EIA(米国エネルギー情報局)とは|代表的なレポートや他のエネルギー機関との違いなどをわかりやすく解説
EIA(米国エネルギー情報局)とは、エネルギーに関するデータの収集や分析、公表を行っている米国エネルギー省に属する統計機関です。
米国内だけでなく、グローバルにおけるエネルギー市場の見通しを発表しており、EIAのレポートは将来の原油や天然ガスなどの動向を把握するための材料になります。
本記事では、EIAの代表的なレポートや他のエネルギー機関との違いなどをわかりやすく解説します。
目次
- 1.EIA(米国エネルギー情報局)とは
- 2.EIA(米国エネルギー情報局)の代表的なレポート【見通し】
- 3.EIA(米国エネルギー情報局)の代表的なレポート【統計】
- 4.EIA(米国エネルギー情報局)と他のエネルギー機関の違い
- 5.EIA(米国エネルギー情報局)に関するQ&A
- 6.【まとめ】EIA(米国エネルギー情報局)とは|代表的なレポートや他のエネルギー機関との違いなどをわかりやすく解説
EIA(米国エネルギー情報局)とは
EIA(米国エネルギー情報局)がどのような組織なのかを解説します。
- ・EIA(米国エネルギー情報局)の主な目的
- ・EIA(米国エネルギー情報局)の主な役割
EIA(米国エネルギー情報局)の主な目的
EIAは米国エネルギー省に属する統計機関であり、エネルギーに関するデータの収集や分析、公表を行っています。
主な目的は、米国民のために公平なエネルギー情報を収集、分析、および公開することです。
調査対象は、主に以下の通りです。
- 原油、天然ガス、電力、原子力、石炭、再生可能エネルギーなど
原油や天然ガスだけでなく、エネルギー全般に関する調査を行っています。
EIA(米国エネルギー情報局)の主な役割
EIAの役割は、各種エネルギーに関する生産や備蓄、需要、輸入、輸出、価格など、さまざまなデータを収集し、分析・公表することです。
在庫や生産量などを定期的に公開することで、市場の透明性を高める役割を担っています。
数字だけでなく、将来のエネルギー需給についてのレポートも公表しており、その内容次第でエネルギー関連の価格に影響を与える可能性もあります。
なお、EIAはエネルギーの供給量や価格を調整する機関ではなく、あくまでも情報収集や分析をする機関です。
EIA(米国エネルギー情報局)の代表的なレポート【見通し】
EIA(米国エネルギー情報局)が公表するエネルギー関連の見通しについての代表的なレポートを解説していきます。
- ・短期エネルギー見通し (Short-Term Energy Outlook:STEO)
- ・年次エネルギー見通し (Annual Energy Outlook:AEO)
- ・国際エネルギー見通し (International Energy Outlook:IEO)
短期エネルギー見通し (Short-Term Energy Outlook:STEO)
短期エネルギー見通し(Short-Term Energy Outlook:STEO)は、今後1年〜2年における原油や天然ガスなどの価格や生産量についてのレポートです。
毎月公表しており、月初〜中旬頃に発表されます。
EIAが短期的なエネルギー価格や需給をどのように予測しているのかを判断でき、今後の価格推移を読み解く材料として役立ちます。
年次エネルギー見通し (Annual Energy Outlook:AEO)
年次エネルギー見通し (Annual Energy Outlook:AEO)は、長期的なエネルギーの動向についてのレポートです。
公表は年1回で、春に行われます。
短期的な価格変動の材料にはなりにくいですが、将来的なエネルギー関連の動向を考えるうえで重要な要素になります。
国際エネルギー見通し (International Energy Outlook:IEO)
国際エネルギー見通し (International Energy Outlook:IEO)は、世界のエネルギー市場における長期的な動向を分析・予測したレポートです。
2026年2月現在、「International Energy Outlook 2023(IEO 2023)」が公表されており、2050年までの見通しが分析されています。
米国内のエネルギー市場が中心の短期エネルギー見通しや年次エネルギー見通しに対し、国際エネルギー見通しはグローバルなエネルギー市場の動向を把握するための材料として活用できます。
IEOは毎年発表されるとは限らず、隔年になることもあります。
EIA(米国エネルギー情報局)の代表的なレポート【統計】
EIA(米国エネルギー情報局)の石油と天然ガスにおける代表的な統計データについて解説します。
- ・週間石油統計 (Weekly Petroleum Status Report:WPSR)
- ・天然ガス貯蔵報告書 (Weekly Natural Gas Storage Report)
週間石油統計 (Weekly Petroleum Status Report:WPSR)
週間石油統計 (Weekly Petroleum Status Report:WPSR)とは、米国内の石油に関する統計データです。
原油やガソリンなどの在庫や生産量、価格、輸出入に関するデータがまとめられています。
基本的に、毎週水曜日に公表されます(祝日でずれる場合あり)。
発表時間は米東部時間10時30分で、日本時間では23時30分です(冬時間は0時30分)。
市場関係者が最も注目するのは原油在庫の増減で、市場予想との乖離が大きいほど原油価格が変動する可能性が高まります。
