株式明日の戦略-後場に買われてプラスで終了、あすの動きが重要に

市場見通し
 20日の日経平均は反発。終値は18円高の33388円。米国株は休場で手掛かり難ではあったが、欧州株安が警戒材料となり、寄り付きは100円近い下落。序盤に33200円を割り込んだところでは押し目買いが入り、10時台半ばにはプラス転換して上げ幅を3桁に広げた。しかし、33500円に迫ったところで売り直されると、マイナス転換から一気に33100円を割り込むなど、下を試しに行った。

 前場は安値圏で終了した一方、後場は下押し圧力が和らぎ、値動きが落ち着いた。13時以降は緩やかながら下げ幅を縮小。小幅安で終わるかと思われたが、引け間際にまとまった買いが入り、プラスを確保して取引を終えた。マザーズ指数は14時辺りでプラス圏に浮上すると、そこからは引けまで上げ幅を広げる流れが続いた。

 東証プライムの売買代金は概算で3兆8900億円。業種別では卸売、金属製品、海運などが上昇している一方、保険、鉄鋼、電気・ガスなどが下落している。1:2の株式分割を発表したピアズが急騰。半面、上場以降、騰勢を強めていたアベジャが、上を試す場面はあったものの買いが続かず、初めての下落となった。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり777/値下がり971。アドバンテストなど半導体関連に見直し買いが入っており、ソシオネクストが10.7%高と値を飛ばした。バフェット氏の買い増しが判明したことで、三菱商事や三井物産など商社株が商いを伴って大幅高。前日ストップ高のANYCOLORが買いを集めた。自己株取得を発表した図研が急騰。ストップ高比例配分が続いて3営業日ぶりに取引時間中に値が付いたさくらネットが46.4%高と爆騰した。

 半面、企業向け保険で価格調整を行っていた疑いがあると報じられたことで、東京海上、SOMPO、MS&ADなど損保株が大幅安。全体株高に一服感が出てきたことから、野村HDや大和証券Gなど証券株が売りに押された。主力株ではトヨタがさえない動きとなっており、マツダや日産自動車など自動車株が全般軟調。日本製鉄や神戸鋼など鉄鋼株も下落銘柄が多かった。下方修正を発表したデコルテHDが大幅安となり、年初来安値を更新した。

 日経平均は方向感が定まらなかったが、終わってみれば小幅なプラス。後場の動きが良かった点は、あすの安心材料となる。売買代金トップ10銘柄ではトヨタ以外はプラスとなっており、足元で注目を集めている銘柄に対する買い意欲は強い。また、きょうはバフェット氏の商社株買い増し報道がなければ、もう少し全体相場は冷え込んでいたと思われる。材料難かつ、月曜の大幅安でセンチメントが弱気に傾きかけたタイミングでこういう話が出てくるというのは、まだ日本株の良い流れが終わっていないようにも感じられる。

 19日、20日と値動きが不安定になったことから、あすは休場明けの米国株の影響を大きく受けることになるだろう。きょうの安値が33089円で、33000円を割り込んでしまうと、利益確定売りを急ぎたい投資家が増えてくるとみておいた方が良い。一方、難なく5日線(33490円、20日時点)を上回ってくるようであれば、売り急ぎは抑制される。今週、週間で上昇となるか下落となるかの鍵を握る1日となりそうだ。

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