円キャリートレード(円キャリー取引)とは|仕組み・リスクなどをわかりやすく解説
円キャリートレードとは、金利の低い円を調達して売り、金利の高い外貨や外貨建て金融資産を買うことで、金利差(利ざや)による収益を狙う取引手法です。
円を売るため、円キャリートレードが活発化すると円安になる傾向があります。
本記事では、円キャリートレードの仕組みやリスクなどを解説します。
目次
- 1.円キャリートレード(円キャリー取引)とは
- 2.円がキャリートレードに使われる主な理由
- 3.円キャリートレードの仕組み
- 4.円キャリートレードのリスク
- 5.円キャリートレードに関するQ&A
- 6.【まとめ】円キャリートレード(円キャリー取引)とは|仕組み・リスクなどをわかりやすく解説
円キャリートレード(円キャリー取引)とは
円キャリートレードとは、金利の低い円を調達して売り、金利の高い外貨や外貨建て金融資産を買うことで、金利差(利ざや)による収益を狙う取引手法です。
キャリートレード
とは、金利の低い通貨で資金を調達し、金利の高い通貨や資産に投資することで利ざやを得る投資手法です。その中でも、円を調達通貨として使うものを「円キャリートレード」と呼びます。
円キャリートレードが活発化すると円が売られるため円安要因となりやすく、解消されると円が買われるため円高要因になりやすい傾向があります。
円がキャリートレードに使われる主な理由
なぜ円がキャリートレードに使われるのか、その理由について解説します。
- ・円は低金利
- ・資金調達コストが安い
円は低金利
日本は長年にわたって低金利政策をとっており、円は主要国の中でも金利水準が低い通貨の1つです。
以下は、2025年12月時点における日本と主要国の政策金利を比較した表です。
| 日本 | 0.75% |
| 米国 | 3.75% |
| 欧州 | 2.15% |
| 英国 | 3.75% |
| 豪州 | 3.60% |
| カナダ | 2.25% |
米国や欧州と比較して、日本の政策金利は0%台と圧倒的な低さです。
特に、米国との差は3.00%と大きく開いています(2025年12月時点)。
このような日本の低金利状態が、円キャリートレードを活発化させる要因です。
主要国の政策金利の推移はOANDA証券の「主要国政策金利」のページで確認できます。
資金調達コストが安い
日本は金利が低いため、円を調達するコストも安く、キャリートレードに適しています。
仮に、投資資金として借り入れ金利1%で円を借りたとします。
その借りた円で利回りが4%の外貨建ての金融商品を購入すると、差し引き3%の利ざやが期待できます(単純化して考えた場合)。
利ざやを最大化するにはできるだけ安く資金を調達する必要があり、低金利の円は調達しやすいということで、円キャリートレードが活発化しています。
円キャリートレードの仕組み
円キャリートレードの仕組みについて解説します。
- ・低金利の円を調達する
- ・高金利通貨や金融資産で運用する
- ・金利差や投資資産の値上がりなどで利益を得る
低金利の円を調達する
まずは金融機関などから円を調達します。
重要なのは、日本は低金利であるため、円の調達コストが小さいことです。
日銀の利上げにより日本の金利が上がったり、投資先の金利が下がったりすると、利回りが低下し円キャリートレードの勢いは衰えやすくなります。
高金利通貨や金融資産で運用する
次に、調達した円で高金利通貨の購入や、外貨建ての金融資産を購入します。
例えば、円を売ってトルコリラを購入し、スワップポイントを狙うのも円キャリートレードの一種です。
この円売りが、円安圧力を強める要因になります。
金利差や投資資産の値上がりなどで利益を得る
購入した通貨との金利差や、投資資産の値上がり、為替差益などが利益になります。
仮に、円の借り入れ金利が1%で、購入した米ドル建て債券の利回りが5%であれば4%の利ざやを期待できます(単純化して考えた場合)。
また、円安方向に動いた場合は為替差益も狙えます。
米ドル/円が140円のときに借り、150円のときに円に戻せば、10円分の利益になります。
反対に、為替レートが円高に進むと為替差損が生じるため、為替変動リスクには注意が必要です。
円キャリートレードのリスク
円キャリートレードのリスクとして、巻き戻しが挙げられます。
巻き戻しとは、投資家がキャリートレードのポジションを決済する動きのことで、円を売って購入していた外貨や外貨建て資産を売却し、得た外貨を円に戻して金融機関に返済します。
外貨を売って円を買う動きが大きくなるため、円高要因になりやすい傾向があります。
以下は、円キャリートレードの巻き戻しのきっかけになりやすい展開です。
| 世界的な金融危機や地政学リスク発生時 | リスク回避のため、多くの投資家がポジションを手仕舞いする |
| 日銀の利上げや金融政策の転換時 | 円の金利が上がると調達コストの増加や金利差が縮小するため、利ざやが減少する |
| 投資先の利下げ局面 | 投資先の金利が下がると金利差が縮小するため、利ざやが減少する |
| 円高トレンドの発生時 | 円高による為替差損を防ぐため、ポジションが解消されやすくなる |
きっかけによっては円高が急速に進むケースがあり、このようなリスクを十分に理解しておくことが大切です。
円キャリートレードに関するQ&A
円キャリートレードに関するよくある質問は、主に以下の通りです。
- ・円キャリートレードはなぜ円安になるのですか?
- ・円キャリートレードは個人投資家でも可能ですか?
- ・円キャリートレードはどのような市場環境で活発になりますか?
円キャリートレードはなぜ円安になるのですか?
円キャリートレードは金利の低い円を売って、金利の高い通貨や外貨建ての金融資産を買って利ざやを獲得する手法です。
円を売って外貨を買う動きが活発化するため、円売り圧力が高まり、円安方向に動きやすくなるという流れです。
円キャリートレードは個人投資家でも可能ですか?
はい、個人投資家でも可能です。
例えば、円を売ってトルコリラやメキシコペソのような高金利の通貨を買うのは円キャリートレードの代表例です。
その他にも、円でドル建て債券などの外貨建て債券を購入する方法などもあります。
円キャリートレードはどのような市場環境で活発になりますか?
円の金利が低く、他国の金利が高く、そして円安傾向のときに活発になります。
円キャリートレードは円を売り外貨で運用する手法のため、円安進行による為替差益を期待でき、円安はプラス材料です。
反対に、円高傾向や相場が安定していない状況だと利益が少なくなるので、キャリートレードを解消する巻き戻しの動きが出てきます。
【まとめ】円キャリートレード(円キャリー取引)とは|仕組み・リスクなどをわかりやすく解説
円キャリートレードとは金利の低い円を調達して売り、金利の高い外貨や外貨建ての金融資産を買うことで金利差による利ざやを狙う取引方法です。
個人投資家でも日本円を売って、高金利通貨を買うなどの方法で円キャリートレードは可能です。
一方で、金利差の縮小や金融危機などでポジションを解消して円を買い戻す動き(巻き戻し)が起きると、利益の減少や為替差損による損失が生じる可能性があります。
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