東京為替見通し=米両政党のデフォルト回避姿勢でドルは底堅いか、豪賃金指数に要注目

市場見通し
 海外市場ではドル円は、4月米鉱工業生産や5月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数が予想を上回ったことが明らかになると、米長期金利の上昇とともに円売り・ドル買いが活発化し、一時136.68円まで上値を伸ばした。ユーロドルは1.0855ドルまで弱含んだ。

 本日のドル円は底堅い動きか。米国の債務上限引き上げ問題について、与党民主党だけではなく、昨日共和党のマコーネル上院院内総務も、マッカーシー下院議長(共和党)とともに開いた会見で「我々(共和党と民主党)はともにデフォルト(債務不履行)を避けたい」と発言。いまだに両党は合意に達していないものの、バイデン大統領がアジア・オセアニアの歴訪を短縮し、21日に再協議を行う予定で、問題解決に進めて精力的に取り組んでいる。両党がともにデフォルト回避姿勢を明確にしていることは、ドルの支えとなりそうだ。
 先週末に議会予算局(CBO)が、財務省が6月に十分な歳入を確保できれば、米国は7月までデフォルトを回避できると最新の報告書で発表している。民主党は短期的な解決は否定しているものの、ある程度の歳入を確保すれば、少なくともデフォルトリスクとされる「Xデイ」が6月から7月末までずれ込み、債務問題解決まで時間を稼ぐこともできることになる。

 また、債務上限問題以外でも、昨日はメスター米クリーブランド連銀総裁、バーキン米リッチモンド連銀総裁などがタカ派発言を繰り返したことも、ドル円の買い要因。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、1カ月前は9月の利下げ予想が約68%だったものが、1週間前は約62%、そして昨日は55%程度まで低下している。銀行の信用収縮問題が、今後どの程度米経済に悪影響を与えるかが未知数なことで、年後半に利下げを回避することが出来るかはいまだに定かではない。しかし、徐々に利下げ予想が低下していることはドル買いにつながる。

 本日は本邦から1-3月期実質国内総生産(GDP)速報値、3月鉱工業生産確報、同月設備稼働率などの複数経済指標が発表される。GDPでは円相場が多少の反応はするだろうが、ここ最近は市場が大きく反応することがなく、東京時間は需給の流れが円相場のトレンドを作ることになるか。

 本邦以外では、豪州の1‐3月期賃金指数に注目したい。前年比では前回の3.3%増から3.6%増への上昇予想となっている。この予想は、昨日豪準備銀行(RBA)の5月議事要旨で公表された、RBA予想の「1‐3月四半期の賃金上昇率が年率約3.5%から4%程度」に沿ったものとなる。このレンジの中心値程度に収まれば市場の動意は薄いだろうが、レンジの上限や下限、またはレンジから外れた場合は豪ドルが大きく動く可能性に留意したい。

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