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グロース市場とは|他の市場区分との違い・特徴などをわかりやすく解説


グロース市場とは、高い成長性を持つ企業向けに設けられた東京証券取引所の市場区分の1つです。

現在の業績だけでなく将来の事業拡大が期待される企業が多く、成長期待が株価や投資判断に反映されやすい点が特徴です。

本記事では、グロース市場の特徴や上場基準、他市場との違いなどをわかりやすく解説します。

グロース市場とは

まずは、グロース市場の特徴と上場基準について解説します。

  • ・グロース市場の特徴
  • ・グロース市場の上場基準

グロース市場の特徴

グロース市場は東京証券取引所の市場区分の1つで、現在の業績よりも将来の成長性を重視する市場です。

「高い成長可能性を有する企業向けの市場」と位置づけられており、売上や利益が発展途上にある企業でも、事業内容や成長戦略に将来性があると判断されれば上場が認められる点が大きな特徴です。

こうした企業は成長段階にあるため、業績や株価が変動しやすい傾向にありますが、その一方で、将来的な事業の飛躍的な拡大が強く期待されます。

グロース市場の上場基準

グロース市場では、企業規模や現在の利益水準よりも、将来の成長性が重視されます。

そのため、上場基準はプライム市場やスタンダード市場(東証の他の市場区分)と比べて柔軟な設計となっています。

具体的な上場時の基準の概要は、以下の表の通りです。

項目 基準の概要
流通株式数 1,000単位以上
流通株式時価総額 5億円以上
流通株式比率 25%以上
株主数 150人以上
事業継続年数 1年以上前から株式会社として継続的に事業活動を行っていること
事業計画 成長性と実行可能性を備えた合理的な事業計画が求められる
利益要件 なし(赤字でも可)
コーポレート・ガバナンス 基本的なガバナンス体制の整備が必要

