さくらインターネットのVPS(仮想専用サーバー)の契約手順からMT4・MT5でEA(自動売買ツール)を設定する方法
FX取引でEAを用いる場合、VPS(仮想専用サーバー)を利用することにより、24時間稼働の体制を整えやすくなります。
VPSは多数のホスティング会社によってサービスが提供されており、それぞれの特徴や長所があります。
本記事では、さくらインターネットの「さくらVPS」を使ってMT4・MT5を導入し、EA(自動売買ツール)を設定する方法を解説します。
※本記事は特定のVPSを推奨するものではありません。
VPS上でOANDAのMT4/MT5を使いEAによる自動売買を始める手順を解説していますが、実際の利用時はお客様ご自身で検証、意思決定されることを推奨します。
目次
- 1.さくらインターネットでFX専用のVPS(仮想専用サーバー)を契約する方法
- 2.さくらインターネットでVPS(仮想専用サーバー)を契約・初期設定する手順
- 3.さくらインターネットのVPS(仮想専用サーバー)にRD接続する手順
- 4.さくらインターネットのVPS(仮想専用サーバー)にOANDAのMT4・5をインストールする手順
- 5.MT4・MT5のフォルダにEA(自動売買ツール)ファイルを移動する手順
- 6.EA(自動売買ツール)の動作確認を行う
- 7.さくらインターネットのVPSを使ったEA設定のポイント
- 8.VPS(仮想専用サーバー)やEA(自動売買ツール)に関するQ&A
- 9.【まとめ】さくらインターネットのVPS(仮想専用サーバー)の契約手順からMT4・MT5でEA(自動売買ツール)を設定する方法
さくらインターネットでFX専用のVPS(仮想専用サーバー)を契約する方法
さくらインターネットでFX専用のVPSを契約する方法は、以下の通りです。
- ・手順①会員登録をする
- ・手順②プランを選ぶ
- ・手順③電話認証を受ける
- ・手順④クレジットカードで支払う
上記の手順で契約は完了します。
契約に必要なものは、以下の3つです。
- ・メールアドレス
- ・電話番号
- ・クレジットカード
クレジットカードは必須ではなく、銀行振込で契約することも可能です。
しかし、この場合は入金の確認に時間がかかるため、すぐにVPSを使用することはできません。
電話番号については、SMS認証ではなく「音声認証」を行うため、音声通話をできる番号が必要です。
さくらインターネットでVPS(仮想専用サーバー)を契約・初期設定する手順
さくらインターネットでVPSを契約・初期設定する手順は、以下の通りです。
- ・手順①プラン内容を選ぶ
- ・手順②電話認証を行う
- ・手順③支払方法を設定し決済する
- ・手順④サーバーの電源を入れる
手順①プラン内容を選ぶ
まず、さくらVPSの公式サイトにアクセスし、ピンクの「お申し込み」ボタンを押します。
希望のサーバーを選びます。
今回はWindowsで説明するので、画面上部の「Windowsから選ぶ」のタブを押します。
上のような画面に変わり、OSのバージョンやプランを選択します。
OSは特にこだわりがなければ「Windows Server 2025」にします(料金はどちらでも同じです)。
「毎月払い」と「12ヶ月一括」のいずれかを選びます。
サーバーのプランは「おすすめ!」と書かれている「W2Gプラン」が最もスタンダードです。
「リージョン」は石狩と大阪のうち、主に作業する場所から近い方を選びます。
「購入台数」は、通常「1」にします。
ライセンスは「リモートデスクトップライセンス」を「1個」にします。
パスワードを入力します。
入力欄の下にある「管理ユーザーのパスワードをダウンロード」は、してもしなくても構いません(どこかに自分でメモしておけばOKです)。
サーバーの名前を設定できます。
初期設定ではプラン内容がそのまま書かれており、このままでも構いません。
名前を決めたら、右下の「お支払い方法選択へ」を押します。
手順②電話認証を行う
上のようなポップアップが出るので「電話認証へ」を押します。
上のような画面になるので、左側の欄を見ます。
電話番号を入力したら「音声電話で認証コードを受け取る」を押します。
電話の音声で数字5桁のコードを伝えられるので、それを入力して「認証」を押します。
認証が完了したら「次へ進む」を押します。
手順③支払方法を設定し決済する
支払方法の画面になるので、各項目を設定します。
支払いパターンは「毎月払い」か「12ヶ月一括」から選択します。
支払い方法は「クレジットカード」「銀行振込」「請求書払い」の3通りから選択できます。
