金融危機とは|原因・事例・与える影響などわかりやすく解説
金融危機とは、信用不安の高まりにより金融の仕組みが不安定になる状態を指します。
その結果、世の中のお金の流れが滞り、経済状況の悪化につながります。
金融危機が起こると、株式や不動産などの資産が下落するだけでなく、雇用や賃金、消費の低迷など経済全体に悪影響が及びます。
本記事では、金融危機の原因や事例、相場に与える影響などをわかりやすく解説します。
目次
- 1.金融危機とは
- 2.金融危機が発生する主な原因
- 3.金融危機の代表的な事例
- 4.金融危機が経済に与える影響
- 5.金融危機に関するQ&A
- 6.【まとめ】金融危機とは|原因・事例・与える影響などわかりやすく解説
金融危機とは
金融危機とは、金融機関や市場における信用不安の高まりにより、金融の仕組みが不安定になる状態を指します。
その結果、世の中のお金の流れが滞り、経済の悪化につながります。
金融危機では株式や不動産などの資産が下落するだけでなく、雇用や賃金、消費の低迷など経済全体に悪影響が及びます。
代表的な金融危機には、米国のリーマンショックや日本のバブル崩壊などがあります。
金融危機が発生する主な原因
金融危機は何が原因で発生するのかを解説します。
- ・資産バブルの崩壊
- ・金融機関の経営破綻・信用不安
- ・高リスク資産の金融商品化
資産バブルの崩壊
金融危機の発生原因としてよく挙げられるのがバブルです。
金融におけるバブルとは、株式や不動産などの資産価値が実態以上に膨れ上がった状態で、期待感や金融政策などの影響で発生します。
バブル崩壊とは、上がり続けていた資産の価値が暴落することです。
資産の価値が下落することでそれまでに投資をしていた企業や機関投資家などが損失を被り、銀行など金融機関への返済が滞ります。
貸し付けていた資金の返済が滞ると、金融機関の業績も悪化します。
その結果、金融機関は新たな融資や投資がしにくくなり、企業は資金繰りが悪化することで経済全体が低迷するという流れが生まれます。
金融機関の経営破綻・信用不安
金融機関が破綻するとその金融機関から融資を受けていた企業は資金繰りが悪化し、倒産に追い込まれるケースも発生します。
企業の倒産が相次ぐと失業者が増え、将来の不安感から世の中の消費や投資も減少し、景気が悪化します。
景気が悪化すると企業の業績悪化につながり、さらに景気が悪化し、金融危機に陥るという流れが生まれます。
高リスク資産の金融商品化
高リスク資産を組み込んだ複雑な金融商品が広く流通し、リスクが見えにくくなることで、危機時の損失を拡大させる場合があります。
高リスク資産を証券化した金融商品を多くの投資家や金融機関が購入し、高リスク資産の問題が顕在化することで購入した投資家や金融機関が損失を被り、金融危機に発展するという流れが生まれます。
高リスク資産の金融商品化が金融危機につながった事例としては、2008年の米国で発生したリーマンショックが有名です。
金融危機の代表的な事例
過去に発生した代表的な金融危機の事例について紹介します。
- ・リーマンショック(2008年)
- ・アジア通貨危機(1997年)
- ・日本のバブル崩壊(1990年〜)
リーマンショック(2008年)
リーマンショックの原因は、信用力が低い人向けの住宅ローン(サブプライムローン)の不良資産化や住宅価格の下落、金融機関の信用不安の拡大などです。
2000年代の米国では住宅バブルが発生しており、収入が低い人もサブプライムローンを利用して住宅を購入していました。
その後、住宅価格の下落とともにローンを返済できない人が増えたことで、証券化されていたサブプライムローンを購入していた金融機関が大きな損失を被りました。
2008年9月、米国の大手投資銀行のリーマン・ブラザーズの破綻をきっかけに世界的な金融危機へと発展しました。
リーマン・ブラザーズ以外の多くの金融機関が経営危機や破綻に追い込まれるとともに、経済も悪化しました。
証券化されていたサブプライムローンは米国だけでなく、世界中の金融機関が購入していたため、世界的な金融危機へとつながりました。
アジア通貨危機(1997年)
1997年にタイから発生したアジア通貨危機も、世界経済に大きな影響を及ぼした金融危機です。
当時のタイは自国通貨タイバーツと米ドルが連動するドルペッグ制を採用していました。
タイは1980年代から工業化を進めており輸出が好調な一方、政情不安や経常収支の赤字拡大などの問題も抱えていました。
