ペナントとは|FXにおける意味・見分け方・活用方法などをわかりやすく解説
ペナントとは、上昇または下降トレンドの継続を示唆するチャートパターンです。
三角旗のような形を描き、値動きが徐々に収束した後に、再びトレンド方向へ動き出すことが多い点が特徴です。
本記事では、ペナントの意味や見分け方、活用方法などをわかりやすく解説します。
目次
- 1.ペナントとは
- 2.ペナントの種類
- 3.ペナントに関する注意点
- 4.ペナントを活用したトレードアイデア
- 5.ペナントに関するQ&A
- 6.【まとめ】ペナントとは|FXにおける意味・見分け方・活用方法などをわかりやすく解説
ペナントとは
FXにおけるペナントとは、トレンド継続を示唆するチャートパターンの1つです。
上昇トレンドや下降トレンドの小休止局面で出現することが多く、価格が一定の範囲で徐々に収束していき三角旗のような形状を描く点が特徴です。
日本語で三角保ち合い(さんかくもちあい)とも呼ばれます。
出典:TradingView
ペナント形成後は、トレンド方向に再び大きく動き出す可能性が高いとされています。
そのため、ペナントはトレンド再開の目安となり、売買判断に役立てることができます。
ペナントの種類
ペナントには以下の2種類があります。
- ・上昇ペナント
- ・下降ペナント
上昇ペナント
上昇ペナントは、上昇トレンドが継続した後の小休止で見られるチャートパターンです。
高値を徐々に切り下げ、安値は切り上げながら、上値抵抗線(レジスタンスライン)と下値支持線(サポートライン)の間隔が次第に狭まっていく点が特徴です。上昇ペナントが形成された後、価格が上値抵抗線(レジスタンスライン)を上抜けると、上昇トレンドが継続しやすいとされます。
この上抜けを確認してから買いポジションを持つのが、上昇ペナントにおける典型的なエントリー方法です。
下降ペナント
下降ペナントは、下降トレンドが継続した後の小休止で見られるチャートパターンです。
上昇ペナントと同様に、高値は切り下げ、安値を切り上げながら、上値抵抗線(レジスタンスライン)と下値支持線(サポートライン)の間隔が徐々に狭まっていきます。
下降ペナントが形成された後、価格が下値支持線(サポートライン)を下抜けると、下降トレンドが継続しやすいとされます。
この下抜けを確認してから売りポジションを持つことが、下降ペナントにおける典型的なエントリー方法です。
ペナントに関する注意点
ペナントを用いたチャート分析やトレードでは、以下の点に注意する必要があります。
- ・ダマシに注意する
- ・他のチャートパターンと混同しない
- ・他の分析手法と併用する
ダマシに注意する
ペナント形成後、価格が上値抵抗線(レジスタンスライン)または下値支持線(サポートライン)をブレイクアウトしても、すぐに反転して逆方向に動く「ダマシ」が発生することがあります。
このダマシを避けるためには、ブレイクアウトしても安易にエントリーせず、値動きの方向性が明確になるまで様子を見ることが重要です。
他のチャートパターンと混同しない
ペナントは三角形の形状をしており、トライアングルやウェッジなどの似たチャートパターンと混同しやすいため、正しく見極めることが大切です。
誤認すると、ブレイクアウトの方向を誤って判断してしまい、損切りや含み損の拡大、利益の取り逃しなど、さまざまな不利な状況を招く可能性があります。
他の分析手法と併用する
ペナント単体での判断には限界があるため、他の分析手法と組み合わせることが重要です。
例えば、移動平均線やRSIなどのテクニカル指標を併用して現在のトレンドの強さや相場の過熱感を確認したり、トレンドラインや水平線を引いて過去の重要な価格水準を把握したりする方法があります。
複数の根拠を重ねることで、ブレイクアウトの信頼性を高め、エントリーや決済のタイミングをより正確に判断できる可能性があります。
ペナントを活用したトレードアイデア
ペナントとダウ理論を組み合わせた順張りのトレードアイデアを紹介します。
ダウ理論とは、相場の値動きを6つの基本法則に基づいて定義するチャート分析の理論です。
ペナントによるチャートパターン分析に、このダウ理論のトレンド判定を加えることで、より精度の高いエントリーが期待できます。
ここでは上昇トレンドで押し目買いを狙う手順を解説します。
手順はシンプルで、ダウ理論の上昇トレンドの条件(高値と安値をともに切り上げている)を満たし、価格が上昇ペナントの上値抵抗線(レジスタンスライン)をブレイクした地点(下図A)でエントリーします。
あるいは、上値抵抗線をブレイクした後、さらに上昇ペナント形成前の高値を更新した地点(下図B)でエントリーする方法もあります。
出典:TradingView
下落トレンドで戻り売りを狙う場合は逆の考え方です。
ダウ理論の下落トレンドの条件(高値と安値をともに切り下げている)を満たし、価格が下降ペナントの下値支持線(サポートライン)をブレイクした地点でエントリーします。
あるいは、下値支持線をブレイクした後、さらに下降ペナント形成前の安値を更新した地点でエントリーする方法もあります。
ペナントに関するQ&A
ペナントに関するよくある質問は、主に以下の通りです。
- ・ペナントとフラッグの違いは何ですか?
- ・ペナント以外のチャートパターンは?
- ・ペナントはどのくらいの期間で形成されますか?
ペナントとフラッグの違いは何ですか?
ペナントとフラッグは、どちらもトレンドの途中で一時的に現れるトレンド継続型のチャートパターンですが、その形状に違いがあります。
ペナントは高値と安値が次第に収束し、三角形のような形を描く一方で、フラッグは高値と安値がほぼ平行に推移し、長方形または平行四辺形のような旗(フラッグ)の形を形成します。
ペナント以外のチャートパターンは?
ペナント以外にも、相場分析でよく使われるチャートパターンは多数あります。
大きく分けると「反転型・継続型」の2種類で、前者はトレンドの転換、後者はトレンドの継続を示唆します。
代表的な反転型は、ダブルトップ・ダブルボトム、ヘッド&ショルダーズトップ(三尊天井)・ヘッド&ショルダーズボトム(逆三尊)などです。
一方、継続型としては、ペナントのほか、トライアングル、フラッグ、ウェッジなどが挙げられます。
チャートパターンについては以下の記事で詳しく解説しています。
チャートパターン(フォーメーション分析)とは|初心者向けに代表的な17種類を解説
ペナントはどのくらいの期間で形成されますか?
ペナントは長期で形成されるものと、短期で形成されるものに大別されます。
期間にすると、長期は1~3か月程度、短期は1~3週間程度で形成されるのが一般的です。
長期パターンは出現頻度が低い一方で、短期パターンは急な値動きの後の小休止のタイミングでしばしば現れます。
【まとめ】ペナントとは|FXにおける意味・見分け方・活用方法などをわかりやすく解説
FXにおけるペナントとは、トレンド継続の可能性を示すチャートパターンの1つです。
トレンドの一時的な調整局面で、上値と下値が徐々に収束していき三角旗のような形を描くことからペナントと呼ばれます。
ペナント形成後は、元のトレンド方向に再び大きく進みやすいとされています。
この特性を活用すれば、トレンドの流れに沿った取引がしやすくなります。
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