小売売上高とは|重要性・見方・与える影響などを詳しく解説
小売売上高とは、スーパーやコンビニをはじめとする幅広い小売業の売上を表した経済指標です。
数値から個人消費の動向を把握できるため、景気を判断する材料として注目されています。
特に、米国ではGDPの多くを個人消費が占めていることから、個人消費の動向を示す米小売売上高の結果によっては相場が大きく動くこともあります。
本記事では、小売売上高の重要性や見方、相場に与える影響などを解説します。
小売売上高とは
まずは、小売売上高の内容や発表日時について解説します。
- ・小売売上高の内容
- ・小売売上高の公開日
小売売上高の内容
小売売上高は、消費者が日々の暮らしの中で購入する商品の売上高を示す経済指標で、個人消費の動向が景気状態を表すことから、注目されています。
日本では経済産業省の商業動態統計でまとめられており、「全国の商業を営む事業所及び企業の販売活動などの動向を明らかにすることを目的としている」とされています。
全国のコンビニエンスストア、スーパー、家電専門店、ドラッグストア、ホームセンターなど幅広い小売業態からの毎月の販売実績(売上金額など)の報告を基に集計されています。
小売売上高は日本だけでなく、米国や欧州、英国などの各国で公表されています。
特に米国は個人消費がGDPの多くを占めていることから、個人消費の動向を示す米小売売上高は米国の景気を表す重要な指標として、重要視されています。
米小売売上高は米国国勢調査局(U.S. Census Bureau)が発表しています。
なお、日本とは異なり、米小売売上高には飲食サービスが含まれます。
米小売売上高には、自動車販売の変動を除いた「除自動車」や、「除自動車・ガソリン」といった補助的な指標があり、価格変動の大きい項目を除いた、より安定的な動向を把握するために活用されます。
小売売上高の公開日
米小売売上高は毎月中旬の、日本時間22時30分(米国夏時間は21時30分)に前月分が発表されます。
以下は、2025年における米小売売上高の発表スケジュールです。
統計対象月 | 発表日時 |
---|---|
2025年8月分 | 2025年9月16日(21時30分) |
2025年9月分 | 2025年10月16日(21時30分) |
2025年10月分 | 2025年11月14日(22時30分) |
2025年11月分 | 2025年12月17日(22時30分) |
2025年12月分 | 未定 |
日本の小売売上高は商業動態統計として、速報値が翌月下旬、確報値が翌々月中旬に発表されます。
発表時間は、速報値が8時50分、確報値が13時30分です。
以下は、2025年における商業動態統計の発表スケジュールです。
統計対象月 | 速報値 | 確報値 |
---|---|---|
2025年8月分 | 2025年9月30日(8時50分) | 2025年10月15日(13時30分) |
2025年9月分 | 2025年10月31日(8時50分) | 2025年11月17日(13時30分) |
2025年10月分 | 2025年11月28日(8時50分) | 2025年12月15日(13時30分) |
2025年11月分 | 2025年12月26日(8時50分) | 2026年1月16日(13時30分) |
2025年12月分 | 2026年1月30日(8時50分) | 2026年2月16日(13時30分) |
小売売上高がマーケットへ与える影響
小売売上高は個人消費の形で景気の健康状態を測る経済指標であり、その結果がマーケットに大きな影響を与えます。
個人消費が活発になると、企業の利益や設備投資、雇用の増加、賃上げなどにつながり、景気が良くなります。
一般的に、景気が良くなると、その国の通貨が買われやすくなり、株価も上昇しやすくなる傾向があります。
個人消費が低迷すると、上記とは反対のパターンが生じやすくなる傾向があります。
ただし、背景にインフレや金融政策の変化がある場合は、反応が逆になることもあるので注意が必要です。
小売売上高の見方
小売売上高の見方や、結果がレートにどのような影響を与えたのかについて解説します。
- ・小売売上高の見方
- ・小売売上高の過去の反応例
小売売上高の見方
基本的に数値に注目し、過去の数値からどのように変化しているのかを見ていきます。
小売売上高の数値が前回発表よりも伸びていると、個人消費が活発で景気が活性化している兆しと好感され、通貨や株式の買い材料となります。
反対に、前回発表よりも減少していると、個人消費が冷え込みつつあると判断され、景気の悪化懸念から通貨や株式の売り材料になります。
また、市場予想との乖離が大きい場合はサプライズとして、相場に大きな影響を与える可能性が高まります。
ただし、小売売上高の数値が伸びているからといって必ずしも景気が良いというわけではありません。
インフレの影響で売上が伸びている場合や特定の業種だけ数値が伸びている場合もあります。
小売売上高の過去の反応例
小売売上高の結果によって、相場が動いた例を見ていきます。
小売売上高は各国が公表していますが、特に相場に影響を与えやすい米小売売上高の事例を紹介します。
出典:TradingView
上の画像は2025年7月17日21時30分前後の米/ドル円の5分足チャートです。
21時30分に6月米小売売上高が発表され、前月比が市場予想の0.2%に対して0.6%と上回りました。
市場は好感し、ドル買いの動きが強まりました。
発表直後の21時30分のローソク足を見ると、上ヒゲの長い陽線をつけています。
この時は、始値の148.81円から高値149.09円まで上昇し、約20pipsほど動きました。
21時30分以降は円高方向に進んでいますが、米小売売上高の結果次第では発表直後にレートが大きく動く可能性があることがわかります。
特に、市場予想と結果の乖離が大きいほど、相場への影響が高まりやすいです。
小売売上高に関するQ&A
小売売上高に関するよくある質問について、解説していきます。
- ・米国の小売売上高はどこで確認できますか?
- ・日本の小売売上高はどこで確認できますか?
- ・小売売上高が高いとどうなりますか?
米国の小売売上高はどこで確認できますか?
米国国勢調査局(U.S. Census Bureau)のホームページにある「Monthly Retail Trade」で確認できます。
また、証券会社などの経済指標カレンダーでも発表日時や結果を確認できます。
OANDA証券では、「国別経済指標」のリンクより、米小売売上高を含む各国の経済指標を確認できます。
日本の小売売上高はどこで確認できますか?
経済産業省のホームページにある「商業動態統計」から確認できます。
米国の小売売上高と比較すると、市場の反応は顕著でない傾向があり、証券会社などの経済指標カレンダーによっては発表日時や結果を確認できない場合もあります。
小売売上高が高いとどうなりますか?
小売売上高が高いと個人消費が伸びていると好感され、通貨が買われやすくなります。
ただし、短期間で小売売上高が急騰している場合は、インフレの影響で伸びている可能性があるため、注意が必要です。
低い場合は、その逆です。
【まとめ】小売売上高とは|重要性・見方・与える影響などを詳しく解説
小売売上高は、スーパーやコンビニをはじめとする幅広い小売業者の売上を表した経済指標です。
小売売上高が示す個人消費の動向は景気の良し悪しに関わってくるため、景気状態を判断する材料として注目されています。
特に米国は個人消費がGDPの多くを占めていることから、米小売売上高は投資家から注目されており、結果次第では為替に影響を与える可能性があります。
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