クレジットカードの場合はセキュリティコードを入力します。
2週間のお試しを利用したい場合は「利用する」を押します。
クーポンを持っている場合は、コードを入力します。
ライセンスの種類と個数を確認したら「ライセンス数を確認しました」を押します。
請求金額を確認します。
パスワードを確認し、変更したい場合は変更します。
個人情報の取り扱いや約款などの説明を全て読み「同意する」をチェックし「お支払いを確定する」を押します。
クレジットカードの場合は5秒ほど認証画面になります。
上のような画面になれば、申し込み完了です。
手順④サーバーの電源を入れる
申し込み完了画面の「STEP2」にある「サーバー一覧へすすむ」のボタンを押します。
サーバー一覧の画面で、青いサーバー名を押します。
サーバーの管理画面になるので、「電源操作」を押します。
電源操作のメニューが出てくるので「起動する」を押します。
起動画面のポップアップが出るので「実行」を押します。
電源が入ると、サーバーの名前の下が「稼働中」となります。
下の方に行くと「ホスト名」「IPアドレス」などのサーバー情報が書かれています。
これらの情報(主にIPアドレス)を用いて、RD接続(リモートデスクトップ接続)を行います。
さくらインターネットのVPS(仮想専用サーバー)にRD接続する手順
さくらインターネットのVPS(仮想専用サーバー)にRD接続を行う手順は、以下の通りです。
- ・手順①管理画面からリモートデスクトップにログインする
- ・手順②リモートアクセスを許可する
- ・手順③自分のPCで「リモートデスクトップ接続」を開く
手順①管理画面からリモートデスクトップにログインする
まず、管理画面の「コンソール」から「VNCコンソール」を選びます。
上のようにリモートデスクトップのウィンドウが立ち上がります。
右上の「Ctrl+Alt+Del」のボタンを押します。
(自分でこの3つのキーを押しても構いません)
ログイン画面になるので、登録時に決めたパスワードを入力します。
上のような画面になるので、右下の「同意」を押します。
ダッシュボードが表示されるので、右上の「×」を押して消します。
消したらリモートデスクトップの画面が現れます。
手順②リモートアクセスを許可する
リモートデスクトップにログインできたら、このデスクトップに「リモートでアクセスできるようにする」設定をします。
画面下部の検索ボックスに「control」と入力し、コントロールパネルを開きます。
「システムとセキュリティ」を選びます。
「システム」の中の「リモートアクセスの許可」を選びます。
「このコンピューターへのリモート接続を許可する」を選び、その下にもチェックを入れ「OK」を押します。
これで設定は完了です。
手順③自分のPCで「リモートデスクトップ接続」を開く
自分のPCに戻り、Windowsの場合は左下の検索ボックスに「rdp」と打ち込みます。
「リモートデスクトップ接続」のアイコンが表示されるので、これを選択します。
上のような画面が表示されるので「コンピューター」の欄に、IPアドレスを入力します。
IPアドレスは管理画面で確認できます。
「IPv4」と「IPv6」がありますが、最初は「IPv4」の方を入力しましょう。
入力したら「接続」を押します。
上のような画面が出るので、パスワードを入力します。
パスワードは登録時に自分で決めたものです。
入力したら「このアカウントを記憶する」をチェックし「OK」を押します。
「このコンピューターへの接続について今後確認しない」をチェックし「はい」を押します。
接続に成功すると、上のような画面になります。
さくらインターネットのVPS(仮想専用サーバー)にOANDAのMT4・5をインストールする手順
デスクトップにある「Microsoft Edge」のアイコンを押します。
EdgeからOANDAのログイン画面を検索し、いつものようにログインします。
ログインしたら、MT4をインストールする場合は右側にあるMT4の「ダウンロードする」のボタンを押します。
MT5をインストールしたい場合は、MT5の「ダウンロードする」のボタンを押してください。
(ここからはMT4の画面で説明しますが、MT5でもやり方は同じです)
「MetaTrader4のダウンロード」のページになるので、緑のボタンを押してダウンロードします。
ダウンロードできたら画面右上にファイルが表示されるので、クリックして開きます。
出典:MT4
MT4のセットアップ画面が立ち上がるので「次へ」を押して進めていきます。
