ユーロ圏消費者物価指数とは|推移・公表日・調査内容などを詳しく解説
ユーロ圏消費者物価指数とは、ユーロ圏加盟国における物品やサービスの価格変動を示す経済指標で、欧州連合の欧州委員会統計局(Eurostat)が毎月発表しています。
欧州中央銀行(ECB)が政策金利を決定する主要材料であることから、市場で注目されています。
本記事では、ユーロ圏消費者物価指数の意味、推移、よくある質問などを解説します。
目次
- 1.ユーロ圏消費者物価指数とは
- 2.ユーロ圏消費者物価指数の推移
- 3.ユーロ圏消費者物価指数がマーケットへ与える影響
- 4.ユーロ圏消費者物価指数に関するQ&A
- 5.【まとめ】ユーロ圏消費者物価指数とは|推移・公表日・調査内容などを詳しく解説
ユーロ圏消費者物価指数とは
まずは、ユーロ圏消費者物価指数がどのような指標なのか、いつ発表されるのかなどについて解説します。
- ・ユーロ圏消費者物価指数の目的と調査内容
- ・ユーロ圏消費者物価指数の公表日
ユーロ圏消費者物価指数の目的と調査内容
ユーロ圏消費者物価指数(HICP)とは、ユーロ圏加盟国における物品やサービスの価格変動を示す経済指標で、各国統計局が共通ルールに基づいて算出したデータを欧州連合の欧州委員会統計局(Eurostat)が集計し、毎月発表しています。
目的は、「ユーロ圏の物価動向を、国際的に比較可能な形で正確に把握すること」です。
EUには多くの加盟国がありますが、国ごとに物価や消費、算出方法などが異なるため、共通のルールで算出することで、各国間の物価を正しく比較できるようになるメリットがあります。
計算方法としては、定められたルールに従って計算されたユーロ圏加盟国ごとのHICPを基に、ユーロ圏全体のHICPが算出されます。
欧州中央銀行(ECB)は年次インフレ率を中期的に2%で安定させることを目標にしており、ユーロ圏消費者物価指数を主要材料として、その他の情報も総合して利上げや利下げを判断しています。そのため、HICPはユーロ圏の金融政策を占う経済指標として注目されています。
ユーロ圏消費者物価指数の公表日
ユーロ圏消費者物価指数は、速報値と確報値の2種類があります。
速報値は月末~月初、確報値は月の中頃に発表されます。
発表時刻は、日本時間の19時(夏時間は18時)です。
以下は2025年後半の発表スケジュールです。
集計期間 | 速報値発表日 | 確報値発表日 |
---|---|---|
2025年7月 | 8月1日 | 8月20日 |
2025年8月 | 9月2日 | 9月17日 |
2025年9月 | 10月1日 | 10月17日 |
2025年10月 | 10月31日 | 11月19日 |
2025年11月 | 12月2日 | 12月17日 |
ユーロ圏消費者物価指数の推移
ユーロ圏消費者物価指数の過去10年間の推移を見ると、コロナショックが発生した2020年3月からは総合指数は0%台で推移し、同年8月以降はマイナスに突入しています。
コア指数も同様に、2020年3月以降は低下傾向でした。
一方で、コロナショックから回復しつつあった2021年以降はそれぞれ上昇傾向で推移しており、欧州ではインフレが加速しました。
2022年10月に総合指数が10%台のピークを迎えた後は、欧州中央銀行(ECB)の利上げもあり、2025年7月まで低下傾向を示しています。
コア指数は2023年3月まで上昇していましたが、その後は下落しています。
2025年7月のユーロ圏消費者物価指数は、速報値ベースで総合指数が2.0%でECBが目指すインフレ率2%を維持しています。
ユーロ圏消費者物価指数がマーケットへ与える影響
ユーロ圏消費者物価指数の結果はマーケットにどのような影響を与えるのかを見ていきます。
- ・指数の数値と意味
- ・為替レートへの影響
指数の数値と意味
ユーロ圏消費者物価指数は、ユーロ圏加盟国における1か月間の物品やサービスの価格が、特定の基準年の価格水準と比較してどのくらい変動しているのかを示します。
仮に、前年同月比が+2%であれば、物品やサービスの価格が前年から2%上昇したと考えます。
予想より高い結果となれば欧州中央銀行(ECB)による利上げ期待が高まるため、ユーロが買われやすくなります。
反対に、予想よりも低い場合は、利下げ期待が高まるため、ユーロが売られやすくなります。
なお、コア指数はエネルギー、食料品、アルコール、タバコを除いたものを指します。
エネルギーや食料品など変動の大きい項目を除外することで、短期的なブレを排除し、より正確な物価動向を把握できます。
為替レートへの影響
ユーロ圏消費者物価指数が為替レートに与える影響を見ていきます。
出典:TradingView
2025年8月1日18時に発表された7月分ユーロ圏消費者物価指数の速報値は前月比が市場予想の-0.2%を上回る0.0%、前年比は市場予想の1.9%とほぼ同水準の2.0%でした。
コア指数の前年比は予想の2.2%に対して、2.3%でした。
上の画像は指標発表前後の値動きを示したユーロ/円の5分足チャートです。
発表直後に上下にヒゲをつけましたが、その後は横ばいに推移しました。
この事例では為替レートは大きく動きませんでしたが、市場予想よりも乖離が大きい場合はレートが大きく動く可能性が高まるので、注意が必要です。
ユーロ圏消費者物価指数に関するQ&A
ユーロ圏消費者物価指数に関するよくある質問は、主に以下の通りです。
- ・ユーロ圏消費者物価指数はどこで確認できますか?
- ・ユーロ圏消費者物価指数はいつ発表されますか?
- ・ユーロ圏消費者物価指数が高いとどうなりますか?
ユーロ圏消費者物価指数はどこで確認できますか?
ユーロ圏消費者物価指数は欧州委員会統計局(Eurostat)で確認できます。
また、証券会社などの経済指標カレンダーでも発表日時や結果を確認できます。
OANDA証券では、「国別経済指標」のリンクより、ユーロ圏消費者物価指数を含む各国の経済指標を確認できます。
ユーロ圏消費者物価指数はいつ発表されますか?
速報値は月初または月末、確報値は月の中頃に発表されます。
発表時刻は、日本時間の19時(夏時間は18時)です。
ユーロ圏消費者物価指数が高いとどうなりますか?
ユーロ圏消費者物価指数が高いと、物品やサービスの価格が上昇していることを意味します。
高すぎると強いインフレ傾向を示すため、欧州中央銀行(ECB)の利上げ期待が強まり、ユーロが買われやすくなります(低い場合はその反対)。
【まとめ】ユーロ圏消費者物価指数とは|推移・公表日・調査内容などを詳しく解説
ユーロ圏消費者物価指数とは、ユーロ圏加盟国における物品やサービスの価格変動を示す経済指標で、欧州連合の欧州委員会統計局(Eurostat)が毎月発表しています。
1か国のみの物価を表すCPIとは異なり、ユーロを法定通貨とするEU加盟国全体の物価を表します。
欧州中央銀行(ECB)はユーロ圏消費者物価指数の結果を利上げや利下げの判断材料にしているため、ユーロ圏の金融政策を占う指標として注目されています。
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