ブレイクアウトとは|FXにおける意味・手法・注意点などを詳しく解説
ブレイクアウトとは、相場において重要な水準であるレジスタンスライン(抵抗線)やサポートライン(支持線)、直近の高値・安値の突破を契機に、その方向への値動きが加速することです。
ブレイクアウトを狙うことで、短期的な値動きの勢いに乗りやすくなるため、FXにおいて効率的なトレード戦略の1つとして活用されます。
本記事では、ブレイクアウトの意味や基本手法、注意点などをわかりやすく解説します。
目次
- 1.ブレイクアウトとは
- 2.ブレイクアウトの基本的な取引手法
- 3.ブレイクアウトで活用できるインジケーター
- 4.ブレイクアウトのメリット・デメリット
- 5.ブレイクアウトのトレードアイデア一覧
- 6.ブレイクアウトに関するQ&A
- 7.【まとめ】ブレイクアウトとは|FXにおける意味・手法・注意点などを詳しく解説
ブレイクアウトとは
FXにおけるブレイクアウトの意味と仕組みについて解説します。
- ・FXにおける意味
- ・ブレイクアウトの仕組み
FXにおける意味
ブレイクアウトとは、価格が重要な水準を超えたタイミングで、相場が急速に動き出す現象を指します。
FXでは、何度も反発しているレジスタンスライン(抵抗線)やサポートライン(支持線)、あるいは直近の高値・安値を突破した際に、その方向への値動きが急激に加速することがあります。
この値動きは、相場に新たなトレンドが発生するサインとして広く知られています。
ブレイクアウトを捉えることで、短期的なトレードチャンスを効率よく狙えます。
ブレイクアウトの仕組み
ブレイクアウトが発生する背景には、相場参加者の注文や心理が大きく関係しています。
相場で多くの参加者が意識する価格水準には、新規の売買注文だけでなく、既存ポジションの利益確定や損切りの注文も集中します。
こうした注文の蓄積が、相場を一方向に押し動かす原動力となり、大きなトレンド形成につながる場合があります。
特に、ブレイクアウトまでの期間が長いほど、相場参加者の注文や思惑が積み重なりやすくなります。
その結果、価格が重要な水準を突破した瞬間に値動きが一気に加速し、大きなトレンドが生まれる可能性があります。
ブレイクアウトの基本的な取引手法
ブレイクアウトを狙う際は、価格が重要な水準を突破したタイミングで、その方向に沿ってポジションを保有する手法が基本です。
例えば、何度も上値を押さえているレジスタンスライン(抵抗線)を明確に上抜けたところで、買いポジションを持ちます。
出典:TradingView
あるいは、何度も下値を支えているサポートライン(支持線)を下抜けたところで、売りポジションを保有します。
出典:TradingView
このように、ブレイクアウト後の一方向への値動きを狙ったトレード戦略を「ブレイクアウト手法」と呼びます。
この手法は、トレンドの初期段階を捉えられるため、大きな利益を狙える可能性があります。
ブレイクアウトで活用できるインジケーター
ここでは、MT4/MT5に搭載されたブレイクアウトで活用できるインジケーターを3つ紹介します。
- ・ZigZag
- ・OANDA_Support_Resistance
- ・OANDA_Order_Book_JP
ZigZag
ZigZagは、主要な高値・安値を結んだジグザグの波動が描かれるインジケーターです。
直近の高値・安値の水準がわかりやすいことに加えて、過去の主要な高値・安値も把握できることが利点です。
高値や安値が重複する水準は、サポートやレジスタンスとして機能してきたことを意味し、市場参加者に意識されやすいポイントとなります。
そのため、ブレイクアウトを狙う1つの材料となります。
出典:MT5
OANDA_Support_Resistance
OANDA_Support_Resistanceは、主要なレジスタンスライン・サポートラインに水平線を描画するオリジナルインジケーターです。
短期、中期、長期時間軸のレジスタンスライン・サポートラインを、線の太さで表します(上位時間軸ほど線が太い)。
特に長期時間軸のラインが重なる水準は、市場参加者から注目されると考えられ、ブレイクアウトを狙う要所となります。
出典:MT5
なお、このインジケーターはOANDA証券オリジナルのものです。
「MT4/MT5のおすすめインジケーターライブラリ」からダウンロードできます。
OANDA_Order_Book_JP
OANDA_Order_Book_JPは、OANDA証券の顧客のオーダー状況を視覚化したオリジナルインジケーターです。
すでにオーダーされている指値・逆指値注文の水準や、そのボリュームが視覚的にわかります。
特に注目されるのは損切り注文で、下画像の赤枠(現在値よりも上の緑バー)は「売りポジション保有者の買い」、青枠(現在値より下のオレンジバー)は「買いポジション保有者の売り」が多数発注されていると考えられます。
この損切りを巻き込む形でブレイクアウトが発生すると、その方向へトレンドが発生する期待が持てます。
出典:MT5
なお、このインジケーターはOANDA証券オリジナルのものです。
「MT4/MT5のおすすめインジケーターライブラリ」からダウンロードできます。
ブレイクアウトのメリット・デメリット
ブレイクアウトには多くの利点がありますが、一方で注意すべきデメリットもあります。
- ・ブレイクアウトのメリット
- ・ブレイクアウトのデメリット
ブレイクアウトのメリット
ブレイクアウト手法の主なメリットは以下の通りです。
- ・トレンドの初動を捉えられる
重要な価格水準をブレイクアウトしたタイミングでエントリーすることで、トレンドの初動を捉えやすくなります。
また、トレンドの初期段階でのエントリーは、より大きな値幅を狙うチャンスにもつながります。
- ・エントリーポイントが明確
ブレイクアウト手法では、レジスタンスライン(抵抗線)やサポートライン(支持線)、直近の高値・安値を突破したタイミングが明確なエントリーポイントになります。