出典:MT4
MT4のインストールが始まります。
出典:MT4
インストールが完了したらMT4が立ち上がるので、いつものIDとパスワードでログインします。
MT4・MT5のフォルダにEA(自動売買ツール)ファイルを移動する手順
MT4・MT5のフォルダにEA(自動売買ツール)ファイルを移動する手順は、以下の通りです。
ここではMT4の手順を解説しますが、MT5でもやり方はほぼ同じです。
- ・手順①「さくらインターネットデスクトップ」にEAをダウンロードする
- ・手順②MT4・MT5のデータフォルダを開く
- ・手順③EAをMT4・MT5のデータフォルダに保存する
- ・手順④MT4・MT5を再起動し用意したEAの設定を行う
手順①「さくらインターネットデスクトップ」にEAをダウンロードする
使いたいEAをダウンロードし、ファイルを開きます。
ダウンロードしたファイルの中身を、MT4・MT5のデータフォルダに移します。
手順②MT4・MT5のデータフォルダを開く
ログインしたら「ファイル>データフォルダを開く」を選びます。
データフォルダを開いたら「MQL4」を開きます。
「Experts」を開きます。
「Experts」の中は上のようになっています。
ここにEAを入れます。
手順③EAをMT4・MT5のデータフォルダに保存する
このようにフォルダを2つ並べ、ドラッグ&ドロップで移動できます。
移動できたのを確認したら、フォルダとMT4を閉じ、MT4を再起動します。
手順④MT4・MT5を再起動し用意したEAの設定を行う
MT4の画面左下の「ナビゲーター>エキスパートアドバイザ」を開きます。
データフォルダに追加したEAが一覧に現れます。
EAを右側のチャート画面にドラッグ&ドロップします。
上のようなポップアップが出るので「パラメーターの入力」を押します。
各パラメーターを希望の数値にし「OK」を押します。
先ほどの画面に戻るので「OK」を押します。
EA(自動売買ツール)の動作確認を行う
EAをチャートに入れると、右上にEAのタイトルと顔のアイコンが表示されます。
顔のアイコンがへの字口の時は、EAが稼働していません。
EAが稼働していない時は、上部メニューの「自動売買」のマークが赤くなっています。
これをクリックすると緑のマークになり、EAが稼働します。
稼働している時は、アイコンがスマイルマークになります。
さくらインターネットのVPSを使ったEA設定のポイント
さくらインターネットのVPSを使ってEA設定をする際、追加で意識すべきポイントは、以下の通りです。
- ・必要に応じてさくらインターネットの契約プランの変更を検討する
- ・必要に応じてオプションの利用を検討する
必要に応じてさくらインターネットの契約プランの変更を検討する
さくらインターネットのVPSには、様々な契約プランがあります。
必要に応じて、契約プランの変更も検討しましょう。
プランの変更は、コントロール画面からできます。
コントロール画面を開いたら、下の方にスクロールします。
「契約情報」という欄があるので、右側にある「スケールアップ」の文字を押します。
「スケールアップ」のページになるので「シャットダウン」のボタンを押します。
ポップアップが出るので「実行」を押します。
シャットダウンが完了すると「スケールアップ先を選択」という画面が表示されます。
使いたいプランを選んだら「次へ」を押します。
お支払い情報を入力します。
プランの契約をクレジットカードでした場合、セキュリティコードのみ入力します。
金額と各種の約款を確認し「同意する」をチェックして「お支払いを確定する」を押します。
これでスケールアップは完了です。
さくらVPSでは、下位プランへの変更(スケールダウン)はできません。
下位プランを希望する場合は現在のプランを解約し、再度下位プランで契約し直す必要があります。
必要に応じてオプションの利用を検討する
さくらVPSでは、以下の2種類のオプションを利用できます。
- ・ストレージ変更オプション
- ・NFS
「ストレージ変更オプション」は、今のプランのままでストレージのみ増量するオプションです。
増量の内容によって、料金(変更手数料)は以下のようになっています。
(この手数料がかかるのは変更時のみです)
プラン | ストレージ増量の内容 | 変更手数料 |
---|---|---|
512MB | SSD 25GB⇒50GB | 550円 |
1G | SSD 50GB⇒100GB | 1,100円 |
2G | SSD 100GB⇒200GB | 2,200円 |
