FRBの政策金利の市場織込み度はどこでチェックする?
市場における政策金利の予想は?
将来の米国の金融政策を市場がどのように見ているかを探る際に、最も参考となる情報に金利先物市場のデータがあります。
金利先物市場は金利を専門に扱う市場で、FRBの動向を熟知している市場といっても過言ではない市場です。
この金利先物市場が将来の米国の政策金利をどのように予想しているか把握することができれば、市場がどの程度金融政策の変更を織り込んでいるかを知ることができ、値動きの予想に役立ちます。
この金利先物市場が予想する政策金利を簡単に確認することができるのが、FED Watch Toolです。
このツールで、金利先物市場が予想する各FOMCの会合終了後の政策金利をチェックしておきましょう。
CMEグループのFed Watch Toolのページにアクセスし、一番上からFOMCの開催日を選択すると、それぞれの会合後の政策金利の予想がグラフ、表でチェックすることもできます。
【Fed Watch Toolの例】
【出所:CMEグループ】
また、左側のメニューからHistoricalを選択すると、過去の織込み度の変化をチェックすることができます。
この織込み度に変化が生じるような場合はFX市場でもドルを中心に大きく値が動くことがあります。
FEDは緊急で金融政策の変更を行わなければならない特別の事情でもない限り、金融政策の変更を行う際は市場を混乱に陥れないために、このFed Watch Toolの予想が80%程度になるまでサインを出し続ける傾向があります。
【過去の予想の変化を表示した例】
【出所:CMEグループ】
市場織込み度とFX相場の関係
政策金利の織込み度をチェックしておくことはFX市場を分析する上で重要です。
基本的には次回会合での利上げの予想が強まるにつれてドルが上昇する傾向があります。
逆に利下げ予想が強まっていくような場面では逆にドルが売られる傾向があります。
ただし、市場の織込みが成熟してしまった場合は状況が変化します。
例えば、次回会合での利上げの織込み度が80%を超えるようなときに利上げするような場合は発表後に多少ドル買いが進んだとしても、すでにそれを見込んで市場参加者が既に買いポジションを持っており、その後に買う人が少ないため、逆に決済の売りが増えてドルが売られてしまうという展開になることもあります。
このため、この織込み度とテクニカル分析のオシレーター系のインジケーターなどを用いた分析などを併せて相場の過熱度を探る分析を行うと取引のタイミングを探る場面で役立つと思います。
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