東京為替見通し=ドル円 一目雲の上限を睨んだ動きか、週後半には重要イベント控える

市場見通し
 先週末の海外市場でドル円は売り先行も133.55円を下値に134.49円まで急反発。下振れが予想された4月米製造業/サービス部門PMI速報値が強い結果となり、米金利の上昇とともにドル買い戻しにつながった。もっとも一巡後は134円前半でもみ合った。
 ユーロドルは1.09ドル半ばから後半で底堅く推移した。ユーロ円も欧州前半につけた146.41円から147円半ばまで切り返した。

 本日の東京為替市場でドル円は、134円前半で低下傾向の日足一目均衡表・雲の上限を睨みながら方向感を探る展開か。今週後半に控える米GDPやインフレ指標、日銀の金融政策発表などの重要イベントを見極めたいという雰囲気が広がりつつある。なお一部報道によれば、日銀は長期的な視点から「金融緩和策の点検・検証を実施する方向」で調整に入ったという。

 前述した一目・雲の上限は先週後半の134.30円台から本日は134.23円まで水準を下げ、明後日には134.00円まで低下する見込み。その後も132円台まで下降して幅を狭めた雲は、FOMC結果が公表される5月3日には先行スパン1と2が同値となる。

 先週のドル円は強弱入り混じる米経済指標を受けて、134円台を中心に上下が続いた。週間値幅(安値-高値)は1円58銭に留まり、週としては年初来で最小。昨年4月以降をみると、週間レンジで2円より狭かったのは6週のみだ。それらの翌週は平均で3円40銭程度まで値幅を拡大しているため、動意の強まりに期待したい。

 なお米国では、米連邦公開市場委員会(FOMC)を来週に控え、金融当局者の政策に関する発言が禁止された「ブラックアウト期間」に入った。そのためイベント前の週前半から半ばは手掛かり難となりそうだが、市場のリスクセンチメントに影響しそうなのが同国の主要企業の四半期決算か。

 気になるのは、米国債のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)が上昇基調だということ。債務不履行に備える保証率(保険料)は、足もとで5年債CDSが約50ベーシスポイント(bp)と約11年ぶりの高い水準。それより上げが顕著(債務不履行リスクへの警戒高)なのが1年債CDSであり、105bpを超えて過去最高水準に達している。

 米債務上限問題への懸念が米債CDS上昇の要因。共和党のマッカーシー米下院議長は今週にも上限引き上げ法案が下院を通過すると述べており、その動向は気にかけておく必要がありそうだ。
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