東京為替見通し=ドル円、レンジ取引続く ユーロ円やスイスフラン円には注目

市場見通し
 昨日の海外市場でドル円は買い戻しが強まるも134.73円までとなり、一巡後は米長期金利低下にともなうドル売りで134円前半まで押し戻された。ユーロは対ドルで1.1050ドルまで上値を伸ばし、対円では148.47円と約8年4カ月ぶりの高値を更新した。ユーロ圏経済の底堅さや、金利先高観の強まりに後押しされた。

 本日の東京為替市場でドル円は、基本的には先週レンジ(133.55円-135.13円)の中で上下する展開か。昨日は米10年債利回りが前週末比で8ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下して終えた。それを受け、買いが先行していたドル円は134円後半から失速したものの、134円台は維持して引けている。大規模な金融緩和の継続が見込まれる日銀会合を27-28日に控え、積極的に円も買えないというのが実情だろう。

 ニューヨーク終値水準で推移すようならば、やはり日足一目均衡表・雲の上限を気にした動きとなるか。昨日134.23円に位置した同水準は、本日134.09円まで降り、明日には134円まで低下が示唆されている。支持や抵抗水準になるというよりも、雲の上限を挟み方向感を模索する展開と考えておきたい。

 昨日は一部報道による「日銀は長期的な視点から、金融緩和策の点検・検証を実施する方向で調整に入った」が話題となる場面があった。植田・新日銀総裁は点検・検証の必要性について既に述べていたこともあり、それほどサプライズではない。ただし、その結果発表後に金融政策が修正されたことが黒田・前総裁の時代にあったため、市場は気にしているようだ。なお、植田総裁は衆院の分科会で昨日、イールドカーブコントロール(長短金利操作、YCC)の正常化の条件として、2%の物価見通し実現の確からしさが必要との見解を示した。

 円絡みでは昨日、ユーロ円が148円後半まで上昇し、2014年12月以来の高値を記録。タカ派色を強めつつある欧州中央銀行(ECB)と緩和スタンスを変えないであろう日銀という、金融政策の差がユーロ買い・円売りにつながっているもよう。他にもスイスフラン円が昨日151.49円まで上昇した。これは昨年9月高値に並ぶ水準であり、超えるようだと40年以上ぶりのフラン高・円安となる。欧州通貨のクロス円の動向もドル円に影響すると思われ、目を向けておきたい。

 なお、本日はゴトー日(5・10日)であり、東京仲値にかけて値幅を広げるパターンもありそうだ。また、ニュージーランドとオーストラリアはアンザックデーの祝日であり、NZドルや豪ドルの流動性が通常より悪くなる可能性も念頭に置いたほうがよいだろう。
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