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耐久財受注とは|重要性やマーケットへ与える影響などを詳しく解説


耐久財受注は、企業が受け取った耐久財の新規注文を表した指標で、米国内の設備投資の先行指標として注目されています。

耐久財とは、自動車や家具、飛行機、電化製品、機械など、長期間にわたって使用できる製品のことです。

米国国勢調査局(United States Census Bureau)が毎月発表しています。

本記事では、耐久財受注の重要性や、マーケットへの影響などについて詳しく解説します。

耐久財受注とは

まずは耐久財受注とはどのような指標なのかを解説します。

  • ・耐久財受注の内容
  • ・耐久財受注の公開日

耐久財受注の内容

耐久財受注とは、耐久財の新規受注がどのくらいあったのかを表した指標で、米国では米国国勢調査局が発表しています。

耐久財とは、自動車や家具、飛行機、電化製品、機械など、長期間にわたって使用できる製品を指します。

耐久財受注には総合指数と、航空機などの輸送機器を除いたコア指数、非国防資本財(航空機を除く)などがあります。

総合指数 全ての耐久財の受注額を表した数値。単価の大きい輸送機器や防衛関連を含んでいるため変動幅が大きい。
コア指数(輸送機器を除く) 航空機などの輸送機器を除いた耐久財の受注額を表した数値。変動幅が少ないことから、特に設備投資の動向を判断するために注目される。
非国防資本財(航空機を除く) 国防総省による受注額を除いた耐久財の数値。GDPの設備投資を推計する際に、非国防資本財の出荷額が利用される。設備投資の先行指標として注目される。

なお、出荷、受注残、在庫などの関連データも同時に発表されますが、それらは別の項目として扱われます。

耐久財受注の公開日

米国の耐久財受注は、各月の下旬に前月の速報値が発表されます。

発表時間は日本時間22時30分(夏時間は21時30分)です。

以下は、2025年後半の米耐久財受注速報値のスケジュールです(時間は日本時間)。

統計対象月 発表日時
2025年7月 8月26日(21:30)
2025年8月 9月25日(21:30)
2025年9月 10月27日(21:30)
2025年10月 11月26日(22:30)
2025年11月 12月24日(22:30)

確報値は、各月の上旬に前々月分が発表されます。

例えば、2025年2月分の耐久財受注であれば、速報値が3月の下旬、確報値が4月の上旬に発表されるという流れです。

なお、確報値の発表時間は速報値とは異なり、日本時間の24時(夏時間は23時)です。

耐久財受注がマーケットへ与える影響

耐久財受注は米国の経済状況を測る指標の1つで、特に米国企業の設備投資意欲を測る先行指標として注目されます。

耐久財は比較的高額な製品が多く、企業が使用する機械や設備なども含まれているため、受注の増減から設備投資意欲を把握でき、それに伴って米国の景気が良いか悪いかを測れるということです。

耐久財受注が前月比で増加している場合や、市場予想を上回る結果となれば、米国経済が堅調と受け止められやすく、株価の上昇や米ドルの買い材料になることがあります。

反対に、予想を下回った場合は景気減速の懸念から、株安やドル売りにつながることがあります。

耐久財受注の見方

耐久財受注をどのように見ていけばいいのか、マーケットに影響を与えた過去の事例について解説します。

  • ・見方
  • ・過去の反応例

見方

耐久財受注を見る際は、数値が増加しているか減少しているかに注目します。

前回よりも数値が良ければ、企業の設備投資意欲や生産需要などが拡大していると考えられ、米国経済が堅調だと判断されます。

前回よりも数値が悪ければ、企業の設備投資意欲や生産需要などが低下しており、米国経済が減速しつつあると判断されます。

耐久財受注の推移_20250720

>国別経済指標

直近の推移を見ると、2025年6月26日に発表された5月耐久財受注は前月比で+16.4%と大きく上昇しています。

ただし、これは総合指数であり、輸送機器の受注が伸びたことが要因とされています。

一方のコア指数は予想の0.1%に対して0.5%と伸びてはいますが、総合指数と比較すると伸び悩んだと見られています。

前月との比較だけでなく、過去からの推移を確認したり、総合指数とコア指数を比較すると、より効果的です。

過去の反応例

耐久財受注の結果によって相場が動いた過去の事例を紹介します。

耐久財受注の過去_20250720

出典:TradingView

2025年6月26日21時30分に発表された5月耐久財受注が、前月比で16.4%と大きく増加しました。

また、輸送機器を除いたコア指数も市場予想の0.1%に対して結果が0.5%と予想を上回りました。

この時の米ドル/円は5分間で約30pips上昇しました。

耐久財受注が市場予想から大きく乖離すると、為替に影響を及ぼす可能性があるため、注意が必要です。

耐久財受注に関するQ&A

耐久財受注に関する、よくある質問に回答します。

  • ・耐久財受注はどこで確認できますか?
  • ・コア耐久財受注とは何ですか?
  • ・耐久財受注が高いとどうなりますか?

耐久財受注はどこで確認できますか?

詳細については米国国勢調査局のホームページで確認できます。

また、証券会社やFX会社などが提供している経済指標カレンダーで発表日時や結果を確認可能です。

OANDA証券では、「国別経済指標」のリンクより、米国の耐久財受注を含む各国の経済指標を確認できます。

コア耐久財受注とは何ですか?

一般的に、コア耐久財という言葉が用いられる場合、航空機などの輸送機器を除いた耐久財の新規受注額を表します。

輸送機器は単価が非常に高く、月ごとの変動が大きくなるため、除外した方が企業の基礎的な設備投資動向をより正確に判断できると考えられます。

なお、設備投資の先行指標として最も注目されるのは、資本財のうち国防総省による受注額を除いた「非国防資本財(航空機を除く)」の受注とされています。

耐久財受注が高いとどうなりますか?

耐久財受注が高いと、米国経済が堅調と判断され、株価の上昇や米ドルの買い材料につながると考えられます。

特に予想を大きく上回っていた場合は、相場が動きやすくなります。

耐久財受注が低い場合は、その逆の動きが生じると考えられます。

【まとめ】耐久財受注とは|重要性やマーケットへ与える影響などを詳しく解説

耐久財受注とは、自動車や家具、飛行機、電化製品、機械などの耐久財の新規受注額がどのくらいあったのかを表した指標で、設備投資の先行指標として注目されます。

米国国勢調査局が公表しており、各月の下旬に前月の速報値、上旬に前々月分の確報値が発表されます。

総合指数と、輸送機器を除いたコア指数があり、変動幅が少ないコア指数の方が注目される傾向があります。

OANDA証券では、耐久財受注をはじめ投資に関わる基礎的な用語を、初心者の方向けにわかりやすく解説するコンテンツを提供しています。

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