表に示した条件を満たし、合理的な事業計画が認められれば上場できます。

他の市場とは違い利益基準が設けられておらず、先行投資段階の赤字企業でも、成長性が高いと判断されれば上場が認められる点が大きな特徴です。

ただし、成長戦略の合理性や資金調達計画の実現可能性が厳しく審査されるため、事業内容やガバナンス体制も重要な判断材料となります。

グロース市場と他の市場区分との違い

続いて、グロース市場とプライム市場、スタンダード市場、旧マザーズ市場との違いを順に見ていきます。

  • ・グロース市場とプライム市場の違い
  • ・グロース市場とスタンダード市場の違い
  • ・グロース市場と旧マザーズ市場の違い

グロース市場とプライム市場の違い

プライム市場は、財務基盤の安定性と株式の高い流動性が厳格に求められる、東京証券取引所の最上位市場です。

成熟企業が中心で、安定的な収益基盤を持つ日本を代表する企業が名を連ねています。

これに対し、グロース市場は現在の収益規模よりも、将来の事業拡大や革新性が評価の対象です。

プライム市場が「実績と信頼」を重視するのに対し、グロース市場は「将来の伸びしろ」に重点を置いた設計となっています。

グロース市場とスタンダード市場の違い

スタンダード市場は東京証券取引所の主要市場区分の1つで、安定的な事業基盤と一定の収益力を備えた中堅企業が中心です。

上場の主な目的は資金調達や知名度向上で、既存事業の着実な拡大を目指す企業が多く存在します。

一方、グロース市場は現在の事業規模にとらわれず、新規事業や未開拓市場への挑戦を通じて高い成長ポテンシャルが評価されます。

スタンダード市場が「持続的な成長」を志向するのに対し、グロース市場は「新たな価値創造」のために上場が活用されます。

グロース市場と旧マザーズ市場の違い

旧マザーズ市場は1999年11月に設立され、新興企業やスタートアップの成長を支援する市場として親しまれてきました。

2022年4月の市場再編により、旧マザーズ市場はグロース市場へと再編され、その役割を受け継いでいます。

旧マザーズ時代と同様、事業規模にかかわらず革新性や高い成長ポテンシャルが評価される点は変わりません。

一方、最大の違いは制度面の強化です。

事業計画の適時開示などが厳格に整備されたことで、国内外の投資家が企業の成長性を判断しやすくなり、「信頼性と透明性を兼ね備えた市場」として生まれ変わっています。

グロース市場の指数と主な業種

ここでは、東証グロース市場指数の概要と、グロース市場で注目されやすい業種について解説します。

  • ・東証グロース市場指数とは
  • ・グロース市場で注目されやすい業種

東証グロース市場指数とは

東証グロース市場指数とは、東京証券取引所のグロース市場に上場する銘柄全体の値動きを示す代表的な指数です。

2022年4月1日の時価総額を1,000ポイントとして計算されています。

指数は時価総額加重方式(浮動株ベース)で算出されるため、規模の大きい成長企業の動きが指数に与える影響が大きくなります。

市場全体のトレンドを把握する際は、大型企業の動向に左右されやすい側面があることに注意が必要です。

グロース市場で注目されやすい業種

グロース市場では、前述の通り将来の成長性や革新性が評価されるため、特定の業種に投資家の関心が集まりやすいです。

特に、IT・ソフトウェア関連、バイオ・医療技術、環境・再生可能エネルギー、宇宙開発やAIロボットといった新しい技術や市場開拓を伴う分野は注目度が高い傾向があります。

事業規模が小さい企業でも、新規事業や成長可能性が評価されることから、グロース市場では幅広い業種が注目されます。

グロース市場に関するQ&A

グロース市場に関するよくある質問は、以下の通りです。

  • ・グロース市場の代表銘柄は何ですか?
  • ・グロース市場に上場するメリットは?
  • ・グロース市場に上場するデメリットは?

グロース市場の代表銘柄は何ですか?

グロース市場には、成長性の高い中小型企業や新興企業が多く上場しています。

代表的な銘柄には、以下のような企業が挙げられます(2026年1月時点の情報を基に執筆)。

  • ・トライアルホールディングス(141A):ディスカウントストアを展開する小売企業
  • ・フリー(4478):クラウド会計ソフトを提供するSaaS企業
  • ・タイミー(215A):スキマバイトサービスを手がける人材関連企業
  • ・CYBERDYNE(7779):医療・介護向けロボットを開発する先端技術企業
  • ・ispace(9348):月面輸送などを手がける宇宙関連企業

なお、グロース市場は企業の新陳代謝が非常に激しい側面があり、短期間で市場変更する企業もあります。

グロース市場に上場するメリットは?

グロース市場は、成長段階にある企業が資金調達や事業拡大を進めやすい市場です。

利益要件がなく将来性や成長性が評価されれば上場を目指せます。

主なメリットは以下の通りです。

  • ・資金調達の円滑化:新株発行により、事業拡大に必要な資金を市場から直接調達できる
  • ・知名度・信用力の向上:上場企業としての信頼性が高まり、営業活動や取引面で有利になる
  • ・成長市場への足がかり:将来的にプライム市場やスタンダード市場への市場変更を目指せる

グロース市場に上場するデメリットは?

グロース市場は成長企業向けの市場である一方、株価が変動しやすく、上場後も継続的な成長が求められる点には注意が必要です。

主なデメリットは以下の通りです。

  • ・株価変動が大きい:成長期待による評価が中心となるため、市場環境や業績見通しの変化で株価が大きく動きやすい
  • ・収益性へのプレッシャー:上場後は将来の成長実現が強く求められ、業績次第では評価が低下する可能性がある
  • ・流動性が低い場合がある:プライム市場と比べると売買高が少なく、株式の流動性が限定的になりやすい

【まとめ】グロース市場とは|他の市場区分との違い・特徴などをわかりやすく解説

グロース市場は東京証券取引所の市場区分の1つで、現在の業績よりも将来の成長性を重視する企業が上場しています。

成長期待の高い企業が多く、投資家にとっては大きなリターンの可能性がある一方で、業績や株価の変動が大きくなるリスクも伴います。

企業側にとっては、資金調達や知名度向上を通じて、事業拡大や次の成長ステージへの足がかりとなる点が特徴です。

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