米新規失業保険申請件数とは|公表日やマーケットへ与える影響などを解説
米新規失業保険申請件数とは、米国で失業保険の給付を申請した件数を表す指標です。
米国労働省(U.S. Department of Labor)が、毎週木曜日に前週分のデータを発表しています。
本記事では、米新規失業保険申請件数の公表日や、マーケットに与える影響などを詳しく解説します。
目次
- 1.米新規失業保険申請件数とは
- 2.米新規失業保険申請件数がマーケットへ与える影響
- 3.米新規失業保険申請件数の推移
- 4.米新規失業保険申請件数に関するQ&A
- 5.【まとめ】米新規失業保険申請件数とは|公表日やマーケットへ与える影響などを解説
米新規失業保険申請件数とは
ここでは米新規失業保険申請件数について、以下の内容を解説します。
- ・目的と調査内容
- ・公表日
目的と調査内容
米新規失業保険申請件数は、米国で失業保険の給付を申請した件数を表します。
各州の失業保険を扱う事務所から報告された失業保険申請件数を収集し、季節調整をした数値が米国労働省(U.S. Department of Labor)から発表されます。
新規失業保険申請件数からは、米国における失業が増加傾向か減少傾向かを読み取ることができるため、米国の雇用状況や経済状態を測る先行指標として注目されています。
一方で、失業保険を申請していない失業者も存在するため、実際の雇用悪化は申請件数以上である可能性もあります。
なお、祝日や災害、季節、天候などの影響で数値が変化しやすくなる点に注意が必要です。
数値のブレが出やすいことから、4週間の移動平均を参考にしていることが多いとされています。
公表日
米新規失業保険申請件数は、原則として毎週木曜日に前週分のデータが発表されます。
月に4〜5回程度の頻度で、発表時間は日本時間の22時30分(夏時間は21時30分)です。
特に、毎月第1金曜日の米雇用統計の発表を控えた週では、先行的な指標として注目度が高まります。
以下は2025年後半における米新規失業保険申請件数の発表スケジュールです(時間は日本時間)。
発表月 | 発表日時 | ||||
---|---|---|---|---|---|
2025年7月 | 3日(21:30) | 10日(21:30) | 17日(21:30) | 24日(21:30) | 31日(21:30) |
2025年8月 | 7日(21:30) | 14日(21:30) | 21日(21:30) | 28日(21:30) | |
2025年9月 | 4日(21:30) | 11日(21:30) | 18日(21:30) | 25日(21:30) | |
2025年10月 | 2日(21:30) | 9日(21:30) | 16日(21:30) | 23日(21:30) | 30日(22:30) |
2025年11月 | 6日(22:30) | 13日(22:30) | 20日(22:30) | 26日(22:30) | |
2025年12月 | 4日(22:30) | 11日(22:30) | 18日(22:30) | 24日(22:30) | 31日(22:30) |
米新規失業保険申請件数がマーケットへ与える影響
米新規失業保険申請件数がマーケットに与える影響について解説していきます。
- ・指数の数値と意味
- ・為替レートへの影響
指数の数値と意味
米新規失業保険申請件数は、数値が高くなるほど失業保険を申請した人が増えていることを示し、数値が小さくなるほど失業保険を申請した人が減っていることを示します。
一般的に、通常の景気拡大期には20〜25万件程度で推移することが多くあります。
米新規失業保険申請件数が増加していると、米国では失業する人が増えていることを表し、米国経済が悪化しつつある可能性が考えられるため、相場にはマイナスの影響を与えます。
反対に、米新規失業保険申請件数が減少していると失業する人が減っていることを表すため、米国の経済状況が改善していると見なされ、相場にはプラスの影響を与えます。
為替レートへの影響
米新規失業保険申請件数が為替レートに影響を与えた例を紹介します。
出典:TradingView
2025年5月1日21時30分に発表された米新規失業保険申請件数が、市場予想の22.3万件に対して24.1万件と市場予想よりも増加し、前週比でも約1.8万件増と発表されました。
その結果、米ドル/円は5分間で大きな陰線をつけました。
一方で、21時35分以降の米ドル/円は右肩上がりに推移しており、長期的な影響は少なかったと考えられます。
米新規失業保険申請件数の結果次第で、瞬間的には為替レートが大きく動く可能性があるため、注意が必要です。
米新規失業保険申請件数の推移
> 国別経済指標
米新規失業保険申請件数の過去10年の推移です。
2015年10月から2020年2月まではほぼ横ばいで推移していますが、2020年3月は大幅に増加しています。
この時期は新型コロナウイルスの影響による世界的な経済危機でした。
米国も例に漏れず、ロックダウンや飲食店、小売店、旅行業を中心に多くの企業でレイオフが行われ、失業者が短期間に増加した結果が表れています。
一方で、2020年3月をピークに下落していき、2021年10月から2025年7月現在まではおおむね20万件台で推移しています。
経済ショックが起きた場合は、短期間に大きく増加しやすい特徴があると考えられます。
米新規失業保険申請件数に関するQ&A
米新規失業保険申請件数に関するよくある質問は、主に以下の通りです。
- ・米新規失業保険申請件数はどこで確認できますか?
- ・米新規失業保険申請件数はいつ発表されますか?
- ・米新規失業保険申請件数が減るとどうなりますか?
米新規失業保険申請件数はどこで確認できますか?
米新規失業保険申請件数は発表元の米労働省雇用訓練局のホームページで確認できます。
また、証券会社などの経済指標カレンダーでも発表日時や結果を確認できます。
OANDA証券では、「国別経済指標」のリンクより、米新規失業保険申請件数を含む各国の経済指標を確認できます。
米新規失業保険申請件数はいつ発表されますか?
毎週木曜日の日本時間22時30分(夏時間は21時30分)に前週分のデータが発表されます。
米新規失業保険申請件数が減るとどうなりますか?
米新規失業保険申請件数の減少は、米国の失業者が減少していることを示すため、米国の経済状況が良くなっていると考えられ、相場では好感されやすいです。
反対に、前回よりも数値が増加している場合は、その逆の関係になると考えられます。
なお、市場予想よりも大きく乖離している場合は相場がより動きやすくなる傾向があります。
【まとめ】米新規失業保険申請件数とは|公表日やマーケットへ与える影響などを解説
米新規失業保険申請件数とは、米国で失業保険の給付を申請した件数を表します。
数値が大きくなるほど失業保険の申請件数が増えていることを意味し、米国の景気悪化が懸念されます。
反対に、数値が小さくなるほど失業保険を新たに申請した人が減っていることを意味し、米国の景気が改善しつつあると判断されます。
ただし、失業保険を申請していない失業者や天候や季節などの影響を考慮すると、実際は数値以上に雇用状況が悪化している可能性がある点には注意が必要です。
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