判断基準がシンプルで、初心者でも比較的取引しやすい点が特徴です。
- ・リスク管理がしやすい
ブレイクアウト手法は、エントリーポイントだけでなく、損切りポイントも設定しやすいところが利点です。
価格がブレイクした方向とは逆に動いた場合、当初の想定が崩れたと判断して早めに損切りを行うことで、大きな損失を回避できます。
また、取引開始前にリスクとリターンの比率を把握できるため、計画的な取引が可能です。
ブレイクアウトのデメリット
ブレイクアウト手法には、以下のようなデメリットがあります。
- ・ダマシに遭う可能性がある
ブレイクアウト手法では、価格が重要な水準を突破した直後にすぐに元の水準に戻ってしまう「ダマシ」が発生する可能性があります。
その場合、ブレイク方向にエントリーしても損失を被るリスクがあります。
- ・エントリーが遅れる場合がある
ブレイクアウトを確認してからエントリーする場合、相場の動きが速いと最適なタイミングを逃し、不利な価格でポジションを持つ可能性があります。
特に急騰や急落が発生すると、エントリーの遅れにより想定していた利益幅が縮小したり、損失につながることもあるので注意が必要です。
- ・利益確定タイミングが難しい
ブレイクアウト後の値動きは急で予測が難しく、適切な利食いポイントを見極めることは簡単ではありません。
勢いに任せてポジションを保有すると、利益確定のタイミングを見誤り、利益が減少したり、反転によって利益を取り損ねたりするリスクがあります。
ブレイクアウトのトレードアイデア一覧
OANDA証券では、ブレイクアウトを利用したトレードアイデアの解説記事を多数公開しています。
・ダウ理論を活用したブレイクアウト ・OANDA証券のオリジナルインジケーターを活用したブレイクアウト- OANDA_Multi_CCIを利用したトレードアイデア
- OANDA_Multi_BB_Trailstopを利用したトレードアイデア
- 「OANDA_Multi_MA」を利用したトレードアイデア
- OANDA_Regression_Channelを利用したトレードアイデア
- OANDA_Indiceis_ROCを利用したトレードアイデア
- OANDA_Multi_MACDを利用したトレードアイデア
- OANDA_Multi_Stochasticを利用したトレードアイデア
- OANDA_Multi_Aroonを利用したトレードアイデア 「OANDA_MA_PO_Monitor」を利用した順張りのトレード手法
- 「OANDA_Round_Number」を利用した順張りのトレード手法 「OANDA_Multi_ATR_Stop_Level」を用いた順張りのトレード手法
- 「OANDA_Market_Profile」を利用したトレードアイデア 「OANDA_BB_width」を利用した順張りのトレードアイデア ・株価指数でのブレイクアウト
- US500(米国500株価指数)でストキャスティクスを利用したブレイクアウトのトレード手法/li>
- US100(米国100株価指数)で平均足とATRを活用するブレイクアウトのトレードアイデア
- US30(米国ウォールストリート株価指数30)で移動平均線とADXを用いたブレイクアウトのトレードアイデア
- JP225(日本株価指数225)で朝の高値/安値ブレイクアウトを狙うトレードアイデア
- ・ブレイクアウトのダマシを回避する方法はありますか?
- ・フォールス・ブレイクアウトとは何ですか?
- ・リターンムーブとは何ですか?
ブレイクアウトに関するQ&A
ブレイクアウトに関するよくある質問は、主に以下の通りです。
ブレイクアウトのダマシを回避する方法はありますか?
ダマシを完全に避けることはできませんが、リスクを減らす方法はあります。
例えば、ブレイクアウトしてもすぐにエントリーせず様子を見る、上位足のトレンドを確認してその方向にエントリーする、値動きの変動幅や勢いを確認できるボリンジャーバンドやATRなどのテクニカル指標を活用する、といった工夫が有効です。
フォールス・ブレイクアウトとは何ですか?
フォールス・ブレイクアウト(False Breakout)とは、価格がブレイクアウトしたように見えてもその動きが継続せず、元の水準に戻ってしまう現象のことです。
日本語で一般的に「ダマシ」や「偽のブレイクアウト」とも呼ばれます。
フォールス・ブレイクアウトについては、以下の記事で詳しく解説しています。
>フォールス・ブレイクアウトとは?プライスアクションの基礎知識
リターンムーブとは何ですか?
リターンムーブ(Return Move)とは、重要な水準をブレイクアウトした後、再びその付近まで価格が戻ってくる動きのことです。
この動きは、ブレイクアウトの真偽を見極める重要なサインとなります。
ダマシにならずにトレンドへ回帰する場合は優位性が高まり、エントリーのタイミングとして活用できます。
ブレイクアウト直後に慌ててエントリーせず、リターンムーブを確認してからエントリーする戦略も効果的です。
【まとめ】ブレイクアウトとは|FXにおける意味・手法・注意点などを詳しく解説
ブレイクアウトとは、価格がレジスタンスライン(抵抗線)やサポートライン(支持線)、直近の高値・安値といった重要な水準を突破し、その方向に値動きが進む現象のことです。
これは新たなトレンドが発生する可能性を示す強力なサインであり、トレンドの初動を捉えられるという大きなメリットがあります。
その一方で、価格がすぐに元の水準に戻ってしまうダマシのリスクや、エントリーのタイミングが遅れるといったデメリットもあるため、トレードに活用する際は注意が必要です。
OANDA証券では、ブレイクアウトをはじめ投資に関わる基礎的な用語を、初心者の方向けにわかりやすく解説するコンテンツを提供しています。
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