そのような中で、1997年にヘッジファンドなどの機関投資家がタイバーツへの空売りを開始し、タイ政府は介入を行ったものの、最終的に通貨防衛が困難になりました。
その結果、タイはドルペッグ制の維持が困難となり、市場の値動きに応じ、必要な時は介入も行う「管理フロート制(管理変動相場制)」へ移行しました。
その後、IMFの公的支援を受けることになり、タイバーツの下落はインドネシア、マレーシア、韓国などアジア諸国にも波及し、アジア全体に広がる金融危機へと発展しました。
日本のバブル崩壊(1990年〜)
1960年代〜1980年代前半の日本は大きな経済成長を遂げ、株式や不動産に投資をする人が増えていました。
1985年にプラザ合意で円高になると、日本銀行は政策金利を引き下げて対応しました。
そして株式や不動産に資金が流れて価格が上昇し、その上昇がさらなる資金を呼び、1980年代後半に株価・地価が急激に高騰しました。
その後、日本政府は高騰している不動産や株式で発生した問題に対処するため、金融引き締め政策を取りました。
その結果、1989年末をピークに株式や不動産価格が下落し、1990年代初頭にバブルが崩壊しました。
金融機関は不良債権(回収が困難になった債権)を抱え、日本経済全体が悪化する金融危機へとつながりました。
金融危機が経済に与える影響
金融危機が実際の経済にどのような影響を与えるのかを解説します。
- ・金融システム・市場への影響
- ・実体経済への影響
金融システム・市場への影響
金融危機が発生すると、貸し倒れリスクが高まるため、金融機関が融資を控えるようになります。
また、金融機関も不良債権が増加することで経営危機や破綻に陥る可能性があります。
金融機関の貸し渋りや破綻などによって資金が市場に流れなくなり、企業の資金繰りが苦しくなって業績が悪化することで、さらに不良債権が増えていくという負のスパイラルに陥り、金融システムが機能しにくくなります。
一方、金融市場も暴落が起きてリスク回避の動きが強まり、流動性が低下します。
その結果、社会全体や金融市場でお金が回らなくなるという悪影響があります。
実体経済への影響
金融機関が融資を控えるようになると、企業は活動に必要な資金の調達が難しくなります。
資金調達が難しくなると、設備投資や新規事業の停止、人員削減、賃金低下といったコスト削減を強いられるようになり、経営状況によっては倒産も増えていきます。
その結果、企業の倒産や人員削減で失業者が増加し、消費者も支出を控えるようになって消費が落ち込みます。
企業の業績がさらに悪化し、コストの削減や倒産がより増えるという悪循環に陥り、経済全体が悪化します。
金融危機は雇用や賃金、物価など経済活動に直結する重要な問題です。
金融危機に関するQ&A
金融危機に関するよくある質問は、主に以下の通りです。
- ・金融危機になると何が起こりますか?
- ・金融危機は何年に1回起きますか?
- ・金融危機に強い資産は何ですか?
金融危機になると何が起こりますか?
金融機関から融資を受けにくくなることで、企業の資金繰りが難しくなります。
企業の資金繰りが難しくなると業績の悪化や倒産が増えるとともに、失業者の増加や消費の減少で、経済全体が悪化します。
また、株式や不動産などの資産価値も下落します。
金融危機は賃金の低下や雇用環境の悪化などにつながり、日々の生活にも影響を与えます。
金融危機は何年に1回起きますか?
過去の事例を参考にすると、数年から十数年の間隔で大きな危機が発生しています。
ただし、決まった周期で必ず発生するわけではなく、景気や金融環境、政策、地政学的要因などが重なって発生するため、何年に1回と断定することはできません。
金融危機に強い資産は何ですか?
金融危機では株式や不動産など、多くの資産が下落する可能性があります。
一方、現金や信用力の高い国債、金などは相対的に注目されやすい資産です。
【まとめ】金融危機とは|原因・事例・与える影響などわかりやすく解説
金融危機とは、信用不安の高まりにより金融の仕組みが不安定になる状態を指します。
資産が実態以上に高まった金融バブルの崩壊や金融機関の信用不安、高リスク資産の金融商品化などが原因となって発生する場合があります。
直近における金融危機の事例としては、2008年のリーマンショック、1997年のアジア通貨危機、1990年代初頭の日本のバブル崩壊などがあります。
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