用語解説

恐怖指数(VIX指数)とは| 目安・活用方法を解説(きょうふしすう)


金融市場には、恐怖指数(VIX指数)という投資家の心理状態を表す指数が存在します。

恐怖指数(VIX指数)は、シカゴ・オプション取引所(CBOE)が算出・公表しているもので、S&P500を対象とするオプション取引のボラティリティを基にした指数です。

この数値が高いと、投資家が相場の先行きに不安感を抱いていることを示し、一般的には10〜20%が平常な状態で、20%を超えると強い警戒感を示すとされます。

恐怖指数が高い場合は、米国株式市場で大きな変動が予想され、投資リスクが高まっている状態であるため、FX取引をする際には慎重になることが大切です。

とはいえ、その特性をうまく活用することで、大きな利益を狙う戦略もとれます。

本記事では、恐怖指数の意味や活用方法などを解説していきます。

恐怖指数(VIX指数)とは?

まずは恐怖指数の意味と、その成り立ちや歴史を解説します。

意味

恐怖指数とはVIX指数のことで、英語で「investor fear gauge」と呼ばれるところを日本語で表した言葉です。

そのVIX指数はVolatility Indexの略語で、シカゴ・オプション取引所(CBOE)がS&P500を対象とするオプション取引のボラティリティを基に算出、公表しています。

今後30日間の変動性(ボラティリティ)を予測した指数であり、投資家が市場の先行きとしてどれくらいの振れ幅を見込んでいるかを表します。

市場リスクが高まり、投資家の間に不安感が高まっているときには、恐怖指数は上昇する傾向があります。

逆に市場のリスク許容度が高まり、市場が安定しているときには、恐怖指数は低下する傾向があります。

恐怖指数

歴史

恐怖指数は、シカゴ・オプション取引所により1993年から算出・公表されました。

さらに、2003年にはゴールドマンサックスとの共同開発によって改良され、より精度の高い恐怖指数が公表されています。

1993年当初の恐怖指数は「S&P100」に基づくものでしたが、2003年の改定以後は「S&P500」に基づくものに変わっています。

過去に恐怖指数が大きく高まったタイミングと数値を、高い順に一覧にすると以下の通りです。

  • ・世界金融危機:89.53(2008年10月)
  • ・新型コロナウイルスによるパンデミック:85.47(2020年3月)
  • ・中国経済失速懸念:53.29(2015年8月)
  • ・米国景気悪化懸念:50.30(2018年2月)
  • ・ロシアデフォルト&LTCM破綻:49.53(1998年10月)

タイミング

過去最高を記録したのは2008年の世界金融危機(リーマンショックの直後)で、2020年のコロナによるパンデミックはそれに迫る数値でした。

また、他のタイミングには「イラク戦争」などの戦争も含まれていますが、戦争よりも金融危機などの経済的な危機の方が、恐怖指数が高くなっています。

恐怖指数(VIX指数)の目安

恐怖指数の目安は以下の通りです。

恐怖指数 状態

10〜20%未満

市場が落ち着いている状態

20%以上

市場がやや不安定な状態

30%以上

市場が不安定な状態

40%以上

市場がパニックに近い状態

それぞれの目安に該当した出来事を挙げると、以下の通りです。

(10〜20%は通常の状態であるため、除外しています)

  • ・20%以上:米中貿易摩擦(2019年8月)など
  • ・30%以上:ロシアによるウクライナ侵攻(2022年2月)など(※)
  • ・40%以上:ギリシャ国際デフォルト危機(2011年10月)など

※30%台に到達したのは3月1日から

20%以上の数値は、戦争や大きな金融危機などがなくとも、しばしば記録されます。

40%以上の数値は、歴史的危機ベスト10に入るほどの危険水域です。

なお、上述の通り「20%を超えたら危険」というのが代表的な目安とされていますが、近年は「17%から危険」という見方もあります。

恐怖指数(VIX指数)の活用方法

恐怖指数の活用方法は、以下の通りです。

  • ・ファンダメンタルズ分析に活用する
  • ・ボラティリティを活用する

ファンダメンタルズ分析に活用する

恐怖指数は、米国の株式市場の状態を表します。

株式市場が不安定になると、リスクを嫌う投資家の資金が安定的な資産に流れます。

FXや外貨預金の場合は、日本円、スイスフラン、米ドルに流れる傾向があります。

ファンダメンタルズ分析に活用する

恐怖指数が上昇傾向にある場合は、これらの通貨が上がると予想して、買いポジションを建てるなどの分析ができます。

ファンダメンタルズ分析の方法はこちらの記事でも解説しているので、詳しく知りたい人はこの記事と一緒に読んでみましょう。

ボラティリティを活用する

恐怖指数は、あくまでも「大きな変動が予測される」という指数です。

大きな変動はリスクでもありますがチャンスと考えることもできます。

ボラティリティをうまく活用すれば、FXで大きな値幅を稼ぐ期待ができます。

恐怖指数が高まると「有事のドル買い・円買い」という言葉の通り、米ドルや円などが特に強くなるため、これらの通貨に買いを入れておくのも、1つの選択肢です(ただし、有事の円買いについては、円安相場になってからは必ずしも通じなくなっています)。

逆に、恐怖指数はじきに下がると予想する場合、上のパターンの逆張りとして売りポジションを建てるという選択肢もあります。

ボラティリティが何かわからない人は、こちらの記事で詳しく解説しているので、この記事と合わせて読んでみましょう。

恐怖指数(VIX指数)に関するQ&A

恐怖指数に関してよく見られる疑問点は、以下の通りです。

  • ・VIX指数は何に連動していますか?
  • ・VIX指数が高いとどうなりますか?

VIX指数は何に連動していますか?

VIX指数は、米国のS&P500を対象にしたオプション取引のボラティリティと連動しています。

連動といっても「負の相関関係」であり、株価とは逆の動きをします。

オプション取引のボラティリティは将来に向けた投資家心理を反映したものであるため、それを基に算出されるVIX指数も同じ性質を持ちます。

一般的に、市場が不安定になりS&P500の変動性が高まると、VIX指数は上がります。逆に、市場が楽観的であれば、VIX指数は下がります。

VIX指数が高いとどうなりますか?

VIX指数が高いほど、米国株式市場で大きな変動が予想されます。

この変動がFXにも波及して、米ドルを中心に大きく変動する可能性があります。

また、「日経平均版VIX指数」が高い場合は、米国ではなく日本の株式市場で、大きな変動が予想されます。

この場合、FXでは円を中心に大きく変動する可能性があります。

【まとめ】恐怖指数(VIX指数)とは

恐怖指数は、投資家が市場の先行きとしてどれくらいのボラティリティを見込んでいるか、つまり市場の不安定度を示す指数です。

10〜20%が平常で、20%を超えると不安定、30%を超えると危険だと判断されます。

投資家が恐怖を感じる局面であっても、ボラティリティを利用して利幅を稼ぐこともできます。

恐怖指数が上がると、FXでは米ドル、円、スイスフランなどが買われる傾向を覚えておくと良いでしょう。


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