通貨バスケット
通貨バスケットとは、複数の外国通貨を一定の比率で組み合わせ、その加重平均レートなどに自国通貨の為替相場を連動させる仕組みのことです。
通貨バスケット制(バスケット方式)とも呼ばれ、特定の単一通貨に依存せず、複数通貨でリスク分散を図る考え方です。
1970年代以降に変動相場制が進む中で、特に小国や貿易依存度の高い国ではドルなど単一通貨への連動による影響を避けるために、通貨バスケット方式が導入されました。
通貨バスケットを採用することで、特定の通貨だけに依存した為替政策よりも幅広い通貨に対して安定性が期待できるため、為替変動の影響を緩和しやすくなります。
一方で、構成通貨や比重、運用ルールが明確でない場合が多く、その透明性や信頼性が求められます。
また、構成通貨やウェイトの変更・更新が必要となるため、制度運用コスト・政策運営の複雑化も課題です。
関連用語に、市場の需給に応じて為替レートが変動する「変動相場制」があります。