ブレグジットとは|EU離脱の背景や影響などを詳しく解説
ブレグジットとは、英国が欧州連合(EU)から離脱した出来事を指します。
2016年の国民投票で可決され、2020年末に離脱を完了しました。
可決の背景として、移民の流入問題や、主権が制限されることへの不満などがあったとされます。
本記事では、ブレグジットの意味、特徴、よくある質問などを解説します。
ブレグジットとは
ブレグジットの意味や背景について解説します。
- ・意味と語源
- ・経緯と背景
意味と語源
ブレグジット(Brexit)とは、英国が欧州連合(EU)から離脱した出来事を指します。
2016年6月の国民投票で可決され、移行期間を経て2020年12月末に完了しました。
この言葉は、“British Exit”(英国のEU離脱)の2単語を組み合わせて作られています。
経緯と背景
ブレグジットの国民投票が可決された理由として、複数の要因が指摘されています。
- ・英国がEUの規制に服さなければならないことへの不満
- ・英国への移民流入に関する不満
- ・EUに対する拠出金額に関する不満 など
英国はEUの枠組みに入っているため、EUの規制に従う必要があります。
独自の政策を採るには限界があり、英国に流入し続ける移民への対処も自由にできません。
また、EUへの拠出額に対して見返りが十分でないという不満もあった模様です。
ブレグジット実現までの流れ
国民投票実施からブレグジットが実現するまでの流れは以下の通りでした。
- ・国民投票
- ・北アイルランド問題
- ・離脱協定
国民投票
地域 | 賛成 | 反対 |
---|---|---|
イングランド | 53.4% | 46.6% |
ウェールズ | 52.5% | 47.5% |
スコットランド | 38.0% | 62.0% |
北アイルランド | 44.2% | 55.8% |
全体 | 51.9% | 48.1% |
2016年6月の国民投票の結果、賛成と反対の内訳は上の表の通りです。
スコットランドと北アイルランドでは離脱反対が過半数を占めたものの、全体としては離脱という結果でした。
国民投票に法的拘束力はありませんでしたが、政府は国民の意思を尊重するとして離脱が決定しました。
北アイルランド問題
英国のEU離脱決定後、大きな障害となったのは北アイルランドの扱いです。
英国では、北アイルランドの帰属をめぐって流血の事態が繰り返されてきました。
この問題を解決する方法の1つとして、北アイルランドとアイルランドの往来は自由とされ、関税の支払いも不要となりました。
しかし、ブレグジットが実現すると、北アイルランドはEUから離脱する一方でアイルランドはEUに残るため関税が必要です。
制度間の矛盾を解決する策が必要だったものの策定に時間を要し、離脱の期限を繰り返し延期する事態になりました。
英国とEUで合意が成立したのは2019年10月で、この合意はアイルランド議定書と呼ばれます。
離脱協定
アイルランド議定書を含む英国のEU離脱協定が合意に達し、2020年1月末に正式離脱し、同時に移行期間が開始されました。
その後、2020年末に移行期間が終了しています。
ブレグジットが与えた影響
ブレグジットの主な影響は、以下の通りです。
- ・英国経済への影響
- ・英国以外への影響
英国経済への影響
ブレグジットは英国経済に様々な影響を与えたことが報じられています。
貿易を例にすると、EU向けの財輸出の伸び率は、他の先進諸国と比べて低下しました。
各種事務手続きの非関税障壁が原因として挙げられています。
サービスについてはブレグジットの影響は小さく、伸び率は財より大きかったと指摘されています(金融などの一部サービスでは、大きな影響が見られた例もあり)。
その一方、英国は各国と自由に貿易協定を結べるようになりました。
貿易協定でプラスの成果があったものの、EU離脱で生じたマイナスを埋めるほどではないとの試算が示されています。
英国以外への影響
ブレグジットは英国以外の国々にも影響を与えました。
そのうちの1つに、英国に置いていた各国企業の拠点がEUに移転した点が挙げられます。
英国はEU圏外であるため、EU向けの事業を実行するには不便な面があるのが理由です。
英国で雇用等に悪影響が出た一方、移転先となった国々では恩恵を受けた可能性があります。
ブレグジットに関するQ&A
ブレグジットに関するよくある質問は、主に以下の通りです。
- ・ブレグジットはいつの出来事ですか?
- ・ブレグジットはなぜ起きたのですか?
- ・今後英国は再びEUに戻る可能性はありますか?
ブレグジットはいつの出来事ですか?
ブレグジットの国民投票が可決されたのは、2016年6月23日です。
その後の協議等を経て、2020年1月31日に正式離脱、同時に移行期間が開始し、同年12月31日に移行期間が終了しました。
ブレグジットはなぜ起きたのですか?
ブレグジットが起きた理由として、英国国民のEUへの不満があったと考えられます。
不満の例として、EUの関連規制に服す必要があったこと、それに関連して英国独自の移民対策を実行できなかったこと、EUへの拠出金負担への反発などが挙げられています。
今後英国は再びEUに戻る可能性はありますか?
2025年の英国首相の記者会見で、EUへの再加盟が明確に否定されました。
その一方、各種調査によると、ブレグジットは間違いだった(離脱の判断は誤りだった)と考える回答の割合が過半数を超えるという報告が出ています。
少なくとも短期的なEU再加盟は想定しにくいものの、長期的には再加盟の可能性を否定できないと考えられます。
【まとめ】ブレグジットとは|EU離脱の背景や影響などを詳しく解説
ブレグジット(Brexit)とは、英国が欧州連合(EU)から離脱した出来事を指します。
2016年6月の国民投票で可決され、2020年12月末に離脱手続きが完了しました。
英国のEU離脱によって、英国からEU向けの財輸出が減り、英国内の企業拠点がEU加盟国に移転したことが報告されています。
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