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ドルインデックス(DXY)とは|見方・活用方法・よくある質問を解説


ドルインデックス(DXY)とは、主要な通貨に対する米ドルの強さを示す指数です。

米ドルの価値が相対的にどの程度強いのかを把握できるため、米ドルに関連する通貨ペアを取引する際の重要な判断材料となります。

本記事では、ドルインデックス(DXY)の意味や見方、活用方法、よくある質問をわかりやすく解説します。

ドルインデックス(DXY)とは

ここでは、ドルインデックス(DXY)の意味、構成通貨とその比率について解説します。

  • ・意味
  • ・DXYの構成通貨と比率

意味

ドルインデックス(DXY)とは、主要な通貨に対する米ドルの強さを示す指数です。

ドル指数と呼ばれる場合もあります。

1973年を基準値100として算出されており、米ドルの相対的な価値の変動を表します。

ドルインデックス_20250720

出典:TradingView

この指数は、インターコンチネンタル取引所(ICE)が算出・公表しており、外国為替市場で最も広く利用されています。

なお、米連邦準備制度理事会(FRB)や国際決済銀行(BIS)なども独自に為替指数を作成・発表していますが、一般的に「ドルインデックス(DXY)」という場合はICEの指数を指します。

ICEのドルインデックスは通常「DXY」と略されますが、「USDX」「DX」と表記される場合もあります。

米ドルは基軸通貨であり、その価値の変動は米国経済だけでなく、世界経済全体や他の通貨にも大きな影響を与えます。

そのため、DXYは国際的な金融市場において非常に重要な指標として注目されています。

DXYの構成通貨と比率

ドルインデックス(DXY)は、ユーロ・日本円・英ポンドなど主要6通貨に対する米ドルの為替レートを基に、通貨ごとの構成比率を反映して指数化されています。

構成通貨とその比率は次の通りです(構成比率はICEの公表データに基づきます)。

通貨 比率
ユーロ(EUR) 57.6%
日本円(JPY) 13.6%
英ポンド(GBP) 11.9%
カナダドル(CAD) 9.1%
スウェーデンクローナ(SEK) 4.2%
スイスフラン(CHF) 3.6%

特にユーロは57.6%と最も大きな比重を占めており、DXYはユーロの値動きに特に影響を受けやすいのが特徴です。

なお、この構成比率はユーロ導入に合わせて1999年に設定されたもので、それ以降は更新されていません。

ドルインデックス(DXY)の見方

ドルインデックス(DXY)の見方はシンプルで、DXYが上昇している場合は主要通貨に対し米ドルが強い(買われている)、下落している場合は弱い(売られている)と判断するのが一般的です。

ドルインデックス(DXY) 見方
上昇 米ドルが強い(買われている)
下落 米ドルが弱い(売られている)

DXYの動きを確認することで、米ドルが為替市場でどのような位置づけにあるのかを把握できます。

また、それを通じてユーロ/米ドル、米ドル/円といった米ドルに関連する主要な通貨ペアの今後の動きや、相場のトレンドを予測する手がかりを得られる場合があります。

ドルインデックス(DXY)の活用方法

続いて、ドルインデックス(DXY)の主な活用方法を紹介します。

  • ・為替市場
  • ・その他の市場

為替市場

ドルインデックス(DXY)の動きを基に、為替市場の動向を予測できます。

例えば、米ドル高円安の局面では「米ドルが買われていることによる米ドル高円安なのか」、それとも「日本円が売られていることによる米ドル高円安なのか」を判断可能です。

米ドル高円安の進行中にDXYが上昇している状況であれば、「米ドルの買いが主因の米ドル高円安」と考えられます。

一方、米ドル高円安が進行しているにもかかわらずDXYが下落している場合は、米ドルの買い以上に日本円が売られている、つまり「日本円の売りが主因の米ドル高円安」と判断できます。

ただし、DXYは構成比の大半をユーロが占めており、ユーロ/米ドルの動き(ユーロを主因とする動き)に影響される側面があることに留意が必要です。

その他の市場

ドルインデックス(DXY)は為替市場に限らず、さまざまな金融市場の分析にも活用されます。

例えば、DXYの動きはゴールドや原油などのコモディティ価格にも影響を与えます。

DXYが上昇すると、米ドル建ての資産は割高となり価格は下落しやすくなり、反対にDXYが下落すると米ドル建ての資産は割安となり、価格が上向く傾向があります(ただし、需給や他の要因も影響し、その関係にならないことも多くあります)。

また、DXYは株式市場や債券市場にも影響を及ぼし、米国の経済動向や金融政策の変化を反映する指標として注目されています。

DXYは為替以外の市場を分析する上でも有用なツールであり、幅広い投資判断に役立てることができます。

ドルインデックス(DXY)に関するQ&A

ドルインデックス(DXY)に関するよくある質問は、主に以下の通りです。

  • ・ドルインデックス(DXY)はどこで確認できますか?
  • ・ドルインデックス(DXY)とゴールドは相関関係ですか?
  • ・ドルインデックス(DXY)が下がるとどうなりますか?

ドルインデックス(DXY)はどこで確認できますか?

ドルインデックス(DXY)はTradingViewで確認可能です。

TradingViewでDXYを表示するには、まずチャート左上の「シンボル検索」をクリックします。

ポップアップが出てきたら、検索ボックスに「DXY」と入力し、表示されたリストからシンボルを選択すれば表示完了です。

また、DXYは金融情報サイトでも確認できる場合があります。

ドルインデックス(DXY)とゴールドは相関関係ですか?

一般的に、ドルインデックス(DXY)とゴールドは、逆相関の関係にあるとされています。

ゴールドは主にドル建てで取引されるため、DXYが上昇すると割高となり、ゴールドの価格は下落しやすくなります。

逆に、DXYが下落すればゴールドの価格は上昇するという、シーソーのような動きを見せる傾向があります。

ただし、この逆相関は常に成立するわけではなく、短期的には両者が同じ方向に動くこともあるため注意が必要です。

ドルインデックス(DXY)が下がるとどうなりますか?

ドルインデックス(DXY)の下落は、米ドルの価値が主要通貨に対して低下している、つまり米ドルが弱くなっていることを示します。

その結果、ゴールドや原油といった米ドル建ての資産価格は相対的に割安となり、上昇しやすくなります。

これは、米ドルの価値が下がることで、これらの資産が市場で買われやすくなるためです。

【まとめ】ドルインデックス(DXY)とは|見方・活用方法・よくある質問を解説

ドルインデックス(DXY)とは、主要な通貨に対する米ドルの強さを示す指数です。

この指数は、インターコンチネンタル取引所(ICE)が算出・公表しており、ユーロ、日本円、英ポンド、カナダドル、スウェーデンクローナ、スイスフランの6通貨で構成されています。

DXYが上昇している場合は、主要通貨に対して米ドルが強い(買われている)と判断され、逆に下落している場合は弱い(売られている)と見なされるのが一般的です。

米ドルの価値が相対的にどの程度強いかを把握できるため、為替市場では米ドルに関連する通貨ペアを取引する際の重要な判断材料として広く利用されています。

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