調整とは|相場での意味・トレンド転換との違い・目安をわかりやすく解説
調整とは、相場が大きく上昇・下落したあとに、一時的にその流れを休止し、価格を修正する動きを指します。
「トレンド転換」とは異なり、上昇トレンドや下落トレンドが続く前の小休止・押し戻しを意味します。
本記事では、相場における調整の意味やトレンド転換との違い、目安などをわかりやすく解説します。
目次
- 1.調整とは
- 2.調整とトレンド転換の違い
- 3.調整の目安
- 4.調整局面での押し目買いや戻り売り
- 5.調整に関するQ&A
- 6.【まとめ】調整とは|相場での意味・トレンド転換との違い・目安をわかりやすく解説
調整とは
調整の意味・定義に加え、価格調整と日柄調整について解説します。
- ・調整の意味・定義
- ・価格調整と日柄調整
調整の意味・定義
調整とは、相場が大きく上昇・下落したあとに、一時的にその流れを休止し、価格を修正する動き のことです。
出典:TradingView
「トレンド転換」とは異なり、上昇トレンドや下落トレンドが続く前の小休止や押し戻しを意味します。
調整が起こる背景には、投資家による利益確定や相場の過熱感の解消、需要と供給のバランス調整などがあります。
トレンドの途中で現れる一時的な動きとして理解すると、チャート分析や売買タイミングの判断に役立ちます。
価格調整と日柄調整
調整は、「価格調整(値幅調整)」と「日柄調整(時間調整)」の2つに分類されます。
価格調整(値幅調整)という場合、価格が一定幅下がる(上昇相場の場合)または上がる(下落相場の場合)ケースを指します。
後述する「半値戻し」とは、上昇または下落の動きに対して価格が半値(50%幅)戻ることで、調整の目安の1つとされます。
一方、日柄調整(時間調整)という場合、時間をかけてレンジ相場や三角保ち合いなどのチャートパターンが形成されるケースを指します。
なお、これらの調整を「修正(波)」と呼ぶ場合もあります。
調整とトレンド転換の違い
調整とトレンド転換は、トレンドの途中で起こる動きか、トレンド自体が変わる動きかによって区別されます。
調整は一時的にトレンドと逆行する動きで、その後トレンドが再開する可能性が高いです。
一方、トレンド転換はトレンド自体が終了し、反対方向へ大きく動くことを指します。
調整は「一時的な逆行」、トレンド転換は「根本的な方向転換」と捉えると、両者の違いがわかりやすくなります。
下図は、相場分析の代表的なアプローチであるダウ理論の概念図です。
上昇トレンドでは高値と安値が切り上げられ、その最中の下落が調整であり、図の①と②が該当します。
しかし、高値と安値の切り上げが終了すると、トレンド転換(③)とみなされます。
調整の目安
ここでは調整の目安と、それを分析するツールであるフィボナッチ・リトレースメントについて解説します。
- ・調整目安となる半値戻し(半値押し)
- ・調整の目安を推し量るフィボナッチ・リトレースメント
調整目安となる半値戻し(半値押し)
半値戻しとは、相場が大きく下落したあと、その下げ幅の半分程度を取り戻す(上昇する)動きのことです。
半値押しはその逆で、相場が大きく上昇したあと、その上げ幅の半分程度を打ち消す(下落する)動きのことを指します。
いずれも 「上げ下げした値幅の半分」を目安に相場の転換点を探る考え方です。
下落局面では「買いたいが、まだ不安」という心理から、下げの半分戻したところで売りが出やすく、上昇局面では「利益を確保したい」という心理から、上げの半分押したところで買いが入りやすい傾向があります。
このように、半値戻し(半値押し)は投資家心理の影響を受けると考えられ、相場環境次第では大きく崩れることもあるので注意が必要です。
調整の目安を推し量るフィボナッチ・リトレースメント
調整の目安を見極めるツールの1つに、フィボナッチ・リトレースメントがあります。
フィボナッチ・リトレースメントは、チャート上の任意の波動に対して起点と終点を指定すると、フィボナッチ比率(23.6%、38.2%、50%、61.8%など)に基づいたラインを自動的に描画してくれる分析ツールです。
特に意識されやすいのは、23.6%、38.2%、61.8%の水準で、50%は「半値戻し(半値押し)」と同じ意味を持つ比率として、相場分析の重要な節目とされています。
下図では、上昇波動に対して引かれたフィボナッチ・リトレースメントの50%ライン付近で下げ止まって反転上昇している様子が確認できます。
出典:TradingView
調整局面での押し目買いや戻り売り
調整局面では、押し目買いや戻り売りが狙えます。
上昇トレンドでは、調整で価格が一時的に下がる局面は押し目買いのチャンスです。
トレンドに沿って買いを仕掛けることで、価格の上昇が再開した際に利益が期待できます。
一方、下落トレンドでは、調整で価格が一時的に上がる局面は戻り売りのチャンスとなります。
トレンドに沿って売りを仕掛けることで、価格の下落が再開した際に利益を狙いやすいです。


いずれもトレンドに沿った取引を行うトレンドフォローの王道戦略です。
調整の目安としては、先に解説したフィボナッチ・リトレースメントのほか、トレンドライン、移動平均線、一目均衡表なども活用されます。
調整に関するQ&A
調整に関するよくある質問は、以下の通りです。
- ・調整が起こる主な要因は何ですか?
- ・調整局面で気をつけるリスクは何ですか?
- ・調整局面は英語では何と訳しますか?
調整が起こる主な要因は何ですか?
調整の主な要因としては、相場の過熱感や需給バランスの変化、経済指標やニュースの影響、そして市場の警戒感や投資家心理などが挙げられます。
これらの要因により、相場は短期的にトレンドとは逆方向へ動くことがあります。
調整は一時的な反動であり、最終的には元のトレンドに回帰することが多いです。
調整局面で気をつけるリスクは何ですか?
調整局面では、一時的に価格がトレンドと逆方向に動くため、短期的な値動きに惑わされやすいリスクがあります。
特に、トレンド転換と誤認して逆張りのポジションを取ってしまうと、大きな損失につながる可能性があります。
一時的な反動である「調整」と、方向性が根本的に変わる「トレンド転換」を混同しないように注意が必要です。
調整局面は英語では何と訳しますか?
調整局面は英語で「Correction」と訳されるのが一般的です。
また、文脈によっては「Pullback」や「Retracement」と表現される場合もあります。
これらはいずれも、トレンドの途中で価格が一時的に逆方向へ動く局面を指す言葉です。
【まとめ】調整とは|相場での意味・トレンド転換との違い・目安をわかりやすく解説
調整とは、相場が大きく上昇・下落したあとに、一時的にその流れを休止し、価格を修正する動きを指します。
これは一時的な価格の反動であり、トレンドの転換を意味するものではありません。
上昇トレンドにおける調整局面は押し目買いのタイミングに、下降トレンドにおける調整局面は戻り売りのタイミングに活用できます。
調整の目安としては、フィボナッチ・リトレースメントや移動平均線、トレンドライン、一目均衡表などのテクニカル指標を用いることで、価格の戻り幅や反発のタイミングを判断しやすくなります。
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