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インターコンチネンタル取引所(ICE)とは|特徴・商品・他の取引所との違いをわかりやすく解説


インターコンチネンタル取引所(ICE)とは、米国の取引所グループで、エネルギーや農産物、株価指数、排出権など、多様なデリバティブ商品や金融データサービスを提供しています。

ニューヨーク証券取引所(NYSE)を傘下に納めており、世界でもトップクラスの取引所グループです。

本記事では、インターコンチネンタル取引所(ICE)の特徴や商品、他の取引所との違いをわかりやすく解説します。

インターコンチネンタル取引所(ICE)とは

インターコンチネンタル取引所(ICE)の意味や成り立ち、ニューヨーク証券取引所(NYSE)との違いについて解説します。

  • ・インターコンチネンタル取引所(ICE)の意味・成り立ち
  • ・ニューヨーク証券取引所(NYSE)との関係

インターコンチネンタル取引所(ICE)の意味・成り立ち

インターコンチネンタル取引所は米国の取引所グループで、エネルギーや農産物、株価指数、排出権など、多様なデリバティブ商品や金融データサービスを提供しています。

英語では「Intercontinental Exchange」と表記し、略してICEと呼ばれています。

創業者はジェフ・スプレッチャー氏で、2000年に主にエネルギー取引に特化した電子取引プラットフォームとして設立されました。

その後はロンドン国際石油取引所(IPE)やニューヨーク商品取引所(NYBOT)を買収して国際的な影響力を強め、2013年11月にはニューヨーク証券取引所(NYSE)を買収し、世界でもトップクラスの国際金融取引所グループへと成長しました。

世界中の投資家・企業が利用するグローバルな取引所ネットワークを持ち、原油、天然ガスなどの世界中のコモディティの参照価格として利用されていることから、世界的に注目を集めています。

ニューヨーク証券取引所(NYSE)との関係

ニューヨーク証券取引所(NYSE)は、インターコンチネンタル取引所の傘下にある、世界最大級の取引所です。

2013年にインターコンチネンタル取引所がNYSEの親会社であるNYSEユーロネクスト(NYSE Euronext)を買収したことで、NYSEはICEグループの一部となりました

NYSEの買収によって株式市場の運営を含む取引インフラの提供範囲を拡大し、幅広い金融商品を取り扱う総合取引所グループの地位を確立しました。

インターコンチネンタル取引所(ICE)の主な特徴

インターコンチネンタル取引所(ICE)はどのような特徴があるのかを解説します。

  • ・世界最大級の電子取引プラットフォームを運営している
  • ・幅広い金融商品を取扱っている

世界最大級の電子取引プラットフォームを運営している

インターコンチネンタル取引所は、さまざまな分野の電子取引プラットフォームを運営しています。

以下は、主な取引プラットフォームです。

電子取引プラットフォーム 特徴
ICE Bonds 債券市場を対象とした電子取引ネットワーク
ICE Endex 天然ガス、電力の先物・現物取引を提供 する欧州を代表するエネルギー取引所
ICE Futures U.S. 農産物、通貨先物、金利、株価指数などを取り扱う米国の先物取引所

これら以外にも、さまざまな電子取引プラットフォームを提供しています。

幅広い金融商品を取扱っている

インターコンチネンタル取引所は、幅広い金融商品を取り扱っています。

原油や天然ガスといったエネルギー関連商品だけでなく、農産物、金利債券、排出権など非常に豊富な金融商品をグローバルに展開しています。

なお、株式などの現物商品は、ICEグループの一員であるNYSEが担当しています。

インターコンチネンタル取引所(ICE)で取引される主な商品

インターコンチネンタル取引所(ICE)で取引されている商品について解説します。

  • ・金融デリバティブ(株価指数・通貨など)
  • ・エネルギー関連商品(原油・天然ガス・電力など)
  • ・農産物・コモディティ

金融デリバティブ(株価指数・通貨など)

インターコンチネンタル取引所ではデリバティブ商品が取引されています。

取り扱っているデリバティブ商品の主な種類には以下があります。

  • ・株価指数、金利、通貨

インターコンチネンタル取引所は、株価指数金利、通貨などのデリバティブ商品を提供しており、ICEグループの一員であるNYSEは、現物株式やETFなども運営しています。

エネルギー関連商品(原油・天然ガス・電力など)

