東京為替見通し=143円台でもみ合いか、円安基調変わらずも今後のサプライズには要警戒

市場見通し
 海外市場でドル円は、神田財務官や松野官房長官から円安をけん制する発言が伝わり、日本時間夕刻に一時142.94円まで売られた影響が残った。ただ、NY市場に限れば下値の堅さが目立ち143.71円付近まで上昇し、アジア時間に付けた日通し高値143.73円に迫った。ユーロドルは1.0900ドル近辺で、極めて狭いレンジでの取引となった。

 本日のドル円も143円台でもみ合いとなるか。先週トルコ中銀が利上げしたことで、日本と中国のみが金融引き締めに動かず、円と元が売られやすい状況が続いている。もっとも、昨日公表された6月15-16日に行われた「日銀金融政策決定会合における主な意見」では、「基調的なインフレ率を示す各種指標も、軒並み2%を超えてきている。消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、年度半ばにかけ低下していくものの、2%を下回らない可能性が高い」と明言している。これは、植田日銀総裁が6月16日の日銀政策決定会合後の記者会見で発言した「持続的・安定的な2%にはまだ達していない」と整合性が無いと言える。「イールドカーブコントロール(YCC)はある程度のサプライズが発生することはやむを得ない」とも発言している植田氏のことなので、今後のサプライズには要警戒となりそうだ。

 また、昨日も政府要人や財務官から円安けん制発言が出ていることで、本日も口先介入がドル円の上値を抑えそうだ。長期間為替介入が行われなった場合は、最初の介入は東京勢が参入している時間帯に行われる傾向があることで、東京勢がいる間はなかなかドル円を持ち上げるのは難しくなりそうだ。なお、昨年の円買い介入は9月22日に始まり、ドル円が145.90円に到達した後に行われている。

 なお、本日は4月の本邦の景気動向指数改定値以外は、主だった経済指標の発表がアジア時間ではないことで、円だけでなく多くの通貨で動意が薄くなりそうだ。もっとも、昨日プーチン露大統領は(ワグネルの代表の)プリゴジン氏の名前には言及しなかったものの「武装蜂起の主催者らは裁かれる」と発言していることで、週末の反乱の余波でロシア情勢が急変する可能性には要警戒となりそうだ。

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