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英国中央銀行(イングランド銀行/BOE)とは|役割や金融政策をわかりやすく解説


英国中央銀行(イングランド銀行/BOE)とは英国の中央銀行で、日本における日本銀行に相当します。

1694年に設立され、世界で最も歴史ある中銀の1つに数えられます。

本記事では、英国中央銀行の役割やよくある質問などを解説します。

英国中央銀行(イングランド銀行/BOE)とは

英国中央銀行(イングランド銀行/BOE)は英国の中央銀行で、他の先進諸国等と同様に物価の安定や金融システムの維持などの業務を担当しています。

金融政策の策定に際して、英国中央銀行は政府から独立して決定する権限を有し、金融政策委員会(MPC)が政策金利などを決定します。

ただし、インフレ目標は政府と協議のうえ定められており、完全な独立ではなく「運営の独立性」が確保されているとされます。

また、紙幣の発行を担っており、イングランドで発行された紙幣がウェールズでも使用されています。

なお、スコットランドと北アイルランドでは、指定された民間銀行が独自に紙幣を発行していますが、英国中央銀行がその価値を裏付ける準備金制度があるため、実質的に中央銀行の管理下にあります。

英国中央銀行(イングランド銀行/BOE)の主な役割

英国中央銀行(イングランド銀行/BOE)の主な役割は以下の4つです。

  • ・安全な決済手段としての通貨の発行
  • ・中長期的な物価の安定
  • ・銀行など金融機関の健全性監督・規制
  • ・金融システムの安定化

4つのうち、中長期的な物価の安定について解説します。

中長期的な物価の安定

英国内の物価を安定させるために、英国中央銀行はインフレ目標を設定しています。

現在のインフレ目標は2%で、インフレーションの計測に用いられる経済指標は消費者物価指数(CPI)です。

CPIはおよそ700種の商品やサービスの価格調査を基にして毎月算出され、一般に公開されます。

インフレ率が高すぎる場合、英国中央銀行は政策金利を引き上げて経済活動を抑制します。

インフレ率が低すぎる場合には、政策金利を引き下げて経済活動を刺激します。

英国の政策金利はbank rate(一般的に政策金利と訳される)で、商業銀行が英国中央銀行から資金を借りる際に適用される金利です。

なお、インフレ率が1%を下回ったり3%を上回ったりした場合、英国中央銀行は財務大臣に対して書簡を提出する義務があります。

書簡には、インフレ目標を達成できなかった理由や、達成するための対策などが記載されます。

英国中央銀行(イングランド銀行/BOE)金融政策委員会開催日程(2025年・2026年)

2025年末から2026年にかけての金融政策委員会と政策金利発表の日程は以下の通りです。

英国の政策金利は金融政策委員会で決定され、委員会終了後に政策金利が発表されます。

月日 発表時刻
2025年 11月6日 21:00
12月18日 21:00
2026年 2月5日 21:00
3月19日 21:00
4月30日 20:00
6月18日 20:00
7月30日 20:00
9月17日 20:00
11月5日 21:00
12月17日 21:00

なお、英国は夏時間を採用しており、夏時間と標準時間で発表時刻が異なります(夏時間:毎年3月の最終日曜日から10月の最終日曜日まで)。

英国中央銀行(イングランド銀行/BOE)に関するQ&A

英国中央銀行(イングランド銀行/BOE)に関するよくある質問は、主に以下の通りです。

  • ・英国中央銀行とイングランド銀行は同じですか?
  • ・英国中央銀行の政策金利はどこで確認できますか?
  • ・英国中央銀行の政策金利発表は為替市場にどんな影響を与えますか?

英国中央銀行とイングランド銀行は同じですか?

英国中央銀行とイングランド銀行(Bank of England)は同じ意味で、イングランド銀行が正式名称です。

報道などでは英中銀と表現されることもあり、これも同じ意味です。

英国中央銀行の政策金利はどこで確認できますか?

20251025_英国中央銀行の政策金利

出典:英国中央銀行

英国中央銀行の政策金利は同銀行のホームページで確認できます。

グラフだけでなく、エクセル形式でのデータの取得も可能です。

また、OANDA証券の国別経済指標でも政策金利の推移グラフを確認できます。

1971年9月以降の推移を表示でき、お好みの期間も選択可能です。

英国中央銀行の政策金利発表は為替市場にどんな影響を与えますか?

20251025_政策金利発表②

出典:TradingView

ポンドは英国中央銀行の政策金利発表を受けて大きく動くことがあります。

上の10分足チャートはポンド/円の推移で、2025年8月7日午後8時を中心に表示しています。

この日は政策金利の引き下げが発表され、引き下げ幅は市場予想と同じ0.25%でした。

一般的に政策金利の引き下げはその国の通貨にとって売り材料(=円高要因)ですが、この日のポンド/円は円安で反応し、買い一巡後も円高に転じることなく推移しました。

この理由として、9名の政策委員のうち4名が引き下げに反対したことや、インフレ見通しが引き上げられたことなどが挙げられています。

ポンドについては、政策金利の上下だけでなく反対した委員の人数などにも注目が集まることがあるので要注意です。

【まとめ】英国中央銀行(イングランド銀行/BOE)とは|役割や金融政策をわかりやすく解説

英国中央銀行(イングランド銀行/BOE)は英国の中央銀行で、1694年に設立されました。

主要な任務の1つに物価の低位安定があり、政策金利を操作して目標達成を目指しています。

政策金利の発表時にポンドが変動しやすいのが特徴で、政策金利の上下だけでなく政策委員の動向などにも注意が必要です。

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