名目金利
名目金利とは、物価変動を考慮しない表示上の金利を指し、実質金利と期待インフレ率の合計で示されます。
「名目」は「額面上・表面的」という意味を含み、実質的な購買力を表していない点が特徴です。
銀行の預金や貸出金利、国債の利回りなど、市場で実際に取引される多くの金利がこの名目金利に該当します。
これらの金利は、市場全体の金利動向と連動し、景気や物価、資産価格の変化にも影響します。
ただし、インフレ率が高まると、実質的な金利収益や貸出コストが想定からずれるリスクが生じます。
さらに、物価変動によって名目金利と実質金利のギャップが拡大すると、金融システムの安定性や資金の需給バランスに影響を及ぼす可能性があります。
関連用語には、名目金利からインフレ率を差し引いた「実質金利」、名目金利から実質金利を差し引いて求められる将来の物価上昇を反映する「期待インフレ率」、名目金利を期間別に区分した表現「名目長期金利」「名目短期金利」などがあります。