市場見通し
19日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、ジューンティーンス独立記念日の休場で閑散取引となる中、欧州株相場や日経平均先物の下落に伴う円買い・ドル売りで一時141.66円付近まで下押した後、欧州時間に付けた約7カ月ぶりの高値142.00円に面合わせした。ポンドドルは1.2771ドルまで軟調に推移した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、日米金融政策の方向性の違いで底堅い展開が予想されるものの、昨年秋のような本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性に警戒する展開が予想される。
ドル円は昨日142.00円まで続伸し、三角保ち合いの上値目標値である142.21円に接近した。フィボナッチ・リトレースメントでは、151.95円から127.23円までの下落幅の61.8%戻しである142.51円が目安となっている。
しかし、本邦通貨当局は、昨年9月と10月にボラティリティー(過度な変動)を抑制するという名目で、ボリンジャー・バンド+2σ付近でドル売り・円買い介入を断行しており、本日も引き続き警戒していくことになる。現時点の+2σは、141.90円付近に位置している。
先週の米連邦公開市場委員会(FOMC)でのドット・プロット(金利予測分布図)では、2023年末のFF金利の中間予想値が5.60%(5.50-75%)と示され、年内残り4回の内2回(0.25%x2)の利上げが示唆された。しかし、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、7月FOMCで5.25-50%へ利上げ、そして、9月、11月、12月FOMCでは据え置き確率が高まっており、年内1回の利上げだけを示唆している。すなわち、これまでの市場の原則は「FEDに逆らうな」だったが、現状は、パウエルFRB議長の発言「過去2年、FOMCのインフレ予測は外れていた」により、FEDへの信頼感は低下している。
明日からのパウエルFRB議長の議会証言では、FRBと市場の金利見通しの乖離に関する見解に注目することになる。
植田日銀総裁は先週16日の日銀金融政策決定会合の後の会見で、「消費者物価の見通しが大きく変われば、政策変更につながる可能性がある」との見解を示していた。今週末23日に発表される日本の5月の消費者物価指数(CPI)では、日銀が昨年4月の展望リポートから注視している「コアコアCPI」(※生鮮食品やエネルギーを除いた数字)の予想は前年比+4.2%で、41年9カ月ぶりの上昇幅を記録した4月の同比+4.1%からの上昇が見込まれている。もし、上昇基調が続いていたならば、7月の日銀金融政策決定会合でのイールドカーブコントロール(YCC)上限引き上げへの思惑が高まることで、ドル円の上値を抑える要因となる。
10時30分に公表される6月豪準備銀行(RBA)理事会議事要旨では、次回7月4日の理事会での利上げの可能性を見極めることになる。政策金利を4.10%に引き上げた6月理事会では、「オーストラリアのインフレ率はピークを過ぎたが、7%という数字はまだ非常に高く、目標レンジ(2%~3%)へ戻るには、まだ時間がかかりそうである。今回の追加利上げは、インフレ率が合理的な期間内に目標へ戻る確信を強めるためのもの」と説明していた。本日は、ケントRBA総裁補佐やブロックRBA副総裁の講演が予定されており、良好だった豪雇用統計後の見解に注目したい。
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本日の東京外国為替市場のドル円は、日米金融政策の方向性の違いで底堅い展開が予想されるものの、昨年秋のような本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性に警戒する展開が予想される。
ドル円は昨日142.00円まで続伸し、三角保ち合いの上値目標値である142.21円に接近した。フィボナッチ・リトレースメントでは、151.95円から127.23円までの下落幅の61.8%戻しである142.51円が目安となっている。
しかし、本邦通貨当局は、昨年9月と10月にボラティリティー(過度な変動)を抑制するという名目で、ボリンジャー・バンド+2σ付近でドル売り・円買い介入を断行しており、本日も引き続き警戒していくことになる。現時点の+2σは、141.90円付近に位置している。
先週の米連邦公開市場委員会(FOMC)でのドット・プロット(金利予測分布図)では、2023年末のFF金利の中間予想値が5.60%(5.50-75%)と示され、年内残り4回の内2回(0.25%x2)の利上げが示唆された。しかし、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、7月FOMCで5.25-50%へ利上げ、そして、9月、11月、12月FOMCでは据え置き確率が高まっており、年内1回の利上げだけを示唆している。すなわち、これまでの市場の原則は「FEDに逆らうな」だったが、現状は、パウエルFRB議長の発言「過去2年、FOMCのインフレ予測は外れていた」により、FEDへの信頼感は低下している。
明日からのパウエルFRB議長の議会証言では、FRBと市場の金利見通しの乖離に関する見解に注目することになる。
植田日銀総裁は先週16日の日銀金融政策決定会合の後の会見で、「消費者物価の見通しが大きく変われば、政策変更につながる可能性がある」との見解を示していた。今週末23日に発表される日本の5月の消費者物価指数(CPI)では、日銀が昨年4月の展望リポートから注視している「コアコアCPI」(※生鮮食品やエネルギーを除いた数字)の予想は前年比+4.2%で、41年9カ月ぶりの上昇幅を記録した4月の同比+4.1%からの上昇が見込まれている。もし、上昇基調が続いていたならば、7月の日銀金融政策決定会合でのイールドカーブコントロール(YCC)上限引き上げへの思惑が高まることで、ドル円の上値を抑える要因となる。
10時30分に公表される6月豪準備銀行(RBA)理事会議事要旨では、次回7月4日の理事会での利上げの可能性を見極めることになる。政策金利を4.10%に引き上げた6月理事会では、「オーストラリアのインフレ率はピークを過ぎたが、7%という数字はまだ非常に高く、目標レンジ(2%~3%)へ戻るには、まだ時間がかかりそうである。今回の追加利上げは、インフレ率が合理的な期間内に目標へ戻る確信を強めるためのもの」と説明していた。本日は、ケントRBA総裁補佐やブロックRBA副総裁の講演が予定されており、良好だった豪雇用統計後の見解に注目したい。
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DZH Finacial Research
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