UBSのグレーターチャイナ・エクイティ部門の李智穎・主管は最新リポートで、2023年の中国国内総生産（GDP）成長率見通しを5－5.5％増に引き下げた。4－6月期の主要経済指標が総じて弱かったことを理由に挙げた。一方、政策支援の効果が次第に表れ、市場マインドの改善と消費回復の拡大に伴い、下期に株式市場は徐々に持ち直すとの見方を示した。『AAストックス』が5日伝えた。

　李主管は、複数の本土銀行が金利を引き下げたことに触れ、政府が経済を下支えする意向が反映されていると指摘。ただ、大規模の経済刺激策が打ち出される可能性は低いとの見方を示した。当局は「不動産は住むためのもので、投機の対象ではない」とのスタンスを堅持するなか、「二線都市」で住宅ローン金利の引き下げや住宅購入規制の緩和といった措置を講じるものの、「一線都市」（北京、上海、広州、深セン）はその対象にならない可能性があるとした。

　一部の都市が独自の消費刺激策を打ち出すと予想。また、当局が新エネルギー自動車（NEV）購入税の減免期間を27年に延長したことに触れ、消費を刺激し、下期の経済成長を後押しするのが狙いだと指摘した。その上で、期待されている政策支援の具体的な内容や、それに対する本土住民の反応、政策の効果が下期の中国株式市場に影響を及ぼすと予想。足元で市場では悲観的な見方が広がり、株式市場の平均PERが9.2倍と昨年10月に付けた低水準に近づいているが、企業利益の改善を背景に中国株式市場の先行きは依然として魅力があるとした。 

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