一般的に、原油在庫が増加すると供給過多と判断され原油価格が下落しやすい傾向があり、反対に原油在庫が減少すると供給不足への懸念から原油価格が上昇しやすくなります。
ただし、原油在庫の増減が必ず原油相場を動かすわけではない点に注意が必要です。

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天然ガス貯蔵報告書 (Weekly Natural Gas Storage Report)
天然ガス貯蔵報告書 (Weekly Natural Gas Storage Report)は、米国における天然ガスの在庫を表すデータです。
総在庫数、地域別の在庫数、前週比での増減などが表されており、米国の天然ガス需給の動向を把握する材料になります。
発表は、基本的に毎週木曜日(祝日でずれる場合あり)で、発表時間は米東部時間10時30分、日本時間では23時30分です(冬時間は0時30分)。
天然ガスの在庫動向は天然ガスの価格に影響を与えます。
在庫が増加すると供給余力が拡大するため価格が下落しやすくなり、反対に在庫が減少すると供給不足への懸念が高まるため価格が上昇しやすい傾向があります。
また、天然ガスは季節に左右されやすい特徴があります。
冬は暖房の需要が高まるため、天然ガスの需要も高まります。
同じだけ在庫が減少した場合でも、冬の方が大きく動く可能性があります。
ただし、必ずしも在庫量の増減によって天然ガスの価格が動くわけではありません。

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EIA(米国エネルギー情報局)と他のエネルギー機関の違い
EIA(米国エネルギー情報局)と同じく、エネルギーに関するデータを発表するエネルギー機関は他にもあります。
他の機関とは、どのような差異があるのかを見ていきます。
- ・EIAとIEAの違い
- ・EIAとOPECの違い
EIAとIEAの違い
IEAとは、エネルギーに関する国際的な組織です。
正式名称は「International Energy Agency」で、日本語では国際エネルギー機関と呼ばれます。
EIAと似たような組織ですが、IEAはOECD(経済協力開発機構)の枠内で設立された国際機関であり、OECDに加盟していることが参加条件です。
一方のEIAは米国の機関で、加盟国や参加条件などはありません。
また、IEAは各国に対するエネルギーに関する政策提言を行っており、この点はEIAと大きく異なります。
EIAとOPECの違い
OPEC
とは、産油国で構成される国際機関で「Organization of the Petroleum Exporting Countries」が正式名称で、日本語では石油輸出国機構と呼ばれます。OPECに加盟していない産油国も含めた枠組みはOPECプラスと呼ばれます。
産油国の集まりであるOPECは、増産の決定や生産量の調整を通じて原油価格に影響を与える存在です。
一方のEIAは、石油や天然ガスなどエネルギーに関するデータを分析・発表する機関です。
原油の増産や価格の変更などを行うことはできません。
OPECは原油供給に関する政策を実行する機関、EIAは原油に関するデータを公表する機関という大きな違いがあります。
EIA(米国エネルギー情報局)に関するQ&A
EIA(米国エネルギー情報局)に関するよくある質問は、主に以下の通りです。
- ・EIAのレポートはいつ発表されますか?
- ・EIAのレポートはどこで確認できますか?
- ・EIAとAPI統計の違いは?
EIAのレポートはいつ発表されますか?
レポートによって発表日は異なり、週次、月次、四半期、年間などがあります。
短期エネルギー見通しであれば毎月、年次エネルギー見通しなら毎年の春頃に発表されます。
週間石油統計は毎週水曜日の日本時間の23時30分(冬時間は0時30分)、天然ガス貯蔵報告書は毎週木曜日の日本時間の23時30分(冬時間は0時30分)です。
詳しい発表日は、EIA(米国エネルギー情報局)の公式サイトで確認可能です。
EIAのレポートはどこで確認できますか?
EIAの公式サイトで確認できます。
ただし、全て英語で記述されています。
また、メディアやニュースサイトなどが報道している場合もあります。
EIAとAPI統計の違いは?
APIとは米国石油協会のことで、「American Petroleum Institute」が正式名称です。
API統計は、米国石油協会が発表する在庫や生産量の統計を指します。
サンプルや計算方法が異なるため、同じようなデータでも数値が異なる場合があります。
また、APIは民間の業界団体、EIAは米国の政府機関という違いもあります。
【まとめ】EIA(米国エネルギー情報局)とは|代表的なレポートや他のエネルギー機関との違いなどをわかりやすく解説
EIA(米国エネルギー情報局)は、エネルギーに関するデータの収集や分析、公表を行っている米国エネルギー省に属する統計機関です。
米国内やグローバルにおけるエネルギーの見通しを発表しているため、原油や天然ガスなどの動向を分析する際に役立ちます。
また、毎週公表されている週間石油統計 (Weekly Petroleum Status Report:WPSR)や天然ガス貯蔵報告書 (Weekly Natural Gas Storage Report)の結果次第で、原油や天然ガスの市場価格が動く可能性があります。
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