4G | SSD 200GB⇒400GB | 4,400円 |
8G | SSD 400GB⇒800GB | 8,800円 |
16G | SSD 800GB⇒1600GB | 17,600円 |
32G | SSD 1600GB⇒3200GB | 35,200円 |
※金額は税込みで2025年3月24日時点の価格。石狩・東京・大阪の各リージョンで共通。
「NFS」もストレージを追加するオプションですが、VPSのサーバーPCの内部ではなく「外部」に増量するオプションです。
追加容量ごとの月額と年額(12か月一括)は、以下のようになっています。
ストレージ容量 | 月額 | 12か月一括 |
---|---|---|
SSD : 100GB | 880円 | 9,680円 |
SSD : 200GB | 1,738円 | 19,118円 |
SSD : 400GB | 3,520円 | 38,720円 |
SSD : 800GB | 7,040円 | 77,440円 |
SSD : 1,600GB | 13,200円 | 145,200円 |
SSD : 3,200GB | 26,400円 | 290,400円 |
※金額は税込みで2025年3月24日時点の価格。石狩・東京・大阪の各リージョンで共通。
最新の金額は公式サイトの「料金・仕様一覧」のページでご確認ください。
上記のオプションはWindows用のVPS(さくらのVPS for Windows Server)では利用できません。
VPS(仮想専用サーバー)やEA(自動売買ツール)に関するQ&A
VPS(仮想専用サーバー)やEA(自動売買ツール)に関して、よくある質問は以下の通りです。
- ・VPS(仮想専用サーバー)とは?
- ・EA(自動売買ツール)とはなんですか?
VPS(仮想専用サーバー)とは?
VPS(仮想専用サーバー)とは、1台の物理サーバーの上に構築された、複数台の仮想的なサーバーのことです。
これらの仮想サーバーは、それぞれユーザーが専有して使用できるため、同じ物理サーバーを複数名で使用しても、専用サーバーに近い機能を利用できます。
VPSとは、Virtual Private Server(バーチャル・プライベート・サーバー)の略で、直訳である「仮想専用サーバー」が、そのまま上記のようなサービスの内容を表しています。
VPSは、共用サーバーと専用サーバーの中間に位置するサービスで、共用サーバーと比較して、自由度の高いカスタマイズをできることが特徴です。
反面、システムの設定やメンテナンスを自ら行う必要があるため、初心者の方は必要な作業を理解した上で使用する必要があります。
EA(自動売買ツール)とはなんですか?
EAとはExpert Advisor(エキスパート・アドバイザー)の略で、トレーダーに代わって自動的に売買を行ってくれるプログラムのことです。
数あるプログラム(自動売買ツール)の中でも、MT4・MT5で動作するものをEAと呼びます。
MT4・MT5以外の取引ツールでも、様々な種類の自動売買プログラムが提供されています。
具体的には、特定の売買のパターンを繰り返す「リピート型」や、特定の投資家の売買を基に自動売買を行う「トレーダー型」などのタイプが見られます。
EA(自動売買)についてはこちらの記事で詳しく解説しています。【まとめ】さくらインターネットのVPS(仮想専用サーバー)の契約手順からMT4・MT5でEA(自動売買ツール)を設定する方法
FX取引でEAを運用する際は、VPSの利用によって24時間稼働の体制を整えやすくなります。
今回紹介した、さくらインターネットの「さくらVPS」は、機能性の高さと使いやすさが特徴です。
OANDA証券のMT4・MT5は、さくらインターネットのVPSにも簡単に導入できます。
EAやVPSを利用しやすいFX会社をお探しの方は、弊社の口座開設もご検討ください。本ホームページに掲載されている事項は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであり、投資の勧誘を目的としたものではありません。投資方針、投資タイミング等は、ご自身の責任において判断してください。本サービスの情報に基づいて行った取引のいかなる損失についても、当社は一切の責を負いかねますのでご了承ください。また、当社は、当該情報の正確性および完全性を保証または約束するものでなく、今後、予告なしに内容を変更または廃止する場合があります。なお、当該情報の欠落・誤謬等につきましてもその責を負いかねますのでご了承ください。