エネルギー関連のコモディティもインターコンチネンタル取引所では取引されています。

以下は取引されているエネルギー関連のコモディティの主なカテゴリーです。

  • ・天然ガス、天然ガス液、液化天然ガス、石炭、原油および精製製品、バイオ燃料、電気、石油化学

天然ガスや原油、石炭、バイオ燃料、電気などさまざまなエネルギー商品が取引されています。

農産物・コモディティ

インターコンチネンタル取引所では農産物や金属なども取引されています。

以下は取引されている農産物やその他のコモディティの主なカテゴリーです。

  • ・キャノーラ、ココア、コーヒー、コットン、冷凍オレンジジュース、砂糖、穀物、環境排出枠、貨物

コーヒーやココアなど馴染みのある農産物から、環境排出枠や貨物のようなあまり馴染みのない商品まで取引されています。

金融商品としての農産物については「農産物商品の基礎」で詳しくまとめています。

インターコンチネンタル取引所(ICE)と他の主要取引所との違い

インターコンチネンタル取引所(ICE)と、米国のシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)、英国のロンドン証券取引所(LSE)との違いを解説します。

以下は、それぞれの取引所の差異をまとめた一覧表です。

インターコンチネンタル取引所(ICE) シカゴ・マーカンタイル取引所(CME) ロンドン証券取引所(LSEG)
本社所在地 米国・アトランタ 米国・シカゴ 英国・ロンドン
設立年 2000年 1848年(シカゴ商品取引所) 1801年
成り立ち エネルギーの電子取引所としてスタート 農産物取引所としてスタート 証券取引所としてスタート
主な取引商品 原油、天然ガス、農産物、金利、排出権など 金利、株価指数、通貨、農産物、暗号資産デリバティブなど 株式、株価指数、ETP、債券など
上場市場 ニューヨーク証券取引所(NYSE) ナスダック(NASDAQ) ロンドン証券取引所(LSEG)
株式市場の運営 NYSEが担当 株式市場の運営なし ロンドン証券取引所のメイン事業
特徴 デリバティブ以外に株式市場も運営 デリバティブに特化 取引所機能以外に、金融情報にも注力

米国のインターコンチネンタル取引所とシカゴ・マーカンタイル取引所は、幅広い金融商品を取り扱っている点は共通していますが、歴史や成り立ち、上場市場は異なり、取引商品にも差異があります。

また、ロンドン証券取引所は株式がメインで、金融データの情報プラットフォームに注力しているのが特徴です。

インターコンチネンタル取引所(ICE)に関するQ&A

インターコンチネンタル取引所(ICE)に関するよくある質問は、主に以下の通りです。

  • ・インターコンチネンタル取引所はどこの国の取引所ですか?
  • ・インターコンチネンタル取引所ではどんな商品を取引できますか?
  • ・CMEやNYSEとの違いは何ですか?

インターコンチネンタル取引所はどこの国の取引所ですか?

インターコンチネンタル取引所は米国の取引所で、本社はジョージア州アトランタにあります。

米国だけでなく、カナダや欧州(英国、フランス、ドイツなど)、シンガポールといった世界各国にオフィスを構え、グローバルな取引所ネットワークを持っています。

日本にもオフィスがあります。

インターコンチネンタル取引所ではどんな商品を取引できますか?

インターコンチネンタル取引所では、さまざまな金融商品が取引されています。

原油や天然ガスなどのエネルギー、ココアやコーヒーなどの農産物、株価指数、金利先物など、世界経済に直結するさまざまな商品が取引できます。

なお、金や銀などの主要な貴金属先物はCMEでの取引が中心です。

CMEやNYSEとの違いは何ですか?

CMEはシカゴに本社を置き、金利、株価指数、通貨、農産物などの先物を取り扱っています。

NYSEはニューヨークに本社を置き、株式や債券、オプション取引を取り扱う取引所で、ICEグループの一員でもあります。

CMEやNYSEもインターコンチネンタル取引所と同じ世界的な取引所ですが、それぞれ歴史、取り扱い商品、特徴などに違いがあります。

【まとめ】インターコンチネンタル取引所(ICE)とは|特徴・商品・他の取引所との違いをわかりやすく解説

インターコンチネンタル取引所(ICE)は、米国のアトランタに本拠を置く取引所グループです。

農産物、金利、債券、排出権など幅広い金融商品を取り扱っており、ニューヨーク証券取引所(NYSE)もグループの一員と、世界最大規模の取引所です。

世界最大級の電子取引プラットフォームを提供しており、原油、天然ガスなどの世界中のコモディティの参照価格として利用されていることから、世界的に注目を集めています。

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