財政出動
財政出動とは、政府が景気の低迷や経済危機の際に、公共支出の拡大や減税などを通じて需要を刺激し、経済を下支えする政策手段です。
世界恐慌以降、景気後退やデフレ対策として各国で用いられてきました。
日本ではバブル崩壊後やコロナ禍などの危機対応の実施例があります。
財政出動の主要な形式は、公共事業などによる政府支出の増加や、減税・補助金などを通じた民間への支援です。
これらの施策を実現するために、政府は国債の発行などによって財源を確保することが一般的です。
これらを通じて民間の消費・投資を促すことで景気を押し上げ、有効需要を創出します。
財政出動により支出が増えたり減税が実施されると、景気の下支えや回復が期待され、株式市場や公共投資関連の動きが活発化する場合があります。
一方で、財政出動を続けることで財政赤字や債務残高の拡大を招き、将来の税負担増や政府信用の低下、財政の持続可能性に課題を残すおそれがあります。
関連用語に、支出抑制・増税を通じて財政構造を引き締める「緊縮財政」などがあります。