることは可能です。

米国における景気の山と谷の判定は、全米経済研究所(NBER:National Bureau of Economic Research)が実施しています。

NBERによると、直近のリセッションによる谷は2020年4月で、以降は拡大局面に入っています。

リセッションは何年続きますか?

リセッションは何年続くか、事前に見通すことはできません。

リセッション期間をできるだけ短くするために、政府や中央銀行は財政政策や金融政策を実行します。

リセッション入りしたら株価はどうなりますか?

リセッション入りすると、投資家は企業の業績悪化や景気後退を嫌気し、株価が下落しやすくなる傾向があります。

実際に、リーマンショックやコロナショックの影響でリセッション入りしたときには株価が大きく下落しました。

一方で、景気は循環するため、リセッション時の株価下落を絶好の購入タイミングと捉える投資家もいます。

【まとめ】リセッションとは|意味・原因・事例などをわかりやすく解説

リセッションとは、景気の後退局面を意味し、景気がピークを迎えてから、徐々に悪化している時期を指しています。

判断基準は各国によって異なるのが特徴です。

リセッション入りする原因には、景気のサイクル変動、政策金利などの金融政策、経済ショックなどの影響があります。

一方で、景気の落ち込みは永続するわけではなく、ピークを迎えると今度は徐々に改善していきます。

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